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【一体感】の定義

1.はじめに

どんなスポーツ、組織でも『一体感』を求めるチーム、組織は数多く存在する。でも、そもそも『一体感』とは、どのような状態の事なのかは言葉で正確に表すのはとても難しい。
ただ、最近、『一体感』について考えさせられる場面があり、そんなエピソードも踏まえながら、自分の中で気づいたことを書いていく。

2.大学時代に求められた『一体感』

私が大学の時に初めて求められた『一体感』についての話。今、考えればあの当時の一体感とは、どのような状態でゴールはどこだったのかは1回も分からず、大学サッカーは終わってしまった。

私は大学サッカーでプレーしていた時に監督からチームに『一体感がない』という指摘をもらい、選手たちで【一体感】を各々で求める事が増えていた。
【一体感】という言葉はかかるもののチームとしては、あまり上手くいかず、インカレや天皇杯には出場したもののどこかチーム内はギクシャクしていて、歯車は狂うばかりだった。
今覚えば、チームとしての目標の明確化、ゴールに対しての認識の甘さ、ゴールからの逆算が本当の意味でできていなくて、行動への意味付けも曖昧だったように思う。

なぜ初めにこの話をしたかというと、自分がこの時点で考えていた『一体感』についての仮説を立てるため。

この時の自分の『一体感』について仮説は、

①目標意識の明確化
②チームとして取り組む事への意味付け

この2つを明確にすることで、『一体感』は生まれるのではないかという事。

富士大学体育会サッカー部
天皇杯2回戦 vsソニー仙台 3-2


3.試合終了の瞬間

どんなスポーツでも、どの年代でも会場で最も感情がまとまる瞬間がある。
それは応援しているチームに勝敗がついた瞬間であると私は思っている。
多くのサポーター、年代によっては保護者、指導者は舞台が大きくなればなるほど、勝利が決まった瞬間に『喜び』の感情が溢れ出し、負けた瞬間には『悔しさ」の感情が溢れ出す。

以前、マリノスvsレッズの試合を見に行った事がある。
その時は残り2節で川崎フロンターレが勝ち点に2差で迫ってきている状況。残り2節をマリノスが勝ち切れば優勝が勝ち取れる状況だった。

試合はマリノスがレッズを終始圧倒して4-1というスコアで勝利を収めた。
そして、この試合の試合終了のホイッスルが鳴りびいた瞬間、サポーター達は感情を爆発させ、日産スタジアムの雰囲気が一気に変わり、私の心を振るわすほどの迫力であった。
(逆にレッズのサポーターは選手たちにブーイングの嵐である意味、選手への矛先という感情が一致しているので、これも【一体感】と呼べるのかもしれない…)
サポーターは勝利を信じ、声を出し続け、選手と同じ喜びの感情を爆発させていた。
ここで、この瞬間をみた私はこれは、【一体感】なのでは?と感じた瞬間であった。

4.文化祭での出来事

話は変わり、私が中学校の特別支援級として文化祭に挑むにあたっての出来事。
小中学校の特別支援級に在籍する生徒は普段学校で目立つことは少ない状況にあり、体育や音楽の交流の授業(通常の生徒に混ざる授業)では、能力的に難しいことが多くある。なので、なにかと優しい通常級の生徒が手を差し伸べてくれることが多くある。
ただ、私の勤務している中学校の文化祭では、全校生徒が熱い視線を送るステージの上で15分間、発表する機会がある。
(※発表では、ボディーパーカッションとダブルダッチをやりました。)
そこで、支援級のみんなで文化祭で発表するにあたって、目標を決めよう!ということになった。
生徒からは色々な意見が出てきたが、最終的に決まった目標は【学校中のみんなをビックリさせること】この目標が決まった時に少し感動したのは、内緒…

そこからの生徒たちは、普段であれば頑張れないことも踏ん張って、授業を受けたり、自分の苦手な課題に取り組んだりと凄かった。
普段、個性が強すぎてめちゃくちゃな25名の生徒に【一体感】が生まれた瞬間であった。

そして、この特別支援級として【一体感】がさらに増した出来事があった。
文化祭前日のリハーサルの日に、練習でボディーパーカッションであまり上手く行かず、ミスの犯人探し的な喧嘩が起きてしまった。ただ、この次の時間がリハーサルで文化祭実行委員会や先生たちに発表しなくてはいけなかった。

そして、仲直りはしたけど一度も成功できずに迎えた、リハーサル。
あんなに失敗して、喧嘩して、目標が先歩きしていたのに、なぜかリハーサルで大成功。(本番強すぎ。笑)
そこで、普段話さない先生や友達から称賛の声をもらい、状況は一変した。
ミスはなくなっただけでなく、「みんなをびっくりさせるぞ!」これが合言葉になっていて、最高のコミュニケーションから最高の【一体感】が生まれた。

本番は惜しくもミスがありましたが、無事に成功しました!みんなに拍手👍

6.2つの『一体感』

ここまで、「試合終了の瞬間」と「文化祭での出来事」で2つの【一体感】を感じた瞬間があった。この時に分かったことは、【一体感】と言っても1つではないということ。
なぜなら、仮説として一体感を作るためには、
①目的意識の明確化
②チームとして取り組むことへの意味付け

これが必要なのではないかと述べてきた。
この2つは本質的には、同じ方向性を向いているというところで同じだが、要素が違う。
サポーターは、勝敗の有無問わず応援をし続ける。つまり、勝利という成功体験は紐付かない。
逆に組織として行動する場合には、大小を問わない成功体験が必要であるということ。
そして、【一体感】は組織においてのみ、発生するということ。なので、今回はこの2つの事例から『一体感』を2つに分けていく。

①組織型一体感
②支援型一体感
この2つに分けて定義つけていきたいと思う。

【組織型一体感】

組織に属している人の方向性が同じで、目標からの逆算で行動をしている状態。
目標の明確化×コミュニケーション×成功体験

【支援型一体感】

組織に対して興味度が高く、対象への感情の方向性が同じ状態。
組織への興味度×対象への感情の方向性

7.終わりに

一体感についてここまで、述べてきました。
【組織的一体感】は目標を組織で目指した先ににあり、コミュニケーションによるリマインドが必要であり、大小に問わずある程度の成功体験が必要だと言うこと。
ただ、【支援型一体感】に関しては、まだ足りない点があり、サポーターと文化祭の観客の違いのように全てに当てはまらいことがある気がしている。なので、今後も『一体感』とは、なんだろうと冒険していきたいと思います。

また、指導者としては、目標の明確化、その目標に対してのコミュニケーション、大小を問わない成功体験を提供できる環境を整えていこうと思います!!

正直、この【一体感】は未完成です。
それでも、ここまでの整理として、投稿させていただきます!新しいアイデア、こんなのは?というのがあればドシドシお願いします😁

大森FC 3年生
大森FC 2年生
大森FC 1年生

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