ヒグチアイ ライブツアー2022 「最悪最愛」感想

4/30の堀江由衣ライブツアー2022「文学少女倶楽部Ⅱ放課後リピート」大阪公演に引き続き、5/1にヒグチアイライブツアー2022「最悪最愛」長野公演に参加してきました。
曲の感想とかはほとんど無いですが、当日思ったことを書いていきます。

今回のライブはちょうど帰省のタイミングと重なって、地元長野での公演に参加することが出来ました。
そして、帰省と重なったことで子どもを両親に預けて、初めて妻と2人で参加しました。

そもそも、ヒグチアイさんとは高校の同級生で、その頃から彼女のライブは何回か聴きに行ったこともありました。高校卒業後は、自分は関西方面に進学したため、大学2回生の時にこれも帰省のタイミングでたまたま長野でライブをするというので聴きに行ったのが最後で、今回は10数年ぶりのライブでした。

そういった経緯があったので、ライブ会場に着いた辺りから、知り合いがいたらどうしようとか、作法が変わってたらどうしようとか、謎の不安を抱えていましたが、幸か不幸か、知り合いに会うこともなく、ライブの開始を迎えました。

始まってまず、一番最初に浮かんできた感想は、「羨ましい」でした。
自分は歌うことがとにかく好きなので、基本的に誰かの演奏を聴くというのはあまり好きではありません。その場で聴いた曲を口遊むことも出来ないというのが、知っている曲だとなおさら、窮屈に感じてしまいます。
なので、演者として舞台に立っているということがまず羨ましく感じました。

次に感じたのは「悔しい」でした。
高校時代、ヒグチさんは軽音班、自分は合唱班で、一応歌うことを目的として活動していました。
もちろんその頃から彼女はとても上手く、自分が人生で出会った中で一番歌が上手いという印象は10数年経った今でも変わっていません。 
ですが、この10数年で、演者とただの観客、舞台の上と下、こんなにも差が付いてしまったのかと、思いました。
確かに彼女はこれまで音楽に対してずっと努力を続けて、まさに彼女なりの「前線」で戦ってきていて、一方僕は途中で合唱から離れて、今となっては趣味で2、3ヶ月に1回ヒトカラに行く程度ですから、比べるべきではありませんし、むしろ失礼極まりないということもわかっています。
しかし自分は、そう感じてしまうほどに、歌うことが好きなのです。

一方で同時に、「もっと歌が上手くなりたい」という情熱が湧いてきました。
これは、ヒグチアイさんがメジャーデビューして以来、彼女の曲を聴くたびに、ずっと自分が感じている感情でもあります。
高校卒業に際し自分は、音楽方面に進む彼女に対して、「歌うことで生活していきたい」という自分が選ばなかった夢を、勝手に仮託してきました。
そういった点で、歌手としてある程度の知名度を得るだけでなく、学生時代と比べてスキルアップしている姿を見ていると、まだまだ自分も上手くなれる、と刺激を貰っていました。

さらに、自分が勝手に今まで仮託してきた夢を叶えてくれていること、今でも歌うことに対して刺激を与えてくれること、そして何より、「歌を歌い続けてくれていること」に大きな感謝を覚えました。

そして、なまじ顔見知りなだけに、歌の一言一言が自分に向けて歌っているように思えてきて、あの頃から変わっていない自分が不甲斐なくなったり、そんな自分にさえも寄り添ってくれているような感覚になったりして、自然と泣いていました。

多くの人が感じていながら、「上手く生きていく」ために目を背けたり、時に無意識にでも無いものとしている自身の嫉妬や恨みなんかのネガティブな感情を、ちゃんと向き合って言葉にして、その上で「それでもいいんだよ」「私もそうだよ」と寄り添ってくれる、それがヒグチアイさんの最大の魅力だと思っているんですが、まさにそういった優しさに、見事にやられてしまいました。

高校卒業して以来、ヒグチアイという同級生のことを、その時その時周りにいる人に、「めちゃくちゃ良い歌を歌う友人がいるんだ」とずっと話してきました。それを一番多く、そして一番近くで聞いてきてくれた妻に、「ほら、やっぱりヒグチはすごいだろう。めちゃくちゃ良い奴だろう」と、すごく誇らしくて、やっと自慢出来た気がして、嬉しくて、そしてやっぱりありがたくって、涙が止まりませんでした。

ヒグチアイがヒグチアイでいてくれて、樋口愛がヒグチアイになってくれて、本当に良かった。
ヒグチアイに出会えて、本当に良かった。
また、出会えることが出来て本当に良かった。

そんなヒグチアイの人生の、たった1、2年の瞬間に立ち会うことが出来たことは、ヒグチさん本人にとっては風景の一部にさえなってなかったとしても、自分にとっては本当に幸福なことだと、改めて思いました。

ありがとうヒグチアイ
今度は子供も連れて見に行きたいな。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?