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歌曲集「詩人の恋」(シューマン)

いらっしゃいませ。

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、シューマン作曲の『歌曲集「詩人の恋」』です。(数字は22-353。名曲解説全集第22巻P352)


歌曲が続きました。


ロベルト・シューマン先生。1810年-1856年(46歳)の、ドイツの作曲家ですね。

ショパン先生と同じ年の生まれです。

シューマン先生は、のちにショパン先生を「諸君、脱帽したまえ、天才だ」と紹介する方です。

面白いですね。


父は文学者を志し、書店を開業、出版社を設立、物語の創作、論文・雑誌の編集も行う地元の名士。母も外科医の家に生まれた豊かな教養の持ち主。

シューマン先生、7歳にはピアノを習い、12歳には作曲をしてたようです。

18歳ころには、母の希望で法律の勉強のためライプツィヒ大学に入学。学生時代には、仲間とともに室内楽を楽しんだり、ヴィーク先生とその娘でのちに妻となるクララ先生に出会い、パガニーニ先生の音楽を聴き、音楽家になる事を決意します。法律にはなじめず、音楽と文学に傾倒した青年でした。

ピアニストを目指しますが、右手の故障により、ピアニストとしては断念し、作曲に力を注ぐことになります。


音楽と文学を近づけ、詩や文学を題材にしたピアノ作品を作るなど、それまでにない、シューマン先生独自の世界を広げていきました。本格的なロマン派のスタートと言っていいのでしょう。そしてその領域は管弦楽を伴う作品へと広がり、クララ先生に対する強い慕情を音楽に込めたのが、本日の曲『歌曲集「詩人の恋」』です。

クララ先生の父で、シューマン先生のピアノの師匠だったヴィーク先生に結婚を猛反対され、訴訟にもなったくらいの強い思いをシューマン先生はお持ちでした。この曲集が」完成した同じ年に、シューマン先生とクララ先生は結婚します。


素敵な話です。


そんな、時期のスゴイ曲です。

曲は16曲で構成されていますが、1~6曲目までは愛の喜びを、7~14曲目までは失恋の痛みを、残りの2曲は過ぎ去った青春のはかない郷愁を描いています。

シューマン先生は、当初は歌曲はあまり好まなかったようですが、書き始めてからは、1年余りに150曲ほども書くほど、一気に書いたようです。ただ、クララ先生なくしてこれらの作りえなかったものと考えられます。スゴイ曲です。


シューマン先生、30歳ころの作品です。

ベートーヴェン先生、シューベルト先生、パガニーニ先生などの多くの先生方に影響を受けながら、シューマン先生独自の音楽観を確立し、クララ先生やブラームス先生にシューマン先生の作品を後世に知らしめてもらった、そんな音楽の泉の中で生きた、大作曲家でした。


シューマン先生の歌曲の特徴は、自身がピアニストだった事が大きく影響しているようで、歌と同じくらい同等のピアノ演奏・表現が示されているようで、ただの伴奏ではない。


大変気持ちの良い曲たちです。


本日の音源は、atsusiuenoさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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