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豪腕再び、みんな太くなる

 最近古い映画ばかり見てたので、最新作を。いつの間にか新作が作られ、そしていつの間にか公開されていた『犯罪都市 THE ROUNDUP』を。暴力コメディ映画である前作……いや、2年前から立て続けにマ・ドンソク作品を見て、その面白いフォルムの体型と、それに見合った豪腕アクションを楽しんできたので、久々に彼の作品が見れるのは大変うれしいのです。いつの間にかシネコンでドンソクさんが見れるようになったのですよ。ドン・リーなんで欧米向けの名前なんか捨てて、マ・ドンソクでやってほしいと思います。

 マ・ドンソクは太い。太いがデブではない。かといってムキムキのマッチョではない。相撲取りの死亡と筋肉が絶妙にブレンドされた体、というべきか。殴られたら即死かもしれない、と思わせる説得力のあるぶっとい腕で繰り出す豪快なアクション。刃物で切られても少々のことでは死ななさそうな安心感。

 今回も仲間たちと凶悪犯を追い詰める刑事、ということで犯行現場にぬっと背中からフレームインしてくるだけでも頼もしい。太い、首が、そして背中も太い。見ているこちらも気持ち、体が太くなっていく。

 ベトナムから逃げてきた凶悪犯を追うドンソクさんと仲良し捜査チーム。上司から怒られてもふとぶと、否ふてぶてしくもかわして、図太くやっていく姿は見習いたい。

 しかし、あちらの俳優さんは『本物か?』と思うような面構えの方々で、本当に人を傷つけたり殺してそうな存在感がある。やられる方もリアクションが上手いから、本当に切られているように見える。拳銃をほとんど使わずにナイフや鉈で殺すのもまた痛々しい。でもそんなものもマドンソクの漫画みたいな太キャラにはかなわないんですよ。のしのしとやってきて、ブン! と腕を一振りすれば万事解決。
 
 前作に引き続き『真実の部屋』も登場する。でも弁護士のスタンさんは今回欠席、残念。太キャラドンソクさんには常にいじられキャラが必要である。それがだいたい街のチンピラだったりするのだ。警察官だから市民には優しく、犯罪者には容赦しないのだ。ドンソクさんが1ダースいれば世界の平和は守られるのではないか。というぐらいの安心感がある。

 

  パンフによれば日本版リメイクに、シリーズ8本構想もあるとか。楽しみである。あのぶっとい腕で悪が潰されていくのを、我々はにやにやしながら見て、そして身も心も太くなったつもりで劇場を後にするのだ。

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