結婚したいSDVXエフェクター2020
アドベントカレンダーと言えばクリスマス。クリスマスと言えば夜景の綺麗なレストランで結婚指輪を添えてプロポーズするカップルの姿が目に浮かびますね。そんな季節に書くことと言えば…………そう、結婚したいSDVXエフェクターです。
※本記事はB4UT Advent Calendar 2020の参加記事となっております。他の素晴らしい記事はこちらから読むことが出来ます。
こんにちは、B4UTの牛乳と申します。今回は2年ぶりに、私が結婚したいと思うSDVXエフェクターについてお話できればと思います。ちなみに前回の記事はこちらから読むことが出来るので、併せて読んでいただけると幸いです!(個人ブログからnoteに記事を移植したので日付がおかしなことになっていますが)
前回の結婚したい記事を投稿してからから今日に至るまでの間、ボルテでは色んな譜面・エフェクターが登場し、譜面全体のトレンドも少しずつ変わってきたように思います。そこで今回は比較的新しめの譜面(ボルテ4以降)を手掛けたエフェクターを中心にその推しポイント・推し譜面を紹介していきます。折角の機会なので、第一弾記事では紹介しなかったエフェクターに絞って積極的に求愛していければと思います。
「私とは遊びだったのね!!!」と、第一回で紹介したエフェクター5名から誹りを受けるかもしれません。しかしボルテVになった今でも私は変わらず𝓛𝓸𝓿𝓮で、その強さたるや、彼らの直近2年の担当譜面を語るだけで記事が5本書けそうなくらいです。KAC決勝でΣmbryØのエフェクト担当に七色Methodの名前を見つけたときはめちゃくちゃテンションが上がりましたし、NOXの譜面なんかは個別に記事を書いてしまいました。
その点諸々ご理解いただいた上で、早速本題に参ります。この記事を通して、譜面には単に「楽しい・つまらない」以上の奥深さ、面白さがあるということを感じ取っていただけると著者冥利に尽きます。(今回もSDVX譜面保管所様・DDX様から動画や画像を引用しています)
SHiJiMiSo Soup.☆彡
「飛び出そうぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
頑なに飛び出さないつまみ
ボルテ4の『水簾ノ調』で初登場のエフェクターです。1作目にして非の打ち所のない完成度なので、この人もNOXみたいに前世で譜面を作っていたんでしょうね。
なんでもない鍵盤パートも、曲のノリに完璧に合わせながらも飽きないような打鍵感を演出していますし、
つまみも形がとにかく美しい(例えば59小節直前で青つまみを一瞬だけ置かないのは人智を超越したセンス)ですし、
放置つまみと鍵盤との合わせ技もお手の物。本当に非の打ち所がありません。それでいてコンセプトのハッキリした譜面を作るので、めっちゃ結婚したいですね。Innocentの譜面を見たときは好きになりすぎて気が狂いそうでした。
Innocentと言えばこの波つまみが注目されがちですが、ここ以外の譜面コンセプトもかなり丁寧に作り込まれていて私は大好きです。前半は赤と青のつまみがクロスすることによる認識難、サビ以降はうって変わって気持ち良く鍵盤を打鍵できることがコンセプトになっています。この構成のおかげで、波つまみの印象が際立つと同時に「とりあえず波つまみ置いてみたかっただけの譜面」とプレーヤーに思わせないような、説得力のある譜面展開が実現されているように見えます。
このようにSHiJiMiSo Soup.☆彡さんの魅力は枚挙に暇がなく、今すぐにでも結婚したいのですが、しかしどんなに好きな人であってもたまに小言を言いたくなるときってありませんか?ジーパンはちゃんとネットに入れて洗濯機に入れなさいとか、油で汚れた食器に茶碗を重ねてシンクに放置するなとか。
