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【ナポリテン感想】 カビも集まりゃペニシリン







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?「よぉ」
「オレはお前達が"ファン"と呼ぶ存在」


「あるいは"ヘビーユーザー"」


「あるいは"カビ"」


「あるいは"540円の人"」


「あるい"隠の者"」


「あるいは"陽の者"」 

「そして」

「オレは"おまえ"だ」 


「ようこそ身の程知らずのバカ野郎」

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というわけで、通行料540円と前頭葉を犠牲にして、この度「真理」を垣間見てきました

いやー、ナポリテンなんつーかね・・・

観る電子ドラッグ、いや電子イエイヨでした

ありゃキマります

「ナポリの男たち」とは

この通り、オレは実況チーム「ナポリの男たち」にハマっているわけなんですが
「介護疲れに効く」というコンセプトの下に作られる動画群は何というか「オトナ帝国の逆襲」

使い古した野原みさえのパンツくらいユルユルで愛おしく

年季の入った野原ヒロシのグッショリ靴下のように臭くて懐かしい

大人になれない大人達の楽園がそこにはある

そんな動画を「面白いぢゃん」とか言ってハマりにハマり、しまいに会員配信を観たいがために540円を握りしめ登録ボタンを押せばもう最後「カビユーザー」の仲間入りsa

腐海のように湿気ったチャンネルの片隅で、
フンドシ締めた「ジャック・オ・蘭たん」「すぎる」「hacchi」「shu3」の4人が100以上の熱湯(アーカイブ)を用意して君たちを待っている

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※イメージ


おっさんたちが互いの恥部と内実を執拗に突き合い晒し合い、ときに炊き出しの豚汁ほどの女子ウケを奪い合う、言ってしまえば「みっともない」姿が、200時間くらい収録されてる
(2021年11月時点・・・400時間くらい)

ところがなんでやろなぁ
コミュ障たちが拗れ(こじれ)に拗れたコミュニケーション能力のその全てを、
「企画動画」と称したリング上でぶつけ合うその姿は一周回って爽やかなのよね
このカビ切った瞳だったら、たとえhacchiが出川哲郎のような姿だったとしても「ファイトクラブ」のブラッドピットに見える自信がある

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まぁ、ブラッドピットとまで言わずとも、
殻を破っていろんな友達を巻き込んで巨大な渦を生み出していくその様は
「ナポリの男たち」というより「宮川大輔 in トマティーナ祭り」を思い出させてくれるかもだ

妙な感動が、そこにはある

青カビからペニシリンが取れたみたいな感動
ほとんど「JIN-仁-」
つまり、観るペニシリンです

そんな彼ら
この度、池袋で展示会「ナポリテン」を開くっていうからさぁ大変

「えヘェえぇ?! マルイのワンフロア貸し切るって強気すぎやしないかい? ナポリくぅん⤴︎」
なんて思いながら、俺もいくズラ!みたいな軽いノリで抽選やら何やらに申し込もうとするも、

回線が重すぎるうえにまさかの落選

人気がここまでとは思わなかったよね・・・
江戸東京博物館くらいゆとりあると思ってました
まぁ、なんだかんだで当日券も出回り始めたってことで、淡い期待を胸にしまって池袋に行ってきましたけども

そう、「カビユーザー」の実態を知りもせずに・・・

マルイ到着 あとは「カビを信じろ」

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101番通路でエンカウントするトレーナーのように鎮座するナポリの男たち(岡崎体育)

「ナポリの面々がついに顔出し!?」
いいえ、違います
左がジャック・オ・蘭たんこと岡崎体育
中央左がすぎること岡崎体育
中央右がhacchiこと岡崎体育
右がshu3こと岡埼体育
完成度たけぇなおい
そんな高クオリティなナポリ公認の影武者に感心していたのも束の間嫌な予感が完全に的中した

野郎がいねぇ
ここはタピオカ専門店ですか?
なんなら岡崎体育(ハリボテ×4)とオレだけだった
コメント欄のあいつらネカマじゃなかったのかよ
ボールペンの染みつきUNIQLOTシャツ(ピチピチSサイズ)を着てけば十分だろと思っていたらとんでもなかった

