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「笑え金魚ちゃん」と私

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 「あんけいよーさんに救われた」なんて言ったら超大げさですけど、あんけいよーさんがツイッターでやっていた朝の挨拶ツイートに、私はたくさん元気を貰ってきました。
悪口とエアリプとファックコミュニケーションが並ぶドブみたいなラジオリスナーTLの中で、あんけいよーさんのカラッと明るいツイートは、私のジメジメした一日をも明るくしてくれたんです。
ドブみたいなTLは、自分からそういうTLにしてるんで自業自得なんですけどね(笑)。

 あんけいよーさんは【爆笑問題カーボーイ】のネタ職人です。
ハッキリ言って天才です。メールNo.1グランプリにも出場した超実力者ですよ。以前はお笑い芸人をされていたそうです。
私はカーボーイの裏番組の【星野源のオールナイトニッポン】のリスナーですけど、カーボーイも折に触れて聴いているのでその存在は以前から知っていました。
あんけいよーさんのバカバカしいネタと朝の挨拶ツイート、味のあるイラストに、『こういう楽しい人っていいよなぁ。』と。根暗で楽しくない性格の私は憧れみたいなモノを抱いていました。


 そんな憧れのあんけいよーさんが、1年ちょっと前にネットラジオを始めました。
その番組が【笑え金魚ちゃん】でした。
あさのさんという元お笑い芸人、元同期の方とコンビで喋っていました。
あんけいよーさんはちょっとダミダミした男らしい声で、期待通りの楽しい人でした。
相方のあさのさんは穏やかなツッコミに人柄の良さが出ていて、趣味が散歩という所に親近感が湧きまくりました。
私は仲のいいおじさんのトークが大好物というキモいおじさんなので、お二人のトークに心地よさを感じましたね。
元芸人だけあってメール読みもバッチリですし、録音の音質がいいのも好感が持てました。
ただ、正直お二人だけだったらここまで番組に熱中していなかったかも知れません。

 ある回から、寅人(とらんちゅ)さんという現役の女性芸人が番組に加入しました(第0.5回)。
この方もあんけいよーさんと元同期の方なんですけど、マジでヤバすぎましたね。
口癖はコ○キとキチ○イ。突如ブッぱなすゲップとオナラ。親父はたぶんヤ○ザ。暴力とウンコを愛する則巻アラレ系女子でした。そんなの笑っちゃうじゃないですか。
寅人さんの加入で番組の雰囲気はガラッと変わりました。よりアッパーに、よりクレイジーに。そしてとてもポップになりました。
ボケとツッコミと笑い屋がコロコロ替わるトリオラジオです。同期3人ならではの同じ釜の飯トークも最高で。
私はあんけいよーさん、あさのさん、寅人さんの化学反応に魅了されていきました。

 金魚ちゃんに魅了された人は私だけではありません。
ブラザーフッド・オブ・スティールさん、北海道YYさん、パンチドランカー斎藤さんの金魚ちゃん愛は特に有名ですよね。
ブログにつづった番組へのアツい想いはグッとくるモノがあって、彼らの激アツラジオブログに影響されて番組を聴き始めた人も少なくないと思います。
カーボーイだけでなく【有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER】【エレ片のコント太郎】【髭男爵 山田ルイ53世のルネッサンスラジオ】など色んな番組のリスナーが集まるようになりました。金魚ちゃんはリスナー広場的な雰囲気も魅力なんですよね。私はカーボーイの裏番組のリスナーですし色々嫌われていると思いますけど(笑)。
そんな感じに金魚ちゃんリスナー「ポイメン」は増殖していった訳です。

 番組は不定期ながら月一ペースで更新。
【オールナイトニッポン】のオーディションでいい所まで勝ち進んだり、【大竹まこと ゴールデンラジオ】にゲスト出演(2018.2.21)したり。YouTubeのネットラジオが地上波ラジオに接近しまくるという。
あさのさんと寅人さんは回を重ねるごとにキャラが立ち、金魚ちゃんはどんどん面白くなっていきました。

 一方、あんけいよーさんは迷走というか、苦悩していく事になります。
もっと自由にボケたいけど、番組進行っぽい立場上そうもいかないというか。
ツッコミはあさのさんの心地よいフォローが絶妙ですし、ボケは寅人さんのフリーダムさが強烈ですし。
もちろん、あんけいよーさんのタケシのモノマネとかギャグとかで笑っちゃいますけど、ラジオとして成立させる為に突き抜けられない感じで。いや、完全に私の主観ですけど。

 あと、あんけいよーさんは素を出すのが凄く苦手っぽいんですね。
フリートークが不得意だからと屁鳴亭キックとかいう謎のキャラを乗せて喋り出した回(第11回)は衝撃的でした。面白かったですけど、あれは迷走していましたね(笑)。
大竹まことさんから「普通の人」という烙印を押された事もありました。あと、番組中に結構悪態つきますよねコイツ。私が憧れたカラッと明るい男はどこいったんですか。まぁ私が勝手にそう思い込んでただけなんですけど。