例えばInnocentのサビ前のここは「赤つまみが走っている+直角だけを交互に入れる操作」が62小節から続いているせいで、63小節頭の青直角を回した後に「次は赤直角かな?」と勘違いして身構えてしまいやすい配置になっています。その結果、青直角を回した手を一瞬離してしまい、直後のL+青に対応できずに死亡します。覚えておかないとキツい。
V Sen5esのこの配置。62小節頭で「ダブルレーザーを同時に中央に寄せる」という左右対称の処理をする都合上、プレーヤーは次の片手処理で赤と青どちらのつまみを回すべきか、譜面の流れからは汲み取れません。この場合、基本的には鍵盤が左側(AとB)に寄っていれば「あ、赤を回すんだな」と分かるのですが、この配置はCBCと中央やや右寄りになっているため覚えてないと厳しい配置になっています。
このようにダブルレーザー周りの片手の誘導がやや不親切なときもたまにありますが、SHiJiMiSo Soup.☆彡の譜面は総じて楽しく、また譜面コンセプトがしっかりしているので「ゲームをしている」感覚がすごくあります。まだまだ譜面数が少ないので今後の作品がとても楽しみです。
ちなみに僕はしじみの味噌汁よりアサリの味噌汁派です。
EIVY
ボルテ4の『CHERNOBOG』で初登場したエフェクターです。完全交互で押せないトリル、暴れ回る直角つまみで初登場から話題になりました。
CHERNOBOGは視点変更やつまみの派手さもあって比較的ごちゃっとした譜面の印象がありますが、氏の作風としては珍しい方かもしれません。他の作品だとDivine's:BugscriptやAnother Chapterなど、トリルや階段のようなシンプルな配置+つまみの構成を上手く駆使してスッキリと譜面をまとめる印象があります。
例えばDivine's:Bugscriptのトリル抜けのワンフレーズは、NOXもよく使う「つまみを鍵盤に被せない」構成を効果的に使っており、派手ながらもまとまりのある配置になっていると思います
譜面がスッキリしているとその分難所やトリルなどの特徴的な配置の印象が際立つので、プレーしたときに「何をさせたい譜面なのかが分からなかった」となりづらく、満足感を覚えやすい気がします。良い比喩を出そうとして食事ネタで色々考えたのですが、別にご飯の上にからあげととんかつとカレーが全部ごちゃっと乗っていてもそれはそれで美味しいので、もしかするとこれは譜面特有の現象なのかもしれません。
またEIVYの特徴として、視点変更(カメラ)やレーンギミックが独特という点が挙げられます。特に分かりやすいのはEthereal Lotusですね。ダブルレーザーを走らせて鍵盤を叩く地帯で結構視点が派手に動いたり、アウトロでつまみのレーンの傾きが独特だったりします。
最後の傾きのギミックめっちゃすき
EIVYの譜面では直角や光るFXチップ等のキメの部分に合わせてこまめに視点変更が挿入されているだけでなく、1小節内で目まぐるしく視点が変わることも珍しくないため、それが独特さの原因かもしれません。フォックスロットなんかもカメラの使い方に似たような傾向があるのですが、この辺りをくどいと感じるか好きと感じるかは人によって意見が分かれそうな気はしますね。ちなみに私は視点変更がおとなしめのほうが目線がブレづらくてスコアを出しやすいので好きです(小声)。
ちなみに私がおとなしめの視点変更を好む理由ですが、視点変更がなくても譜面のメリハリがちゃんと演出できるという点が挙げられます。例えば、(EIVYの話をしている最中に他のエフェクターを話題に出して恐縮なのですが)Ether99のЯeviveRはイントロの1箇所と最後の山場を除いて一切視点変更がありません。しかしながらプレーしていて「なんか物足りないな……」と感じた人はほとんどいないと思います(初見で視点変更の少なさに気付ける人は凄い感性の持ち主)。
EIVYの手掛けた譜面はまだそんなに多くないものの、レベル18を筆頭に押し応えのある譜面を数多く作ってくれる(Taiko Drum Monsterなんかはいっぱい鍵盤押してる感があって特に大好きです)ので、今後の作品に期待大です!
