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EXITさんを見てたら食わず嫌いが直った

R‐指亭狂HEYのプレゼンがあまりにも上手すぎて今年の夏は小野不由美の文庫とシークエンスはやともの動画ばかり見ていますが、そんな夏も終わろうとしています。今までは心霊動画とかまったく興味なかったんですが、やっぱりなんでも食わず嫌いは良くないですね。

8月のイグナッツ!!は、心霊動画を見て半分キレている松永さんと、興味深々のきらきらした目でじっと見つめる兼近さんの対比が鮮やかで非常に面白かったです!映像の真偽はともかくとして、ああいう視覚情報に全神経を集中させている兼近さんの様子というのは、見ていて大変気持ちが良いです。おまけに視覚情報と僅かなヒントでその背景の物語まですぐさま組み立てる。R-指定さんの「え、(心霊DVDのスタッフ)やってました?」がまさにそれ。本当に何者なんだ兼近さん・・・。

そして松永さんとりんたろーさんは予想通りに心底心霊動画を嫌がっていて、そういう人がいることで逆に冷静になれました。ありがとうございます!!


【先生の話を聞きなさい!】

授業中にひょうきん者がテンション上がって騒ぎ出し、先生がそれを注意して授業がストップして周りの子がさらに騒いで・・・という悪循環が起きることがあります。若くて真面目な先生とか、ひょうきん者の投げるキャッチする必要のない荒れ球を受け止めようとしちゃうんですね。

先日のホンマでっか!TV、バラエティ女子のみなさんが揃った華やかな回で、専門家の男性が言った一言が引き金になってゲストのみなさんが一斉にしゃべりだしてしまった場面がありました。そこはもう明石家さんま師匠が「お前ら、先生の話を聞けい!!」でビシッとオトして(タイミングも完璧でしたね)いたのですが、あれはもう教室で常に発生するあるあるシーンです。

教員は生徒の興味を引き出そうとして、あの手この手で授業を盛り上げるのですが、たまに何でもない一言が生徒にヒットして、一斉にしゃべり始め収拾がつかなくなることがある。明石家さんまさんのように絶対的な権威があれば、何か一言発するだけで「先生の話を聞かなくちゃ!」とほぼ全員が気づいて静かになりますが、今は教員の権威ってそんなにないし、なんなら動画の音声と同じ感覚でいる生徒もいるくらいなので、容易に教室を集中させることは難しいです。

どんな荒れ球も受け止める麒麟川島さんですら、「学級崩壊みたいになってる」とぼやいておられました。芸人がしのぎを削るバラエティ番組のひな壇は小学校のホームルーム状態。先生(MC)に拾ってもらいたくて大きな声で独り言を言い始めちゃう。あと隣の人と話し始めちゃう。学級会化する日本のバラエティってどうなん?とも思うのですが、ついつい「先生(MC)、がんばれ!」って思いつつ見ている時もあります。(楽しみ方を間違えている)

そんな中、EXITさんはすごく上手なタイミングで発言するのですごいなと思います。特にりんたろーさんは、本当に先生が欲しいタイミングで「理解」や「相槌」、「興味」の合図を出すので、めっちゃ先生助かると思う。優秀な学生時代が偲ばれます。

学校で気をつけないといけないのが、りんたろーさんのような「やりやすい生徒」がいるクラスではついついその子とばかり絡むようになってしまうこと。バラエティ番組なら「MCにハマってる!」でいいのですが、授業では他の生徒が不公平感を抱きます。先生は大物MCぶっておもしろおかしく回さなくていいんですよ、という話です。



【例のBPOの件を少し真面目に考えてみた】

アベプラで、「苦痛を笑いをのネタにする番組はいかがなものかってBPOが言ってる」というニュースを知りました。兼近さんもコメントしづらそうでしたね。若手芸人困っちゃう。

私も、以前はドッキリ企画や痛み・怒りを笑う企画は見ていられませんでした。反射的に「痛そう!」「辛そう!!」「苦しそう!!!」って脳の一部が過敏に反応してしまうのです。そして、その後しばらく頭が痺れたような苦しい感覚が続きます。まあ、そういう気質なのでしょうがないし、多数派ではないという自覚はあるので、あまり大きな声では言いません。

ただ、以前であれば見なかった番組も、EXITさんが出ているなら見ようかな、と思って拝見して、「あら、思ったより面白い」とか「ああ、ちゃんと皆さん分かってやってらっしゃるんだ」という新しい視点の獲得に繋がったので、やっぱり何事も知らないままではいけませんね。気づきのきっかけを作ってくださったEXITさんに感謝です。

我々のようなタイプは、「痛そうなのは嫌」というだけではなく「痛がる様子を笑っている人がいる」のが苦手なんじゃないかなぁと思います。だから、「さあ、若手が痛がって騒ぐぞ、それを見て笑ってやる、盛り上げてやる」という周囲の思惑を真正面から打ち返す兼近さんが痛快なのです。若手が痛がる場面を期待する人たちの予想を超え、度肝を抜く姿にすがすがしさを覚えます。

(今気が付いたのですが、番宣などでスタジオに呼ばれた役者さんの中には実は人の苦痛を笑いたくないと思っている人もいるかもしれませんよね。でもお仕事だから仕方なく驚いたり笑ったりリアクションをしているのかもしれない。そう思うと、嫌ならチャンネルを変えればいいだけの我々視聴者は非常に気楽に番組にケチをつけているわけです。なんとも無責任な話です)

兼近さんのおっしゃった「周りの大人が教えていくことが大切」はまさにその通りで、そこは我々の仕事です。芸人自らが教えるなんて野暮なことは必要ないです。教室で、あせって転んだり机にぶつかったりして「いってぇー!!」と騒ぐ子はいます。「何やってんだよー!」って言いながら、みんな笑うし、本人も「えへへ」って笑う。そこで教員が「大丈夫か?」とフォローすることで完結する。ここで教員は一緒になって笑ってはいけない。手を叩いて本気でウケている生徒がいたら、「そんなに笑うもんじゃないよ」って注意する。学級でたまに一人くらい本当に人が苦しんだり痛がったりする様子で爆笑してしまう性質の子がいる。これは早い段階でマナー違反であることを教える。1年では大きな変化はないけれど、3年生になればだいたいの生徒は「苦痛をネタに笑うことは背徳的だからおもしろいんだ」という理屈に気が付くし、現実世界で身近な人の失敗や苦痛を笑うことはなくなります。

20年以上昔、若手のダウンタウンが過激なコントで飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃、やっぱり「不謹慎である」「教育に良くない」「子どもに見せたくない」という意見が寄せられたという話を覚えています。それに対して松本さんが「番組を見せないんじゃなく、こういうのは良くないって周りの大人が教えればいい」という意味のことをおっしゃっていて、それを思い出しました。

令和ではさらに一歩進んで、「私はこのような演出は、あまり好きではないけれど、番組を作っている人達にとっては賃金を得るための労働だよね。君はどう思う?」というディスカッションに発展していくのかもしれないですね。


何度も言いますが、少数派の意見です!!





EXITVで兼近さんが「日曜日に美術館へ行く人が好き」というボケを言ってサンタモニカに「すん・・・」ってされていましたが、きっかけは何であれ美術館へ行く人が増えればいいなと思います!「美術鑑賞」なんて構えずに、「写真で一言」なんだと思えばいいので、学生さんももっと気楽に美術館へ行こう。