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ライブ後記「Trio Live & Recording"雪傘の下で"」

はじめに

2024年1月31日、piano 遠藤ふみさんtrumpet 川村祐介さんとの三人で、神保町「試聴室」にて即興演奏によるライブレコーディング企画「雪傘の下で」を開催させていただきました。
即興演奏というコアなジャンルではあるものの、多くの方に来ていただいたこと、またその時の音を「1本のリボンマイクで全て収音する」という実験的な収録ができたこと、本当に感謝しています。2月現在は今回の録音を音源として世に出すべく諸々の準備を進めており、また進展があれば報告していく予定です。早めに準備して4月には皆に聴かせられるのではと画策しています。

"雪傘の下で"とは

この言葉には、2024年1月時点での世界(特に中東ですね)の現状と、その中でも『即興演奏の実験的ライブrecができる』という喜びを享受できる自分の状況とを照らし合わせた時に「雪の中傘を差して進むさま」を連想したことがきっかけでした。

フライヤー画像。この写真は販売されていた素材なのですが、今回のタイトルやトリオでの風景にとてもしっくりきたので、特段撮影などは行わず購入して利用しました。

今回、実は元々レコーディングの予定はなかったのですが、長くお世話になっているエンジニアの先輩から「新しいマイクを試したい」という提案があり、ライブrecへと話が進んだというものであり、またその最中で自分がとても欲しがっていた機材を破格で入手できたということもあり、様々な幸運が重なりに重なって実現したものでした。
そしてその幸運が重なっていくことで、自分の中では単なるライブではなくなっていき、今の自分が求め、実現したい音を徹底的に詰めたものにしようと意気込んだライブイベントとなりました。
機材、奏法の2面から徹底的に詰めてゆき、だんだんと当日が近づくにつれドキドキが止まらず、当日まで他のイベントなどもありましたが、気持ちが1/31に流れすぎないよう必死に演奏に取り組んでいました。

当日の機材は、
shirai keet "nue" 13"×5.75" snare drum
同 12"×8" tom
同 14"×10" floor tom
YAMAHA CB-3260 26"×12" Marching Bass Drum
istanbul agop 30th anniversary 22",20",14"cymbal
stick chops order-made stick
太鼓たちは全体的に極端なローピッチにしていたのですが、バスドラムに合わせてどんどんピッチを下げたところ、皆から「和楽器のようだね」「生産国の分かる音がする」と言われていました。

結果、音としてはかなり今の自分の100%を引き出してくれたのではないかと思います。ですがそれは楽器の状態や体のコンディション云々ではなく、やはり素晴らしい2人との演奏の時間がそうさせてくれたのだと思います。

遠藤ふみさんとは2回目、川村祐介さんとは初めての演奏であり、もちろんこのトリオも初の試みだったのですが、終始楽しくて楽しくてしょうがないとしか言えない、そんな刺激的な時間でした。そのせいか、1st set、2nd setどちらも想定した時間よりも長く演奏していたことに演奏終了後に気付くほどでした。川村さんから「いつまでも演奏したくなるね」と言われたのはとても印象的です。

川村祐介さん
遠藤ふみさん

どちらのセットでも、聴き返すとその静謐なトリオでの演奏の様子が見られるのですが、振り返るとドラムに座りながらずっと笑っていたし、2人の素晴らしいフレーズに心を震わせて「こんなに"生きている"と実感できるなんていつ以来だろう」とずっと感じていました。

制作頑張ります

一旦振り返りとしてはこのようなところです。今の所、果たして本当にCDで出そうか、それとも飾れるDLカードとか作ってみようか、などと色々と画策している段階です。個人的にもかなり長尺の音源となっており、単に聴き続けるためだけのCD、というのは少しハードルがあるのかなと感じており、なるべく皆さんが飾っておきたいと思えるようなマテリアルとしてアイテムを用意できればなと思っております。あとはサブスクにも載せていき、聴くきっかけとしてのハードルを少しでも下げていき、こうしたジャンルや、自分含むプレイヤーを知るきっかけにしてほしいですね。
何より、自分にとっての幸せの象徴となった時期の収録だったと思うので、なるべく世に「残る」ことを意識した制作とできればと思います。

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