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【デュエプレ座学】1枚のカードを大事に使う (前編)

少し思うところがあって、以下の盤面でのプレイングの思考を綴ろうと思ったのだが、いざ筆を執ると書くべき前提が長すぎてげんなりしてしまった。

そこで、その前提部分だけまずは別記事として切り出すことにした。
それが本記事である。

カードをズラしてプレーする

抽象的な話だが、今のデュエプレは、1枚1枚のカードをより多く働かせたプレイヤーが勝つゲームであると筆者は考えている。
いつかの先攻キリコライゾウフュージョン
のような、出せば勝ちのビッグアクションを押し付け合う時代は終わってしまった。
カードの応酬による細かいリソースの奪い合いへとゲームの焦点が変化した。

こうしたゲーム観は、「デュエプレが昔ほどの先攻ゲーではなくなった」と考える人が増えていることにも反映されている気がする。
押し付けが最強の戦略なら先攻が自明に有利だが、リソース勝負になった今は、後攻の手札1枚分のリソース差も無視できないということだ。

そのようなゲーム観のもとで勝ちを狙う場合、相手のカードを弱く使わせ、自分のカードを強く使うことは大原則となる。
リソースの奪い合いなのだからそれはそうだ。

話だけ聞くと意外性はあまりない。
しかしこれをちゃんと実践しようと思うと案外難しいのである。

例えば、自分が《超次元ガード・ホール》から《時空の支配者ディアボロスZ》をプレーした返しに、相手が《ドンドン吸い込むナウ》を撃ってきて、ディアボロスを除去されてしまった、という経験はないだろうか。

吸い込むとディアボロスがトレードされて、こちらの手札にゲームを決めるカードが残らない。
結構不利な展開。

このとき、リソース面では自分の7マナのカードと相手の4マナのカードのトレードが発生しているだけでなく、自分だけ一方的に手札を消費している。

こんなことをやっていてはまず勝てない。

こうした状況を回避するためには、相手が持っている《ドンドン吸い込むナウ》のバウンスを、自分のなるべく弱いカードに当ててもらった後に、《時空の支配者ディアボロスZ》を通す工夫をしていく必要がある。
例えば、《超次元ホワイト・グリーンホール》から《時空の花カイマン》をプレーして相手に微妙に圧をかけるのはどうだろう?
これなら相手の《ドンドン吸い込むナウ》は同じ4マナの《超次元ホワイト・グリーンホール》とのトレードになるし、隠し持っている《超次元ガード・ホール》から《時空の支配者ディアボロスZ》が生存し続けてゲームを決めにいけそうに見える。

本命の《超次元ガード・ホール》を温存するパターン。
さっきよりも最終盤面が良くなりそうな予感。

この発想こそが「相手のカードを弱く使わせ、自分のカードを強く使う」ということである。
相手の《ドンドン吸いこむナウ》をそれなりのカードとトレードさせ、本命の《時空の支配者ディアボロスZ》を長く盤面に生存させて働かせる。
そうすれば、瞬く間に《最凶の覚醒者デビル・ディアボロスZ》が相手の盤面と盾、除去札を吸い取ってくれる。
1対10交換も夢ではない。

上記例からも分かるように、相手の除去札と自分のキーカードとを巡る駆け引きはとりわけ重要である。
攻める側 (先攻) は自分の切り札に除去が当たらないよう、カードをプレーするテンポを少しズラす。
逆に守る側 (後攻) は攻め手のズラしを察知して、除去を「当てさせられない」ように上手く対応する。
この読み合いとそれに基づくプレイングが今のデュエプレの本質と言っても過言ではない。

