見出し画像

カルミナ・ブラーナ(オルフ)

いらっしゃいませ。

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、オルフ作曲の『カルミナ・ブラーナ』です。(数字は24-272。名曲解説全集第24巻P266)


カール・オルフ先生。1895年-1982年(86歳)のドイツの作曲家ですね。

ヒンデミット先生と同じ年の生まれです。そして、宮城道雄先生は、1つ上の先輩ということになる、そんな時期に生まれました。

驚きなのは、ずいぶん最近までご存命の方だったんですね。


19歳ころにはミュンヘン音楽アカデミーに入学し、21歳ころには兵役のため、卒業。

卒業後は、兵役をこなしつつ、ドイツ国内の劇場を中心に、指揮者として活動。

29歳ころには体操、音楽、舞踊のための学校を共同で設立します。

35歳ころには、ミュンヘン・バッハ協会に指揮者に。

42歳ころには、本日の曲『カルミナ・ブラーナ』を完成させます。

55歳ころにはミュンヘン音楽大学の作曲家教授。

66歳ころには、オルフ教育研究所を設立。


音楽の志向性としては、舞台音楽に。

音楽教育の分野の中では、リトミックに興味をもっていたようです。


教育に対して大変貢献された、偉大な方ですね。


そんなオルフ先生が作ったのが、『カルミナ・ブラーナ』。

舞台形式によるカンタータの三部作『トリオンフィ(勝利)』の第一部におかれた作品。

初演で、大成功を収めました。


それまでR.シュトラウス先生やドビュッシー先生などの様々な作曲家の影響を受けていた初期の作品に不満を感じていたオルフ先生。

それまでのロマン派的手法を破棄し、独自の作曲様式の確立を模索していた先生が、独自の手法で生み出したのが『カルミナ・ブラーナ』。

①主題を展開することなく反復

②形式や和声は簡潔

③一貫したリズムの際立った音楽

④対位法的手法の排除

⑤単旋律的

これらの特徴は、この後のオルフ先生の作品を規定するものとなり、新しい舞台音楽として、現代音楽の一分野を開拓するものとなったそうです。


「今までの作品すべて破棄して欲しい。と言うのは私にとってカルミナ・ブラーナが本当の出発点になるからである」との言も。


テキストとしては、修道院で見つかった古いドイツの詩(13-14世紀の吟遊詩人や流浪僧による放浪の歌集)から、オルフ先生が24曲を選び、全25曲で構成(第25曲は、第1曲と同じ)。

詩の内容の多くは卑俗的な内容で、オルフ自身も作詞をしています。


カンタータ。歌の入っている器楽曲全般を指す。

この曲をどのように聞くか。

1つ言えるのは、オルフ先生の特徴の①~⑤がわかって聞くと、なるほど、確かにそうだなと思います。

24曲の色合いの違いも面白さですね。


本日の音源は、Historical performanceさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?