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【表現評論】スマイルプリキュア! コアレビュー Part 1 第1-6話

はじめに

2012年に放送された「スマイルプリキュア!」(以下、スマプリ)のレビューをする。プリキュアシリーズは初代とMax Heartはリアルタイムでちらっと観ていたが、それ以降はほとんど触れていない。2023年末に全プリキュア展に足を運んだことをきっかけに、何か一作品を通して観てみようかという気になった。プリキュアをあまり観ていないのになぜ展覧会に行ったのかという指摘は受け付けていない。

スマプリはキャラクターだけは少し知っており、特にキュアピースが好きだったのは覚えていたため、今回はスマプリを取り上げる。
Blu-rayを買ったのだが、ディスク1枚に6話ずつ、全48話という構成であるため、自分で区切りをつけやすいように1つの記事で6話ずつ題材にする。
ラムネーションのレビューは毎日投稿していたが、スマプリについては週2回以上の投稿を目標にしたい。

第1話 誕生!笑顔まんてんキュアハッピー!!

新しい街に引っ越し、転校生となった星空みゆきが学校への道すがら「遅刻ちこく~!」のテンプレートからメルヘンランドの使い・キャンディと出会う。このテンプレートは使い古された感はあるが、走っている姿だけで元気なキャラクターであることはわかるので便利な導入なのだと思う。転入のあいさつで緊張してうまく話せなかったみゆきを、同じクラスの日野あかねがサポートしてくれる。その過程で黄瀬やよい、緑川なお、青木れいかが紹介され、この時点で誰がプリキュアになるかわかる。

ひょんなことからプリキュアに変身するみゆき。
キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!
プリキュアは変身シーンと前口上だけでいろいろ考えることができて楽しい(気が向いたらこれだけの記事を書くかもしれない)。

力を使いこなせないながらもなんとか敵をやっつける。第1話としては可もなく不可もないが、キュアハッピーの造形は広く好かれやすいだろうから、第2話以降も観ようという気になる。

第2話 燃えろ!熱血キュアサニーやで!!

体育の授業でのバレーボールの試合では敵なしだったあかねだが、部活の試合では思うように力が出せず落ち込んでいるようなそぶりを見せる。心配になったみゆきはプリキュア探しそっちのけであかねのバレーボールの練習につきあう。こういうまっすぐさがプリキュアには必要なのだ。

そこに敵が現れ、キュアハッピーが戦うも必殺技を外してしまうピンチに陥る。そこであかねが覚醒してキュアサニーに変身する。
太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!
スマプリの変身シーンは5人とも大枠は同じだが、変身の始まり方が大きく異なる。キュアサニーは明らかにワイルドであり、炎に包まれたパフを胸に当てることで全身の変身が完了する。キュアハッピーの変身の細やかさとは対照的であり、それがキュアサニーの魅力である。

キュアサニーはいうなればパワー型のプリキュアであり、大きく足を開いて踏ん張りながら重いものを持ち上げたりする(この描写はプリキュアの伝統芸かもしれない)。キュアサニーが敵をやっつけ、変身が解けたみゆきとあかねはお互いを友達と思うようになる。

第3話 じゃんけんポン♪でキュアピース!!

やよいのポスター作りに協力するみゆきとあかね。あかねがお好み焼きを差し入れするシーンは笑ってしまった。あかねが関西出身であることは第1話で説明されるが、それでも学校にお好み焼きを持ってくる人はなかなかいないでしょ。

やよいのポスターは残念ながらよい評価を得ることはできなかった。ほかの生徒からの心無い言葉に傷ついたやよいは逃げ出してしまい、そこに敵が現れる。例によって戦うキュアハッピーとキュアサニーだが、必殺技が失敗してしまう。そこでやよいが勇気を振り絞る。
ピカピカぴかりんジャンケンポン♪キュアピース!
キュアピースの変身シーンは神とさせてください。スマプリの5人の中では、髪型の変身シーンのかわいさと幼さ、あどけなさの同居のバランスは群を抜いている。

変身しても泣き虫なキュアピースだが、そのエネルギーが雷として敵におそいかかる。敵をやっつけてもみゆきとあかねと仲良くなったやよいは、やっぱり泣いてしまうのだった。

第4話 直球勝負!風のキュアマーチ!!

曲がったことが嫌いななお。偏見だが、女子で直球勝負する人は女子から嫌われそうなイメージがある。だってほとんどの女子って陰湿じゃないですか(暴論)。プリキュアの世界ではなおの性格は女子から好かれる要素になっている。宝塚の男役にかけられる目線と同じだろうか。

なおの兄弟たちと河川敷で遊ぶみゆきたちに敵が襲い掛かる。家族の絆をバカにされたなおは、怒りに震えながらも変身する。
勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!
一見するとキュアサニーと性質が似ているように思えるキュアマーチだが、キュアサニーがパワー型だとするとキュアマーチはスピード型である。スーパーマリオワールドで見たような壁走りを見せてくれる。

スーパーマリオワールド
キュアマーチ

敵をやっつけたなおは、みゆきたちの仲間に入りたいと申し出る。大人になると仲間を見つけるのは難しいから、私はこのような素直な行動には涙を流してしまう。

第5話 美しき心!キュアビューティ!!

学級委員であり生徒会副会長でもあるれいか。小学生への絵本の読み聞かせの準備が忙しくプリキュアにはなれないという。生徒会ってそんなに忙しいですかね。ふつうに部活をやっている生徒の方が忙しいような気はする。れいかが学校で弓道をやっている描写がある(←中学校に弓道場があるのか!?)からそちらが忙しいのかな。

読み聞かせ会の最中に敵がやってくる。鏡をモチーフにした敵にまんまとやられるれいか以外のプリキュア4人。れいかは敵の前に立ち喝を入れる。
しんしんと降り積もる清き心!キュアビューティ!
この「しんしんと降り積もる清き心」という前口上が完璧すぎる。他の4人と比べて頭の切れるれいからしさが出ており、美しさとかっこよさを兼ね備えた最高の表現だ。

敵をやっつけたキュアビューティ。れいかはみゆきたちの仲間になり、これでプリキュアが5人そろった。
ところで、キャンディたちメルヘンランドの住人は「プリキュアが5人いる」ことは前もって確信しているのか。ポケモン初代でオーキドは「ポケモンは151匹」といい、今となっては1000匹を超えてしまっているのだが、まあツッコミを入れる必要はないのか。プリキュアの世代が変わってもそれは並行世界だということにすればとりあえず矛盾は生じない。でもそれだと映画でプリキュアが全員集合することをどうとらえればよいのか……。

第6話 チーム結成!スマイルプリキュア!!

もうプリキュアが5人そろってしまったため、第48話までどのように話をつないでいくのか気になってしまう。新しい敵をバンバン出すわけにもいかないだろうし、けっこう厳しいのでは……。

これまでは一人のプリキュアが敵をやっつけてきたが、これからはみなで協力しないといけない。団結力を高めるために決めポーズと決めゼリフを考え始めるみゆきたち。この過程は少しギャグ要素があり、おジャ魔女どれみのファンにもささるのではないだろうか。キュアピースの変身シーンもおジャ魔女どれみ♯に似ているし。

そんな中またしても敵が襲ってくる。みゆきたちは円陣を組んで気合を高めてから変身する。
5つの光が導く未来!輝けスマイルプリキュア!
いい決めゼリフですねえ。痛々しさはなく、女子中学生のまっすぐな気持ちが込められていて気持ちがよい。
協力して敵をやっつけたみゆきたちは、スマイルプリキュアとしてメルヘンランドのために戦うのであった。

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