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言葉が発せないことで好きな物が買えないショックを受けた話

寒さが本格的になり寒くなってきましたね。

こう寒いと暖かい鍋、ラーメンなど食べたくなりますよね。

【冬】にちなんで学生の冬にあった吃音での出来事があるので本日はそのことを書いていきたいと思います。

私が吃音者と感じ始めた中学生の頃。

その頃、私の仲間内で流行っていたのが、学校帰りにコンビニで『あんまん』を購入し食べながら帰ること。

駄菓子屋とは違う、大人も通うコンビニで買い食いするのがおそらく当時はかっこいいと感じていたのでしょう。

そして何故か肉まんではなく『あんまん』というこだわりがあった。

仲間内であんまんが流行る少し前のこと。

雪もチラつき始めた冬の帰宅中のこと、仲の良かった私を含めた3人組の1人、友人Aが『コンビニに寄ろう』と言い出した。

帰っても暇なので友人Bも一緒にコンビニへ寄った。

友人A【以後A】は特に買いたい物もなかったが外が寒かったので暖まる為に入ったとのこと。

ダメなことだが当時は少年ジ○ンプが大好きだったので3人共暖かい店内で立ち読みにふけった。

読み終わり店を出ようとしたらAがお腹が空いから
『あんまん』を食べたいと言い出した。

夕食の時間も近かったがたしかに小腹も空いていたのもありBも含め買うことにした。

レジの前でまずはAがあんまん一つ下さいと伝えあんまんを手に入れた。

続いてBもあんまんを購入。

そして私の番、僕もあんまん下さい!と言うはず、言えるはずだった。。

いざ言おうとしたとき【あ】の言葉が喉で突っかかる。
まるで喉に蓋が閉まってしまったかのように言葉が出てこない。

私【............。】

店員さん【どうしたの?】

私【......ぁ....ぁ.....】

店員さん【?】

友人A【なにやってんだよtaku!あんまんでいいの?】

私【..ぅ、うん同じの下さい】

その時、以前から薄々感じてはいたが改めて自分は他の人と違うことを思い知った。

帰宅路でAとBは美味しそうに『ハフ、ハフ』とあんの熱さに耐えながら夢中であんまんを貪っていたが、私は恥ずかしさとショックで食べるとこではなかった。

明日もあんまん買って帰ろうぜ!

Aがそう言い出しBも同意した。

学生とは変なもので仲間外れになったらどうしようと考えるのでみんなの意見には同調しなければならない。

私は今日のことで『あんまん』を買うことに自信を無くしていたので嫌と言いたかったが仲間外れになりたくないし、なにより『あんまん』と言えないことを友人に話ことが恥ずかしという気持ちが勝り『明日も来ようぜ!』と強がった。

翌日も3人でコンビニへ入り暖まったあとレジ前へ向かった。

これから食べるあんまんに心躍らせているAとBとは裏腹に私は言えなかったらどうしようとそれだけを考えていた。

昨日と同じようにAとBが購入し私の番が回ってきた。

吃音とは意識すればする程、緊張から余計言葉が出なくなる。

私【えっと、.......。】 また言葉が出てこない。

店員さん【昨日と同じあんまんでいいのかな?】

私【店員さんを見つめ首を縦に振る】

店員さんが昨日と同じこともあり覚えていたのだ。

店員さんもなにかを察したのか、はたまた早くして欲しいから言ってくれたのかは不明だが本当に助かったと思った。

その日は昨日と違い『あんまん』の美味しさを感じて食べていたが、『明日も行こう!』とAとBが盛り上がっており、また憂鬱になった。

帰宅後どうすれば恥ずかしい思いをせずあんまんを購入出来るか考えた。

もはや『あんまん』自体に恨みはないが嫌いになりつつあった。

明日の店員さんが同じとは限らない、どうすれば、、、。

翌日、また私はコンビニのレジ前に居た。

私が考え抜いて出した答え、それは。

ショーケースに入っている『あんまん』を指差し
【それ下さい】と伝えた。

そうすると店員さんがあんまんを取り出してくれ無事購入することが出来た。

恥ずかしい思いをせず買えた喜びで、この日は我が
憎き『あんまん』の味は格別だったのを覚えている。

その後一ヶ月程、帰宅の『あんまん』購入は恒例となったが同じ手法で問題なくクリア出来た。

さすがにAとBもあんまんばかり食べるのは飽きたようでブームも去りその後はコンビニに寄ることはなくなった。

もう、かなり昔の話ですが実は今でも言葉が出てこなそうだなと思うと指を差して伝えることを行なっています。

吃音歴が長いと言葉を発する前に『あっ出てこないな』とわかるのでそういうときは必殺技のように使用しています。

この他にも買い物で困ったことがあるのでまた別の機会に紹介したいと思います。

ふと寒さと共に思い出した昔話でした笑









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