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高速道路の無料化はなぜ無理なのか!? デメリットとは何か?

日本の高速道路が無料化されない理由とは何か。ほぼ永久的に無理だといわわているが、これにはどんな事情を抱えているのか。

通行料をタダにするにはメリットよりもデメリットの方が大きいから、政府が有料のままにしていると考えるのは必然的だろう。

高速道路を無償化するとなると、今後の道路の維持管理費や新規路線の建設は税金で賄うこととなる。

財政難が国家の大きな問題となっている中、高速道路の整備に税金を投入する余裕がない。多額の赤字国債を抱えている中では、道路への余計な投資は不可能。

しかし、高速道路の無料化が行えない原因は財政上の要因だけではない。他にもいろいろと社会上のデメリットが存在する。

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無料化できない3つの理由

日本国内の財政難の問題はよく知られているものの、高速道路を無料にすれば経済に対してよい影響をもたらして、むしろ今までよりも税収が増えるという見方もある。

したがって、税金の問題だけが高速道路の無料化の実現不可能な理由とは断定できない。他にも問題あり、それが以下の3つであろう。

二酸化炭素の排出量の増加(環境の悪化)
渋滞の激化
鉄道利用者数の減少

車の交通量が増えれば、それだけ二酸化炭素の排出量が増えて環境の悪化へとつながる。地球温暖化の原因となり、低炭素社会の流れに逆らうこととなる。

渋滞も増えるのは確実だ。これまで高速代を出せなかった人が高速道路を使うようになれば、さらに交通量が増加する。速達性が消えてしまうことも懸念される。

そして、鉄道利用者も減少してしまう。環境にやさしいという電車に乗る人が減れば、環境への負荷がますますかかる。鉄道会社の収益も悪化する。

高速道路は特急券のようなもの

高速道路は、鉄道でいえば特急券のようなものである。所要時間が短縮化される対価が高速代である。普通電車に対する新幹線や特急列車と同じ性質だ。

日本では特に高速道路はこのような「特急券」のような考え方が強い。どこの路線も一般道路の国道が並行して走っていることから、こうした発想へと至っている。

新幹線や特急では、特急料金を支払う代わりに各駅停車や快速よりも所要時間が早い。高速道路も一般国道に対する速達道路という役割を果たしている。

無料化されてしまうと、巨額の資金を投じて建設費の回収が難しくなる。渋滞が激しくなれば、「速達」という大義も消えてしまう。

国や地方自治体に恩恵が少なくなってしまうため、あえて有料にしているという面もある。

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不景気になると無料化や値下げが話題に

有料の高速道路でも、世の中が不景気になると無料化や料金体系の値下げの話が話題となる傾向が見られる。

経済活動が低迷して税収が少なくなると、政府としても経済の活性化を優先するようになる。

公共事業を活発化させようとする一方で、物流コストを下げたり、観光需要を促そうとする政策を考える。

その1つの案となるのが高速道路の料金に関することである。無料化や値下げを経済政策とするのが、不況時の流れといえる。

2009年の民主党政権や、その前の自民党の麻生政権の時代に「高速道路無料化」や「1,000円高速」が話題となったが、この時代はリーマンショックによる不景気の世の中だった。

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