99.9 :  0.01=女:男

「THE 敗訴」

目に見える有罪率みたいな光景がそこにはあった

パイプカットしてから出直したい
生まれてきて申し訳ございません
影武者体育4人衆をオレの前後に据えて、どうか野郎をカサ増しさせて下さい
「ミュージックビデオ」で分身してたんだからそれくらい頼むよ
クリエーションしてくれよぅ

冷や汗とともに、脳内からは無慈悲なBGMが流れてくる

いや本当に、服を買い直すために下りのエスカレーター直行したくらい恥ずかしかったです

だってさぁ…

Tシャツがピチピチ過ぎて両の乳首が浮いてね、

かの有名な枯山水みたいになってたんだもの…
流石にいけません
流石に恥ずかしすぎる
禅の精神もありゃしない。
なにより、ナポリメンに向ける顔がないです。

 スッカリBLUEになってしまって、もう帰ろうか悩みつつウロウロしていたんだけど、
奇跡的にENCOUNTしたダンディな係のおじ様が
「ナポリテンの当日券はこちらです」と
それはそれは優しく教えてくれて、ついに心が定まった

「カビを信じよう」

オレは何を言っているんだ
同じものが好きで、同じ場所に来ているんじゃねぇか
ディズニー好きがディズニーランドに行くのと同じようなもんさ
だったら男か女か気にして緊張するこたぁねぇ
んだ、んだ

さっそく6階のGLOBAL WORKで買って着替えたTシャツ(ゆったりMサイズ)をなびかせ列に飛び込んだ!(HAREなかったんだもん…)
そしたらなんてことなかったね
話していることが徹頭徹尾カビだった

あいつら並んでても「生きがい」「ねじねじ」「ティニス」「ティニス」しか言ってなかったもん
コメント欄を「ソフトトーク」で読み上げてるようなもんだよ、なんてこたぁない

まぁ、こんな感じで黒カビと青カビくらいの違いしかないんだと思ったらね、どんと構えたろうやないかという気持ちにもなった
大丈夫、大丈夫・・・

そんな時、思いもよらぬハプニングが!
無事に列に並ぶことができたことで変に安心してしまったのか、財布に現金がないことに気がついてしまった!
並んじゃったからお金が下ろせない!!
どうしよう!!

ところが周りの540円達は数々の物販を潜ってきている猛者達ですから、札束をタンマリと下ろしてきているわけですよ
540円どころか54000円くらい下ろしてきているように見える
会計を済ます時の表情をご覧なよ!
何と涼しげなことか

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※推しにお金を注ぐヘビーユーザー(イメージ)

くっそ焦ったよ
心なしか後列から「オイオイオイ死ぬわアイツ」という声が聞こえてくる

ああ、終わった
レジにたどり着いた文無し
売り場の方にこう尋ねるほかなかった

Q.クレジットカード使えますか? 

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その答えはYES
それは真か!!?

係の方「入場料の支払いにも使えますよ! エポスカードをお持ちでしたら是非!」とのこと
マルイ、ウィットに富んでるじゃねぇか・・・普通に笑っちゃったよ
喜んでエポスカードを!と、いきたいところでしたが持っておらず
支払いはTポイントも貯まるソフトバンクカードでお願いしました
そんなこんなで、平日18時ごろでしたが当日券が手に入りましたとさ

では、入ろうか
ただ、入場者数と退場者数の数が釣り合っていないのが気になった

「シリアルキラー展」×「変ないきもの展」=ナポリテン

ここからは、実際に観た感想です
まぁカオスよ
熱が出たときに見る悪夢を具現化しました♡みたいな空間
デバックが全くされていないテレビゲームみたいだった
あれは頸動脈から何とは言わん物をキメながら制作されたのでしょうか?

