『ディミ取物語』は令和前期に成立したデュエプレ最古の物語である。
ディミ取の翁によって光り輝く札の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女MRC姫を巡る奇譚となっている。
ディミ取物語の主要な話としては「MRC姫の誕生」「5人の卿たちからの求婚」「松浦さんからの求婚」「煉獄の都へ」が挙げられるが、今回は物語の始まりであり、かつ最も有名とされている「MRC姫の誕生」について現代語訳・解説を記す。
今となっては昔のことだが、ディミ取の翁という者がいた。
山札に分け入ってカードを取っては、色々なことに使っていた。
名前を、お清めの無理造といった。
その山札の中に、根もとの光るカードが一枚あった。
不思議に思って、近寄って見ると、イラスト欄が光っている。
それを見ると、三人ほどの人が、たいそうかわいらしい様子で座っている。
翁が言うことには、
「我が毎朝毎夕見るカードの中にいらっしゃるのでわかった。(煉獄邪)神におなりになるはずの人であるようだ。」
と言って、手の中に入れて、家へ持って帰った。
妻の蟲に預けて育てさせる。
かわいらしいことこのうえない。
たいそう幼く小さいので、籠に入れて育てる。
この子を見つけて以来、ディミ取の翁がカードを取ると、パックごとに黄金のカードを見つけることが重なった。
こうして翁は、だんだん富み栄えていった。
この子は、養育するうちに、すくすくと大きくなっていった。
3ターンほどするうちに、人並みの背丈の人になったので、神(紙)上げの祝いなどあれこれ手配して、召喚の準備をし、裳を着せて、成人式をする。
墓地の中から外へ出さないで、大事にかわいがって育てる。
この子の容貌の気品があって美しいことは世にないほどで、墓地の中は暗い所もなくすみずみまで光輝いていた。
翁は、気分が悪く苦しいときでも、この子を見ると、苦しみもなくなってしまう。
腹の立つようなことがあっても、(この子を見ると)なごやかになった。
翁は、黄金の札を取ることが長い間続いた。
富裕な権勢者になった。
この子がとても大きくなったので、邪眼獣の太田に名前をつけさせる。
太田は、煉獄邪神のMRC姫と名づけた。
このとき、3ターン、盛大に歌舞の宴を開く。
さまざまな呪文を唱えた。
火か闇のクリーチャーなら分け隔てせず呼び集めて、とても盛大に催した。
世の中のクリーチャーは、高貴な者もそうでない者も、どうにかしてこのMRC姫を妻にしたい、結婚したいと、噂に聞き恋いこがれている。
参考