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いくよ機龍また来たタンバ

 週末のことなど。その前に先週、シン・仮面ライダー三回目。

 こうなるともう、アニメっぽい台詞回しも『結局身内の揉め事だったのかい』とか、ブレまくるオマージュとかアラも気にならなくなるのです。カードもいっぱいもらったし。たぶんこれが見納めかな、と思うのです。

 そして週末。5/13、14と恒例超大怪獣大特撮大全集、今回は『機龍2部作20周年上映会』と称し、『ゴジラ×メカゴジラ』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS』の上映&手塚昌明監督のトーク&サイン会というプログラム。

 その前日、立ち寄った古道具屋で見つけた東京SOSピンバッジ。これは何かの縁ですよ、とゲン担ぎも兼ねて購入。両日、こっそりつけておりました。

 そして会場に向かう前にみつけた自販機。機龍とバーニングゴジラ、これまた縁起がいいぞ、と購入したらキングギドラでした。

 会場にはイベントポスター、そしてタンバ。

 雨がぽつぽつ降る中、会場。今回はゲストの手塚監督から来場者に税いんプレゼントがありました。中身はゴジラ映画のフィルムコマ切り。そしていつもの挨拶ののち、上映開始。しかしなぜいつもここでぶれてしまうのでしょうか、いいスマホ買っても持ち主の腕が悪いとだめですな。

 上映終了後、監督にご登壇いただきフォトセッション、トークタイムへ。自分も登壇している身なので、写真はないのですが、一言『自分が写ってる写真頂戴ね』と言っておけばよかった。個人の写真を無断では使えません。過去にやってるかもですが。

 今回はキャスト社中村社長とダブル司会。機龍シリーズのメイキングを面白おかしく語る監督に場内が大いに沸きました。サイン会も滞りなく終了、物販の怪獣くじに監督も参加したり、初日は無事終了。遠方からのお客様、お子様連れも多く、改めて機龍人気の根強さを思い知りました。

 そして二日目は単独でトークの聞き手。昨日と同じ内容になるかもと思いつつ(それでも初めてのお客様が多いからそれはそれでいいのです)、監督の愛のこもったトークに前日と同じく場内は大いに沸いておりました。そしてサイン会、物販タイムに移り、二日目も大きなトラブルもなく終了。

 封筒も第一機龍隊スタンプも監督のお手製という入場者プレゼント。いただいたフィルムはサイボットゴジラ!

 物販では手塚監督ファン代表? MAYOKOさんの同人誌も販売。これまた愛にあふれた作品になっておりました。

 そして監督ご持参の『×メカゴジラ』に登場のスピアガンの小道具。小道具とはいえ、金属製でずしりと重く、ここにも監督のこだわりが表れているようでした。

いただき物写真。フォトセッションの様子。お邪魔にならぬように、しゃがんでます

 大盛況のうちの機龍上映会が終わった翌日。三度九条へ。

 なにも認知症がひどくなってスケジュールの把握ができなくなった、とかではありませんよ。先週も見た『生誕百年記念丹波哲郎祭 死んでも生きられる』を見に来たのです。なにせ、あの幻の『砂の小舟』が上映されるのならば見るしかない、しかもスケジュール的にいって今日しかない、ということで。

 『砂の小舟(おぶね)』(ビデオタイトルは『地上より大霊界』)は1980年、Gメン75でのりにのっていた頃のタンバさんの自主製作映画。映倫マークを見たら1977とあるので、公開まで時間がかかったのでしょうかね。沈没、革命、大予言、炎上と数々のスペクタクルを潜り抜けてきた大スターがその身に甘んじることなく自分のやりたいものをやってみたら、なんとも不思議な映画になっていた。でもそれが後の『大霊界』に繋がるもの、タンバさんのメッセージが強く現れているものだったのです。 

 砂浜で小舟を掘り出した少年と少女が、船に導かれるまま不思議な世界を旅するといった内容で、少女にはお尻に『怨』の痣、少年は口がきけないということで、なぜそうなったかを、彼らの前世にまでさかのぼっていくのです。最初霊界ものかと思ったら輪廻転生がテーマでした。鎌倉時代の高貴な身分だったふたりは、平家の残党に誘拐され、源義経復活の片棒を担がされることになるのですが、その平家の残党の首領こそがタンバさん。企画、制作、脚本、監督の四役をこなしたタンバさんが悪役なのですよ。怪僧タンバ、義経のしゃれこうべを片手に高笑い。義経の怨念を幕府にぶつけて滅ぼしてやろうという『帝都物語』のような展開。それには男女がまぐわった際の聖なる水を義経のしゃれこうべに塗るのだ、と。聖なる水って? 男女どっちのアレ? ともかく、そのしゃれこうべはベチャベチャとして生臭そうですな。ちなみにこの映画のオープニングに出る『丹波企画』のトレードマークも金色のドクロでした。

 源氏の血を引くお前らがまぐわうことで義経が復活するのだ、と少年少女に性交を強要するも、少女にしゃれこうべに短刀を突き立てられ、計画は頓挫、二人はなぜか全裸の上に剃髪されて、少女は尻に『怨』の焼き印を押され山に放り出されます。その際しゃれこうべも持っていけと言われるのです。山中をさまよう全裸で坊主の男女、山賊に襲われ、少年は舌を抜かれるものの、義経の怒りか突如大地震、山肌が崩れ地割れが人を飲む大スペクタクル。自主製作映画でもすごい金がかかってるなぁと思いきや、これは『人間革命』からの流用で、思いがけず中野特撮を堪能できるのです。

 大人のメルヘン、というかダークファンタジー。どうやら助けてもらった舟の恩返しのような内容にも見えます。前世の因果が現世にも影響されるのだ、ということなのでしょうかね。でも、少年少女にしてみれば

全部とばっちり

だったのではないかと思うのです。退色しかかった16ミリプリントでの上映で詳細は不明ですが、少年より少女の方が腋毛が濃かったように思いました。気のせいかもしれませんが。

 幻の一品を見て、さあ帰ろうかと思いましたがせっかく来たのだからと続く『七人の野獣・血の宣言』も。

 ニセ刑事、バナナの叩き売り、予想屋、詐欺師、チンピラ、自称殺しのエージェント、クセの強い悪党たちが三億円強奪事件の上前をかすめようと奮闘する『黄金の七人』のようなお話。ですが、この6人とにかく仲が悪い、出し抜き、裏切り、なんとかお金を独占しようとして最後には殴り合いになってしまう。そんなドタバタが続くスラップスティックコメディでした。
 で、見ていてクレジットで丹波さんとツートップで並んでいた宍戸錠がいつまでたっても出てこないので、三億円のことよりそっちの方が気になってハラハラしてしまうのです。
  
 それと、この手の作品の常として、メンバーに女を入れると必ず全部持っていかれるというのも鉄板パターン。世代的には『ルパン三世』で何度となく見てきた描写です。そのルパンも元をただせば数多ある犯罪もの、日活アクションからの血を引いているので、その原典の一部を見たような気がしました。 

 そして、見終わってからこれがシリーズものの二本目ということに気が付いたのです。それで宍戸さんの出番はあんなにゆっくりだったのかな。


 ファンタジーとアクション、そんな丹波映画見て、帰宅してから機龍上映会の余韻に浸りつつ『ゴジラ×メガギラス』見ながらカレーを食べました。

 終

 

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