入ってから7〜8区画くらいあったんだけど、キャッチコピーつけるとしたらこんな感じでしょうか…

サイコパスの酒池肉林

セルフ式 ロボトミー手術

駅近5分でルドヴィコ療法☆

深夜のテンションと精神異常の境目スレスレ、むしろOVER RUN

天国と地獄の境界ギリギリ、高純度のLIMBOが目白押し

とにかくメランコリックな展示物が立ち並んで、前頭前皮質がメルトダウンしそうでした 
あれ?これって「シリアルキラー展」ですか・・・?
入場するのに一筆サイン残さなきゃマズいんじゃないですか?これ

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※同時期にやっていました

そんでもって、それを眺めて「尊い・・・」とか言っている私たち
メンバー/スタッフ側からしたら「へんないきもの展」でしょうね

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※同時期にやっていました

深淵を覗く時、深淵もまたあなたを覗いているのだ 
by ニーチェ

最初のブースの時点で既にサイケがエンジンを吹かしまくっておりましたので
「展示エリアへ入っていく人間と出て行く人数が釣り合っていないのはなんでだろう・・・」
なんて疑問が早くも氷解

「みんなここで●ぬんだ…」

BGMさん、仕事です
さぁ、遺書は書いたかい? Oh yes I’m ready.

というわけで、エリア1からエリア2、さらにその先に進んでゆくオレの心境を、大好きな「鋼の錬金術師」になぞらえて表現してみます

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「真理の扉」を進んでいくんだけれども、情報量が多すぎて頭が痛くなってくるそして、持ってかれる、通行料540円を
ジョン・レノンがこの展示物をみたら「結婚してくれ!」って申し出る程度には前衛芸術でした

ジャック・オ・蘭たん=オノ・ヨーコ説

(前知識あろうがなかろうが意味がわかんにゃいってことを、遠回しに言っているだけです)

そこに「これはもしや!」「面白かった!」「クオリアだ!」とか思ってしまったオレと同様の方がいましたら、

いよいよ言語野が逝かれちまったってことなのでみんなで仲良く隔離病棟にGOしましょう

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展示物を眺める540円

あと、女子率高すぎてごった返したエリアに入っていくたびに申し訳ない気分になりました
6階から7階に向かうエスカレーターの時点で圧倒的なオーラ放ってたもん…
中はなおさらよ
出口抜けるまでネフェルピトーのオーラにあてられたノブみたいに自分の腕掴んでたっていう
つまり、ナポリテンは実質「キメラ・アント編」

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ノブの葛藤に思いを馳せよう!

本当に楽しそうに展示物を眺めているので、邪魔しないように一定間隔置こうとすると別の人にぶつかり、もうしわけないきぶんになる
側からみたら物凄く落ち着きのない人になっていた

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しかし、こうして振り返ってみると良い空間でしたね

女子率高すぎ! とは言っても、感想を言い合うこともなく一人で楽しんでるような人も多かったし、そう思えば似た者同士なわけで

コメント欄を身近に感じられて面白かったです
肝心の展示物も思い出深かった
カオスな展示物の一つ一つからDIY精神が溢れ出てきていてな

「これ面白い!」って自分たちのセンサーを頼りに練り、積み上げていったんだなって伝わるし、なによりイカれているはずなのに温かみがあった

 これを走って買い出しに行ったんだろうなぁ

これを思いつくたびに眠れなくなったんだろうなぁ

たまに面白いのか自分でもわからなくなったんだろうなぁ

 帰路のつく途中でさえ、目に付いた雑貨店だとか歩道だとかを横目に捉えるたびに、
頭を熱くながら、池袋を駆け回ったであろう"男たち"を想像させてくれた
そういう意味で展示物はマルイ7Fに収まってはくれず
いっちゃえば池袋そのものがナポリテンだったのかもしれない
そう解釈させていただきました。

そして、そういうところが好き

動画であっても、画面の外で思考を拗らせているヤツらを想像させてくれることこそ最大の魅力だと思う

上手く人と関わらない、言っちゃえばコミュ障たちが自力を信じて偏執的な動画を作るわけなんだけど、
動画を重ねるたびに互いの手を引っ叩き合いながら、目も合わせず小指一本だけそっと組み合い、
それが指5本になり、ついには腕を組んで行くその過程はさながらロードムービーのようだと思う

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 そんな中での「ナポリテン」の開催を聞いて、
アスファルトの小脇から、四葉のクローバーが芽を出しているのを見つけてちょっぴり…嬉しい
というような、くすぐったい嬉しさが会場を訪れることで再び湧いてきたのを覚えている
きっと会場にいた人たちも、そういうドラマに惹かれている部分があるんじゃないかなって

「カビから人を癒すペニシリンが作れる!」

っていう真理を目にすることができてよかった。
楽しかったです👏


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