断定を伴う/仮定を伴う問題提起

事実を使って問題提起をすると説明されることは多いですが事実を使って問題提起をする場合であっても事実認定において断定を伴う場合とそうでない場合(仮定を伴う場合)とがあります。しかし受験生は思いのほかこの点を意識できていません。この記事では断定を伴う問題提起と仮定を伴う問題提起について説明します。

1 断定を伴う問題提起

「Yは平成○年○月○日にX方に本件動産を持参しているところ、本件債務を弁済したといえるか。」

YがX方に本件動産を持参したという事実について断定して問題提起をしています。問題文の事実を指摘する場合には当該事実について断定をした上で問題提起をして構いません。なお、ここでの事実の指摘は事実を要約することも含みます。もっとも、この要約が評価となり、さらに、後の議論の先取りになる場合には、後述の通り、仮定を伴う問題提起とする方がよいでしょう。

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