宅建士【権利関係】制限行為能力者03
1.第三者の関係
第三者との関係について具体的に考えてみよう。
制限能力者Aが単独で自己所有の建物をBに売却し、Bは更にこの建物をCに売却したとする。AはBとの契約を取消ししてCに建物を返せと主張できるだろうか?
答えは、返せと言えるのである!
どうしてかというと、BがCに建物を売った後、Aは取り返せなくなるとしてはAの保護が不十分になってしまうからである。民法は徹底して制限能力者を保護する立場をとっている。Cには気の毒だが、建物をAに返さなければならない!
どのぐらいAが保護されているのか??
👿注意
先ほどの例は、AがBに土地を売却し、次にBがCに土地を売却した後の取り消しであり、次は、AがBに土地を売却し、Aが契約を取消した後に、BがCに土地を売却した場合の取り扱いは?
🚨重要
💡ポイント
2.催告
2-1.催告権
制限能力者と契約した相手方は、いつ契約を取消されるか分からない不安な立場に立たされている。制限能力者の保護も大切であるが、制限能力者と契約した相手方の立場も考えてあげる必要がある。そこで、相手方は、取消しまたは、追認かをはっきりさせる権利を相手方に与えられている。この権利を催告権という。
催告できる相手は、誰か?
※この催告権は、未成年者、成年被後見人、被保佐人・被補助人に共通する問題である。
(1)制限能力者が依然として無能力者の場合の催告!
未成年者、成年被後見人に対する催告は、回答の有無にかかわらず何の効果も生じない!!これらの者には意思表示の受領能力がなく、催告の意味を理解出来ないからである。
(2)制限能力者が能力者となった場合!
2-2.効果
例 制限能力者の場合 ⇒ 能力者になった後となる。
瑕疵ある意思表示をした者の場合 ⇒ 詐欺、強迫、錯誤を脱した時。
👿注意
法定代理人が追認した場合はそのような制限はない。
🧠覚える ※特に②が大事
何故、上の表のような違いが出るのか?それは、単独で追認できる人に対する催告なら答えがなくても追認とみなせるが、単独では追認できない人に対する催告の場合までそうしては可哀想だからである。
👿注意
無効な行為の追認: 無効な行為は、追認よっても効力を生じないが、当事者がその行為が無効でることを知って追認したときは、新たな行為をしたとみなされる。
3.法定追認
追認できる者が、一定の行為をした場合は追認があったものとみなされ、もはや取消しが出来なくなることを法定追認という。
一定の行為とは何か? (第125条)
制限能力者が契約した後で、保護者がつぎの行為をやると、その契約を追認したものとみなされる。
未成年者Bが、法定代理人Cの同意を得ないでAから家を買ったとする。この契約は取消せる。ところが、法定代理人Cが、相手方Aに、家の引き渡しを請求したらどうなるか?
家の引渡しを請求すると、当然、その前提としてAB間の契約を追認した上でのことだとみることができる。 同様に、CがAに代金の支払い(履行)し、Cがこの家を第三者Gに譲渡したりする場合も、CがAB間の契約を追認したものとみなすことにした。未成年者Bが、法定代理人Cの同意を得ないでAから家を買ったとする。この契約は取消せる。
※本人(B 未成年者)とは?
本人Bが請求、履行、譲渡をしたらどうなるか?
もちろんこれは法定追認とはならない。しかし、Bが成年になってから請求、履行、譲渡をした場合には、法定追認となる。取消せなくなる!!
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