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自分らしさとチャレンジすること

順番が回ってきて,朝会で全体に話をすることになり,何を伝えようか迷っていたが,推しの子の最終回を見て,この表題を思いついた。アニメっていいなあ。

  私は小さい頃からアニメが好きで登場人物のセリフや気持ち,行動から学ぶことも多かった。ところで,スパイファミリーというアニメを知っているだろうか。それぞれ秘密を抱え,生き抜くために偽りの家族を演じる3人と一匹を描いたアニメだ。父を演じるたそがれは戦争を阻止しようと暗躍するスパイ。母を演じるヨルは悪い人を懲らしめて生計を立て,娘を演じるアーニャは他人の心が読める超能力者,ペットのボンドは未来予知ができるスーパー犬。最初は偽りの関係だったがだんだんと,お互いを思いやった一面が見られるようになる。さて,任務や仕事で見せる顔と家族での顔。どちらが彼ららしいと言えるか。偽りの家族で見せる彼らの顔は所詮偽物なのか。私はそうはみてて感じない。それぞれが見せる親としての表情や娘としての表情は本当に感じていることではないか。彼らはもともと持っていた自分らしさとは他に,新しいことを始め環境が変わり,人と会ったことにより新しい自分らしさを見つけたのだ。 
 では3次元に戻ろう。普段の生活で他人がいつもとは違う行動,自分に向けられた突然の親切に違和感を覚えることはないだろうか。「この人らしくない」と。逆に授業中に手をあげたり,自分から進んで仕事を手伝ったりすることに,「自分らしくない」と思って躊躇することはないだろうか。挑戦しようと先生から言われても,周りの目が気になって,もしくは自分にできるか心配になって挑戦する勇気がなくなる,あるいは面倒だからやらないと自分の成長を逃してるという人もいるだろう。私の話になるが,私は中学生の時は人の前に出て誰かを笑わせることが好きだった。でも高校生になってそれに恥ずかしさを感じるようになった。ところが周りは「面白くなくなった」「らしくない」といった。私はとても悲しかった。今の自分をみてくれないことに。大学生になって様々なボランティアに参加したり,地域の人たちと交流したり,外国に行ってみたりもした。中学生の同級生は私の行動が不思議だったようだ。「らしくない」と。だけど大学の友達が応援してくれたおかげで,挑戦し,大きく成長することができた。しかし補足すると中学生の同級生と仲が悪いのではなく,今でも年に3回くらい集まってバーベキューやミニ運動会を6人から15人くらいで集まって楽しく遊ぶ仲だ。その時はそうだっただけ。
 ここが私の今日一番伝えたいことだが,成長するには挑戦が必要だ。挑戦することにより失敗から学び,視野が広がる。過去の自分らしさが自分らしさではなく,自分らしさは今ここから作るものだ。だから自分はこういう人間だと今決めつける必要はない。誰かのためになる,自分の成長につながると思ったならそれをやってみるといい。それには勇気が必要だけど,周りが応援するから,その人は前に進める。だから逆に誰かが挑戦しようとしていたら,らしくないとか,でも昔は,とか言わずに友達の今を見つめて応援してほしい。またアニメの話になるが,アナと雪の女王のエルサだって,ぼっち・ざ・ろっくのボッチちゃんだって,推しの子の有馬かなだって,過去の自分ではなく今の自分を見つめて応援してくれる人がそばにいたから,過去の自分らしさを一度手放して大きく成長することができたのではないだろうか。挑戦といっても国を救えとかバンドを始めろとかアイドルをやれと言ってるのではない。小さな親切から始めるといい。落とした消しゴムを拾ってあげる。後ろのひとに丁寧にプリントを渡す。渡されたらありがとうときちんと言葉で伝える。それからでいい。小さな親切からありがとうが生まれ,他の人のことを認められるようになり,挑戦を応援できるようになる。自分も挑戦したくなる。感動というのはそういったひとりひとりの挑戦から生まれると思う。
 と,いう私もまだまだ勉強不足でたくさんのことにチャレンジして成長しようとしている。子どもだからではなく,生涯にわたって成長できるように今から挑戦を始めてはどうだろうか。