 でも、私はそんなあんけいよーさんがますます好きになりましたね。
なんかラジオリスナーっぽいなぁって思うんですよ、そう言う所。
面白いヤツになろうと頑張るけど、結局キャラが強い人に持っていかれる感じとか。
思い通りに事が運ばない、上手くいかない感じとか。
空気が悪くなる事をポロッと言っちゃう感じとか。
なんだか共感してしまうんです。

 金魚ちゃんの歴史は、あんけいよーさんという1人のラジオリスナーの闘いの歴史でもある訳です。
同じ不器用なラジオリスナーとして応援したくなるんです。「もっと突き抜けてくれ!頑張れ!!」って。
だから私にとって、あんけいよーさんは「笑え金魚ちゃんの主人公」なんです。


 2018年11月3日、笑え金魚ちゃん初の公開収録が開催されました。
場所はヤバいセミナーとかやってそうな会議スペースでしたけど、そこには愛が溢れまくっていました。
入場者全員にステッカーとバッジのプレゼントがあったり、ガチャガチャが置いてあったり、思わず笑ってしまう展示があったり。ポイメンからはお花やイラストが届いていました。
一般的なラジオの公録とは違った手作り感がいっぱいで。ラジオリスナーだけで作る学園祭みたいな雰囲気に終始ニヤニヤしっぱなしでした。

 公録の様子は、この動画をチェックして頂ければ。
凄いと思いませんか?職場の大学生から『面白くないw』とディスられる男が、仲間と一緒に100人のお客さんを集めてしまった訳ですよ。
で、3人で笑いをドカドカかっさらっていくという。最高にイカしてますよね。

 せっかくの公録なので、私も一通だけ質問メールを送ってみました。
以前、パンドラさんが質問されていた事なんですけど、「あんけいよーさんの今後の目標を教えて下さい」って内容で。
あんけいよーさんは何故金魚ちゃんを始めたのか、この番組をどうしていきたいのか、何よりあんけいよーさん自身は何を目指しているのか。そんな疑問をまとめたメールでした。

 結果、はぐらかされて質問には答えて貰えませんでした。
真面目な質問をはぐらかしてしまう性格だと分かっていましたし、そういう照れ屋な所があんけいよーさんの魅力でもあるんですけど。
ただ、エンディングで「今の本心」みたいなモノは語ってくれました。

 4年前にカーボーイにメールを送った事から始まって、ネタ職人になって、芸人時代の仲間とネットラジオを始めて、公開収録までする事ができたと。こんな経験ができるなんて感慨深いし、不思議だなと。「未来はいつも面白い」という爆笑問題太田さんの言葉を借りて、一生懸命思いを語ってくれたんです。そういう事が死ぬほど苦手なハズなのに。

『目標を持って頑張れば明日からまた楽しい事が……』と続けるあんけいよーさんを、あさのさんと寅人さんはうんうんと優しい表情で見つめていました。
私は心の中で『本当だよな。未来はいつも面白いって、今ここにいる全員が思ってるハズだよ。あんたが今、それを身を持って証明してくれてるもんな。未来はいつも面白いんだよ。』そんな事を思いながら、会場の一番後ろの席で泣いていました。
これもナカムラなる人物がしつこく食い下がってくれたおかげですよ。中村ぁ!

 公録は最高に楽しく、ちょっと感動的な感じで幕を閉じました。
その後、居酒屋でリスナー広場を具現化したような打ち上げが行われ、私は楽しすぎてスマホを店に置き忘れ、「あんけいよーさん以下の出来損ないだよな、オレって……。」とガッツリヘコむ訳ですけど(苦笑)


 そんなこんなで、笑え金魚ちゃんも第2章に突入ですかね。
ゆーてもYouTubeのネットラジオです。3人の誰かがやる気をなくして半年ぐらい中断するかも知れませんし、どこかの局でレギュラー番組を持つかも知れません。ケンカ別れでブチ終わるかも知れませんし、近況報告スタイルで一生続くかも知れません。
過度な期待はせず、それぞれの成長とモラトリアムを楽しませて頂きます。

 私はあんけいよーさんの朝の挨拶ツイートにたくさん元気を貰ってきました。最近はノグチさんとかいうよく分からない人物が出てくるのでミュートしてますけど、あさのさんと寅人さんのツイッターもありますし、笑え金魚ちゃんとかいう番組で元気を貰っているので、まぁ別にいいでしょう。

 あんけいよーさん、あさのさん、寅人さん。これからも無理しない程度に頑張ってください。誠実さを忘れなければポイメンの皆さんは着いてきてくれるハズです。笑え金魚ちゃんをずっと応援しています。

 以上、金魚のフンことタク・ヨシムラでした。