電撃ロブスター
令和のボルテに電撃を走らせまくっている魚介類さんです。今最もアツいエフェクターと言っても過言ではないと思っています。ジャケットが非常に尊いことで有名な、ボルテ4の『Gaze ft.紫崎 雪』で初登場しました。
ちなみに上の画像で有名な(?)Crystallize Forest (MXM 15)を手掛けたのもデビューして間もない頃の電撃ロブスターだったりします
登場初期は鍵盤のバリエーションやエフェクトの掛け方に悩みながら譜面を作っている感じが伝わってきたのですが、継続して譜面を作るうちにメキメキと個性が出てきて、今やボルテの歴代エフェクターの中でもトップクラスに良い譜面を作るようになりました。ロブスターの譜面は初登場時からずっと楽しみに追いかけてきたので、子供が立派に成長した姿を見て涙ぐむ父親のような気分になっています(時系列順に氏の作品を眺めてみると、作風の変遷が見られてとてもエモい気持ちになります)。
電撃ロブスターの特に好きなポイントは、鍵盤譜面でのFXチップの使い方がはちゃめちゃに巧いことです。
例えばpiqueのサビ冒頭8小節だけを考えても、
・4つ打ちのノリを引き出すためのキック合わせFXチップ(54〜56小節)
・16分でA→L、D→Rのように叩かせることで、16分2連で跳ねるメロの気持ちよさを演出するFXチップ(57小節)
・ピアノっぽさを強調するためにあえてBTのみを使い、最後の24分だけアクセントとして第5、第6のBTのように配置されるFXチップ(58, 59小節)
・譜面が視覚的に単調にならないようにバランスをとって織り込まれたFXチップ(60小節)
などの工夫が詰め込まれています。
Fly Like Youのこの配置なんかも、BTで叩くメロディーの打鍵感に干渉しない程度にFXチップが譜面に馴染んでるおかげで、叩き応えがあるし気持ち良いんですよね。
FXチップは色やサイズの主張がBTより強く、また打鍵にあたって親指を使うので、配置を間違えると急に押しづらくなったり、譜面にまとまりがなくなったりしやすい印象があります。しかしロブスターの鍵盤はその辺を丁寧に考慮して配置されているので、親指もたくさん使って鍵盤を叩く分だけむしろ「ごちゃっとした密度の鍵盤を叩く楽しさ」が全面に出ていますね。
また私自身の好きな譜面傾向が中速乱打なので、電撃ロブスターとの相性も抜群なのも大きいです。なんだかいい夫婦になれそうですね。電撃ロブスターさん、ぜひご検討ください。
話がやや脱線しましたが、ロブスターは鍵盤だけでなくつまみ譜面も作るのがとても上手で、全く隙がありません。
Electric Injuryのこの辺りとかめっちゃカッコよくてすき
しかしどんなに好きな人であってもたまには小言を言いたくなります(再来)。ロブスターのレベル18以上の譜面には、つまみと鍵盤の複合パートで手の誘導がやや不親切な配置がたまーーーにあります。
例えばMeteorAのここは先程紹介したInnocentと同様、「次は青直角かな?」と勘違いして身構えてしまいやすい配置になっています。
Lancelotの1サビの冒頭も、赤つまみから一瞬手を離してRロング+Cを右手で取ってしまい大変な事になった人は少なくないと思います。
オニユリのイントロにあるこの配置はV Sen5esパターンの認識難。ダブルレーザー中に青→両色→青という操作を要求されるのですが、片手鍵盤も右手か左手かの判別が難しい両FXという配置になっており、つい逆の色を回しちゃいがちです。
どの配置も、手を離してほしくないつまみを回し続けさせるようにするだけで改善するのですが、じゃあ絶対に直してほしいかと言われるとそこまでかもしれません。気持ち的には「家に帰ってきたときに鍵を閉めずに上がる癖を直してほしい」くらいのものですね。鍵閉めてくれないからあなたとは結婚できないとはあんまりなりません。
以上見てきたように電撃ロブスターの譜面は、雀の涙ほどの気になる点はあれど、全体を通してとても丁寧です。本当に大好きなエフェクターなので、次の作品が楽しみです。ただ最近は親戚?っぽいサーモングラフィーさんも含めるととんでもない数の譜面を作ってる気がするので、お身体には気をつけてほしいですね……
おわりに
SDVXの譜面は、全音ゲーの中でもトップクラスに手間がかかるものであり、エフェクターの方々の苦労は計り知れません。鍵盤、つまみの形、視点変更、エフェクトの種類など、工数があまりに多すぎます。
しかしそのぶん譜面の表現力もトップクラスだと私は思っています。2分間という短い尺の中からは「エフェクターがその曲をどう解釈してどうプレーヤーに楽しんでもらおうとしたか」を垣間見ることが出来ます。私が譜面オタクみたいなことになっているのは、こうした譜面の奥深さが大好きだからです。拙筆ではありましたが、この記事を通して、譜面には単に「楽しい・つまらない」以上の面白さがあるということを感じ取っていただけたなら幸いです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。ボルテの譜面は無限に魅力があるせいで語りたいことが山程あるので、もし「こういう話を聞いてみたい」というのがあればRT先で感想等呟いてくれるととても嬉しいです。
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