ちゃんと食べること 眠ること
こんにちは。
10期タクミです。
カレーの学校のアドベントカレンダー2020の7日目。
アドベントカレンダーは初年度に続き2回目のトライです。
文章が簡単に編集できるのが当たり前の今、ある人が「手紙は編集がしづらく、感情が時系列に並ぶ」と言っており、大きく感銘を受けました。
今年感じた事などを手紙ではないけど、感情のままに…
ツーリストよ、日本に来るなら1週間は準備して
街中に海外からのツーリストを見なくなってしばらく経ちましたが、今まで旅先で知り合った人達からの日本人気は高く、「行った事がある」「今度行く予定だ」と言われた回数は少なくありません。
彼らが日本に来る事を想像する時、いつも最低1週間は必要だなと思い描きます。
そう、1日3食、合計21食は必要と。
寿司、てんぷら、ラーメンという日本のソウルフードだと思われているものから、我ら愛するカレー、とんかつ、蕎麦、うどん、うなぎ、焼肉、焼きそば、焼き鳥、親子丼、たこ焼き、お好み焼き、牛丼、しゃぶしゃぶ、すきやきをはじめとする各種鍋類、生姜焼きやアジフライなど各種定食、、、
それぞれ種類も豊富だし、朝からキツいものもあるから、21食でも足りないくらい。
是非思い出を「美味しかった!」で満たして欲しいという思いがあります。
「ちゃんとごはん食べて」
そんな(自分が作っているわけでもないのに)自国の食に勝手に誇らしげになっている私ですが、今年、沢山できた時間の中で、例に漏れず韓国映画とドラマを観まくりました。
韓国もののクオリティーが高いとか、好みに合うというのは置いておいて、これらには必ずと言っていいほどチゲ鍋やサムギョプサルなどとても美味しそうな韓国料理が出てきます。
家では、お母さんが大量にキムチを漬け、タッパいくつものおかずを詰めて娘に持たせる。
「お腹すいた」というセリフも多く、とにかくめちゃくちゃ食べる。
生活の中心に食があるのがリアルに(そして美味しそうに)描かれている。
もうやめて!
食べたすぎて内容入ってこない!笑
※「ごはんちゃんと食べて」というセリフを聞かなかった作品はない(自分調べ)。
「美味しそう」や、お料理の名前も良く出てくる。
※もはや国家戦略なのでは?と思うくらい美味しそうな韓国料理のオンパレード!
勢い止まらずBTSのドキュメンタリー映画まで観てしまいましたが、音楽モノなのに冒頭なんと彼らがもりもり食べてるシーンから始まって「ここでも食べるのね笑」と吹きました。
見慣れた邦画や欧米の映画にはない食との関わり方に、並々ならぬパワーと「食を大事にする」という強い愛を感じ、とても面白い発見でした。
「お昼何食べる?」
そんな折、アイルランドに住む友人から、韓国人が「今日お昼何食べる?」という質問を毎日していて、あちらに住む人達にとてもウザがられているという話を聞きました。
生まれてからランチと言えばサンドイッチという文化で育って疑いもしなかった彼らの辞書に「今日のお昼何食べる?」という言葉はなく、相当な「ウザ」らしい。
面白い。私は毎日言っている。
ランチ1つにも文化と歴史。
さすが韓国、そしてさすが隣国、一緒だね。
食べるDNA
考えてみると、日本の代名詞にもなっているマンガでは「美味しんぼ」「ミスター味っ子」「クッキングパパ」「将太の寿司」「バンビーノ」があった(全部古くてすみません)。
ちびっこ目線でも、アンパンマンでいろんなパンや丼と友達になり、ドラえもんで山盛りのどら焼き(和菓子)に憧れ、ドラゴンボール(のキャラ名)で中華が身近になり、ガツガツかきこみ「うんめー!」と叫ぶのは普通と知る。
鬼太郎に至っては、お父さん茶碗に入ってる!
比べ、海外のアニメは、例えばシンプソンズで出てくるのは砂糖たっぷりのドーナツやココアだし、ミッキーが何か食べているイメージはなく、食べ物愛は然程感じない。
外国でドラゴンボールは人気だが、登場する何だかわからないけど凄く美味しそうなごはん達に読者は悶絶だったろう(今回私が韓国料理にそうだった様に)。
いや、そう思う事自体がアジア的、日本的なのかもしれない。
私達は子供の頃から自然と食べ物の方を向いていた。
韓国の情熱に感心していたが、形は違えど日本にもDNAに刷り込まれるほどの食べ物愛があった。
カレーの学校に通ったおかげで食に対する考え方がとても変化したここ数年という事もあって、これらは‟新しい目で見る見慣れた日常”、とてもキラキラ映った。
ガイドブックから見える食べ物愛
ランチに何を食べるか?の思考のない人達から見れば、それに悩む民族なんて、もはや食いしん坊キャラと思われても仕方ない。
その日本人が作るんだから、海外のガイドブックは食いしん坊ガイド。
※メキシコ地球の歩き方
その国で食べられるその国ならではの種類の紹介はもちろん、各都市各々オススメレストランが掲載されている。
一方、海外に売っている日本のガイドブックではどうだろう?
ちゃんとトライするFoodを紹介してくれているだろうか?
※LAの日本ガイド
なんとFoodのページはこの2ページのみ!写真もほぼなし。
他にもいくつか読んだが、書いてあるのは「日本では居酒屋を体験!」や、「寿司を食べるなら築地」などで、数件の日本ぽいおすすめのお店が掲載されているくらい。
海外の方から見たら面白いであろう多様な食事の解説は少ない。
※表紙が居酒屋や浮世絵な事は結構多い。
(そしてIndia本の厚さ!)
こう比較すると、日本の食にかける情熱がよくわかる。
さて、カレーは?
(ここまでカレーの話をせずに来てしまった…)
カレーの紹介に至ってはほぼ皆無。
インドの食べ物として認識されているのだろう(間違っていないけど)。
※アルゼンチンのスパイスレシピ本。
Japaneseカレーというものが存在するという事は知られている???
まぁ、「日本ならではの食事」で考えただけで21食すぐに出てきたくらいだから、海外ガイドが少ない食のページで「インド料理」に分類されるカレーを取り上げないのはわからなくはない。
それにわりと世界各国にインド料理のレストランが存在しているから「日本でカレー」とはならないのだろう。
わからなくはない。
しかしカレーは日本人のソウルフードなのだ。
ツーリストには見えない日本。
きっと思い出に刻まれるだろうカレー。
是非知って欲しい。教えてあげたい。
来年はそれができるくらい状況が変わっているのだろうか…?
そしてまた旅に出られるのはいつだろうか?
また出られる日が来たら、アジア的日本的食感覚を大切に旅をしようと思う。
「ちゃんと食べること 眠ること」
そして、いつかどこかの国で、ラーメンに並んでカレーの写真が掲載されている日本のガイドブックを開く自分を想像してニヤニヤする。
何より今は韓国に行きたい(笑)
さ、今日のお昼は何食べよう?