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IT出身の老舗ハンコ屋が語る「ハンコ不要論」

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IT業界(デジタル)とハンコ業界(アナログ)の事を一定程度、理解した上で語る今回の「ハンコ不要論」。 色々と思うところがありますし、両極端の業界を経験したからこそ、見えてきた両者…
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2021年5月の記事一覧

【2-3】ハンコはなくせるのか/ハンコ屋自身が考えてみた(本人認証編1/2)

「実印」「印鑑証明」とか、仕組み自体、良く分からない。 そもそも ・親ハンコ貰ったけど、まだ一度も使ってない。 ・家や車を買う時に業者さんに言われて数回使った このような方、案外多いのではないかと思います。 また、 ・脱ハンコになったら、実印とかもなくなるんでしょ? ・電子化したら何か不都合があるの? こうした疑問にもお答えしつつ、意外と知られていない、デジタル化の盲点などについても、この記事を読んで覚えていただければと思います。 認印を使う「意思の確認編」はこちら

【2-2】 ハンコはなくせるのか?(意思の確認編)

結論:社会がデジタル化のデメリットを許容する場合、撤廃することが可能!しかし一方で・・・ 第一章のハンコ文化とサイン文化の比較はあくまでもアナログ文化の比較でした。 これは一長一短があり、優劣をつけるのは困難でした。 ではデジタルとの比較ではどうでしょうか? ここでは、アナログ文化を用いた認証の仕組みと、デジタル技術を用いた認証の仕組みを簡単に比較してみたいと思います。 これまで出てきた以下の2つのハンコの使い道の内、ここでは「②意思の確認」について、電子化が可能かどう

【2-1】ハンコ不要論の根っこ

では、話を現代のハンコの使われ方に戻します。 ハンコには2種類の使われ方があるとこれまでの記事でお伝えしてきました。 (おさらい)--- ------- ハンコ不要論、実は「①」について語られる事は多くないんです。 不要論の多くは「②」について叫ばれます。 「役所でハンコがないと受理できないと言われた」 「ハンコが手元にないので会社に出社しないといけない」 「100円ショップで売ってるのを押すことに何の意味があるの?」 これらはある意味、当然の意見です。 世の中がど