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ここが好きだぜ!送信所

皆さんは「送信所」という施設をご存じでしょうか?
送信所は、ラジオ放送の電波を発射する施設のことです。
独特な形をしたアンテナが、ほぼ休まず、皆さんのもとに電波を飛ばし続けています。

私はラジオ局の送信所が大好きです。
特にAM放送の送信所には目がありません。
たまに小旅行気分で各局の送信所に遊びに行くこともあります。
「遊びに」と言っても施設を外からガン見するだけですが(笑)

いま私の送信所愛は暴走気味に加速しています。
昨年はTBSラジオ開局70周年に合わせ、同局の送信所がある埼玉県戸田市に移住。
更にニッポン放送の木更津送信所に捧げる歌を作曲し、星野源のオールナイトニッポンのジングルのコーナーに送り付ける(2022年4月5日)などをしています。

この機会に、わたくしタクヨシムラが「送信所のどんなところに魅了されているのか」を書き殴っておきたいと思います。
なお、放送技術のことはよく知らないので触れていません。受信マニアの皆さん、スミマセン。


1.アンテナのルックスがたまらない

送信所の象徴といえば、電波を飛ばす巨大アンテナです。
一般的に東京タワーの様な形をイメージしますが、
AM放送のアンテナは、複数のワイヤーに引っ張られた細長い棒。
まるで地面に突き刺さった棒高跳びのバーの様です。
この独特なルックスを持つAMアンテナが、私はたまらなく好きなんです。

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👆TBSラジオ 戸田送信所(2018年3月撮影)
アンテナの高さはなんと100メートル超。ゴジラの身長とほぼ同じです。
赤、白、赤、白と塗り分けられたカラーリングも実に鮮やか。
夜になると赤色のランプが灯ります。てっぺんのランプの点滅が沁みるんです。

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👆文化放送 川口送信所(2019年3月撮影)
アンテナを支えるワイヤーも見逃せません。
シャープなワイヤーが3方向からピン!と引っ張り合いバランスを保っています。
ワイヤーに点在しているガイシですが、夜になると、空に散らばるきら星の様に見えるとか見えないとか。

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👆ラジオ日本 川崎幸放送局(2019年12月撮影)
目の前で見るアンテナは思った以上にビッグサイズです。
人間は大きな建造物に理屈抜きで心奪われるもの。
巨大アンテナのスケールに思わずワクワクしてしまうのです。

2.ディープな聖地巡礼が楽しめる

ラジオリスナーにとって憧れの場所といえば、やはりラジオブースです。
ブースがあるラジオ局の本社に聖地巡礼する人は少なくないと思います。
しかし、ある意味本社よりも局のディープな部分に触れられるのが送信所です。
「ラジオリスナー最後の聖地」といっても過言ではないでしょう。

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👆文化放送 川口送信所所(2018年3月撮影)
いつも興奮させられるのが、送信所入口にあるラジオ局の社名プレートです。
お昼の番組を聴いていると「○○県の○○送信所」というワードをよく耳にしますが、
その送信所が目の前にあるということに興奮を禁じ得ないのです。

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👆ニッポン放送 木更津送信所(2021年10月撮影)
このアジのある立入禁止看板、思わずニヤリとさせられませんか?
独特な趣のある看板は送信所の見どころの一つです。
他にも、アンテナを制御する局舎や、社名が書き込まれた電柱などなど。
ラジオマニア垂涎のアレコレがいくつもあります。

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👆NHK 菖蒲久喜ラジオ放送所(2019年12月撮影)
アンテナを眺めているとなんだか不思議な気持ちになってきます。
「この場所から、自分の部屋まで、はるばる電波が飛んでいるんだ……」
パーソナリティとリスナーを繋ぐ、電波という名の見えない糸。
その電波をつくる送信所は、やはり「ラジオリスナーの聖地である」と私は思うのです。


3.ロマンを感じて泣けてくる

ここからは少々気持ちの悪いエピソードを書き殴りますので、
下記の「●おわりに」の段まで飛ばしていただいて結構です(笑)

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昨年10月、ニッポン放送の木更津送信所を探訪した時のことです。
夜の送信所周辺を歩きながら、オールナイトニッポンのジングル集を聴いていました。
私は初音ミクのジングル(2013年~2016年)に強い思い入れがあります。
アルコ&ピースのオールナイトニッポン(2013年~2016年)や、ナインティナインのオールナイトニッポンの第1期が終了する時期(2014年9月)に使われていて、聴くと当時の記憶が蘇ってきます。

続けて、Tommy february6(2000年代)やクレヨン社(1990年代)、角松敏生さん(1980年代)が作った昔のジングルを再生。
点滅するアンテナのランプを見つめながら、オールナイトニッポンの歴史に思いを馳せました。

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――この送信所から何十年も、オールナイトニッポンの電波が飛んでるんだよな。
自分と同じ世代だけでなく、親の世代やその上の世代の人も、この場所にアンテナを伸ばしてラジオを聴いていたんだろうか。
大好きなパーソナリティがいて、ネタを読んでもらったり、悩みに答えてもらったり。
皆それぞれ違う場所にいるけど、同じ時間に、同じお喋りで繋がっていて。
きっと自分と同じように、ラジオを聴きながら笑ったり泣いたり……

そんな事を考えていたら、気付けば泣いていました(笑)

送信所の空をスクリーンに、色んなリスナーの姿が浮かんでは消えて……という怪談です。
アンテナを眺めながらラジオの歴史にロマンを感じるのが好きだぜ、というお話でした。

おわりに

送信所の魅力はまだまだありますが、今回はここまで。

これからも送信所ガチ勢でありたいものですが、残念なことに、現在ラジオ界はAM放送の廃止に向けて動き出しているそうです。
送信所の設備維持費が膨大で、このまま運用を続けるのは困難とのこと。
放送免許が更新される2028年を目途に、AM送信所は役目を終えることになるでしょう。

私は、それは仕方がないことだと思います。
代わりとなるワイドFMやradikoがありますし、AM放送は公共放送であるNHKラジオが続けてくれればいいんです。
最優先はラジオ局の存続。ラジオ放送が聴けなくなるのが一番つらいことですから。

いつか訪れるその日まで、送信所になるべく足を運びたいと思います。

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好きだぜ!送信所!!!