見出し画像

【表現評論】スマイルプリキュア! コアレビュー Part 2 第7-12話

第7話 どこなの?わたし達のひみつ基地!?

スマイルプリキュアを結成したみゆき達は、誰にも聞かれずにプリキュアの話ができるような秘密の場所を探し始める。みゆきがこの街に引っ越す前に住んでいた町には、赤毛のアンに出てくるような森があり、そこがいいのではないかという話になる。みゆきが思い描いていた場所はもうほかの少女たちの遊び場になっており、それを横取りするわけにもいかないため、改めてほかの場所を探そうと帰ろうとしたそのとき、敵が現れて少女たちからバッドエナジーを吸収する。

敵の攻撃で必殺技を不発に終わらされたキュアハッピーを、残りの4人がサポートする。改めて必殺技を敵にはなち、なんとかやっつけることができた。このシーンはかなり短く描かれており、たとえばノベルゲームであれば(ラムネーションのような特異点を除いて)もっと長く書かないと怒られるだろうが、プリキュアはこれで十分だ。結局、ふしぎ図書館を秘密の場所にすることになった、ちゃんちゃん。

第8話 みゆきとキャンディがイレカワ~ル!?

キャンディ「これってもしかして……」
みゆき「私たち……」
「「入れ替わってるー!?」」

出オチ回。キャンディの姿になったみゆきがプリキュアに変身する。
クルクルきらめく未来の光!キュアキャンディ!
この一回のために作画したと思われるキュアキャンディの変身シーンは必見である。プリキュアの素質は肉体ではなく精神にあることを示す例であると思われる。最終的には体がもとに戻ってめでたしめでたし。

第9話 うそ〜!やよいちゃんが転校!?

エイプリルフールのウソをつこうと思い立ったやよいが、転校するというウソをみゆきに言ったところからクラス全体に広まってお別れ会を開催されてしまう。まあ現実的にはありえないですけどね。担任の先生が知らないということは考えにくい。やよいは今更ウソであることを打ち明けることもできずに教室から逃げ出す。

現れた敵からは「なぜウソをついたことを謝るのか」と言われる。プリキュアの本来のターゲットである女児たちへの教育的なセリフだと思うが、大人からすると謝らないという選択をとることも時として必要なのではないかと思う。しかしそのようなウソを「優しいウソ」としてよいものであるようにデコレートすることには反対だ。ウソはウソであって、賞賛されるものではない。

敵をやっつけたやよいはクラスのみんなにウソを謝る。みゆきたちからウソをやり返されてたじろいだやよい。適度にウソがつける関係っていいですよね。

かわいいやよい

第10話 熱血!あかねのお好み焼き人生!!

ひとことでまとめれば、料理の隠し味は愛情である、という回である。個人的には、愛情よりも誰と一緒に食べるかの方が大きいと思う。私たちは料理の味以外に、その場の雰囲気こみで料理を楽しんでいるのだ。実際、「愛情がこもっていますね~」と食べてわかるわけではない。インスタント料理でも愛する人と食べればおいしいのだよ、なああかね?

第11話 プリキュアがチイサクナ〜ル!?

プリキュアが小さくなったことで、敵のサイズもそれに合わせて小さくなっていることがこの回の戦闘を面白くしている。通常サイズのキャンディとマジョリーナが戦闘を応援しているのは滑稽なのだが、他のもので例えればポケモン対戦を眺めるトレーナーと同じである。昆虫が苦手ななおが昆虫の居場所を守ろうと奮起するのに胸を打たれた。自分はやっていないが、昆虫や植物を悪意なく痛めつける子どももいるから、そのような子たちに共生という概念を教えようとした回なのかもしれない。

第12話 目覚める力!レインボーヒーリング!!

キャンディとれいかの回。プリキュアの役に立ちたいのに空回りするキャンディの悩みに、れいかがやさしく寄り添うのがすばらしい。自分がれいかなら「ジャマすんな、すっこんでろ」と言ってしまうかもしれない。

戦闘シーンはキュアビューティの頭脳プレイが光る。ちょっと金色のガッシュに似ているというか、直接攻撃する以外で勝利に近づこうとするのは観ていて面白い。プリキュアたち5人の思いを受け取ったキャンディから、新たなキュアデコルが生まれ、それをつかった合体技で敵をやっつけることができた。キャンディは6人めのプリキュアとして、これからもみゆきたちとキュアデコルを集めるのであった。

7-12話をまとめると、各回の主役は
7話:全員
8話:みゆき
9話:やよい
10話:あかね
11話:なお
12話:れいか
となっており、ストーリー全体が進んでいる感じはあまりしないものの、等身大の中学生の成長物語としてはうまく作られているように思う。観ていてだれることもない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?