もちろん、「強いカードを吐くターンを遅らせると、テンポ損してしまってそれが負け筋になりませんか?毎ターンマナを使い切って最大値狙った方が強くないですか?」と言いたくなる気持ちも分かる。
が、そんな簡単なゲームではなくなったというのが筆者の体感である。
《ドンドン吸いこむナウ》や《陰謀と計略の手》《地獄門デス・ゲート》のような「除去+αのアドバンテージを得られる、手札にキープしておきやすい除去札」が環境に多いからである。
「通れば有利」のお祈りムーブは大体通らない。

相手が除去を持っていそうかどうか、当てられても大丈夫かどうかはよく検討しよう。

今のデュエプレがこういうリソースゲームであることを意識するだけでも勝率はかなり改善すると筆者は考えているのだが、未だにひと昔前の押し付けゲーのイメージを払拭できていない人は少なくないような気がする。
上記の例は流石に極端だったが、「貴重なカード1枚を弱く使ってしまう」人はランクマッチでも頻繁に遭遇する。
例えば直近数ターンのやることが既存のハンドで確保されていそうなのに、単なる4マナのドロー呪文として《ドンドン吸いこむナウ》を撃ったり。
例えばマナ埋めからこちらの除去がほぼ透けているのに、1枚しか持っていない《超次元リュウセイ・ホール》をプレーしたり。

カードはもっと大事に使おう。

おわりに

今回、前後編に分けて長々と前書きを書いたのは、前編の思考を前提にしたプレイングの話を後編でしたかったからである。
同じゲーム観を共有できていないと、いくらプレイングの議論をしても平行線を辿るだけだと思った。
もし後編も読んでいただけるのであれば、前編の議論を念頭に置いてくれると幸いである。

さて、本記事では今のデュエプレのゲーム性がリソースの取り合いになっているということを長々と述べてきた。

とはいえ、相手の手札が見えない状態でこの意識をプレイングに反映するには多くの問題がある。
相手が《ドンドン吸いこむナウ》を何枚持っているかは見えないし、《時空の花カイマン》に除去を当ててくれるとも限らない。
しかも《ドンドン吸いこむナウ》をどのカードと交換したいかの価値判断さえも状況依存である。
極論、《時空の支配者ディアボロスZ》より《時空の花カイマン》のほうが活躍する展開だってあり得る。

この辺りの問題について、実戦でどう考え、対応するのかについては後編で例示していきたい。

余談: デュエプレのゲーム性の変化の要因

デュエプレのゲーム性がビッグアクションを押し付け合う時代から、カードの応酬による細かいリソースの奪い合いへと変わったのは、比較的最近の出来事だと筆者は思う。
変化の兆しが見えたのは《超次元ミカド・ホール》や《時空の精圧ドラヴィタ》が実装された辺りだが、《ドンドン吸いこむナウ》の実装によって完全に変化してしまった。

変化を起こしている直接的な要因は除去・ハンデスの質の向上である。

《魂と記憶の盾》のDP殿堂入り以降、デュエプレに軽量かつ優秀な除去は実は最近までほとんどデザインされていなかった。
軽量ハンデスでプレイアブルだったのも《ジェニー・ダーツ》くらいで、明らかに量が不足していた。
その結果、強いカードをとにかく相手より先に叩きつけることを意識すれば、相手が対応できずにそのまま有利を維持できる展開になりやすかった。
Bロマやキリコが環境上位に君臨していたのも、先攻ゲーが加速していたのも、除去とハンデスの不足によるところが大きい。

しかし除去とハンデス手段の充実によって、自分の動きを押し付けるゲームプランは再現性が失われた。
いまや先攻最速《勝利のリュウセイ・カイザー》も《ドンドン吸い込むナウ》で簡単に止まるし、2ブーストからの最速《サイバー・N・ワールド》もハンデスで未然に沈められてしまう。
《陰謀と計略の手》は除去とハンデスの復興をわかりやすく象徴している。

押し付け時代のときは後手不利を捲るために本当に苦心した記憶しかないが、最近は構築でもプレイでも先後差をかなり埋めやすくて嬉しい。
実力差が出る良い環境になったなあ。

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