私の大きな悩みからOp.5-1、ばら色の唇のおとめOp.5-5(フランツ)
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さて、"本日のオススメ"は、フランツ作曲の『私の大きな悩みからOp.5-1』『ばら色の唇のおとめOp.5-5』です。(数字は21-405・名曲解説全集第21巻-P405)
ローベルト・フランツ先生。1815年-1892年(77歳)の、ドイツの作曲家ですね。
2年前に、ワーグナー先生とヴェルディ先生が生まれ、3年後にグノー先生が生まれる、そんな時代です。
情報少ない系の先生、登場です。
基本的には、音楽の勉強をする事に対し両親の反対を受けていましたが、20歳ころには反対を押し切り、シュナイダー先生のもとでオルガンや作曲を学び始めます。
26歳ころには教会のオルガニストに就任、翌年には合唱指揮者、さらにその翌年(28歳ころ)には、最初の歌曲集を出版します。34歳ころには生地であるハレ大学の音楽監督に就任します。
難聴と神経衰弱などにより、公職からは退きますが、亡くなる前には聖地のハレより名誉市民の称号も与えられました。
リスト先生やシューマン先生と親交があり、リスト先生はシューマン先生の雑誌に寄稿し、フランツ先生を絶賛していたそうです。
フランツ先生の歌は、忘れられていた幼いころの何か大事なことを思い出すような郷愁を持っていると評されます。曲は、素人でも弾きやすい伴奏、声域も10度以内と広くなく歌いやすく、民謡的な楽しさで、実際家庭で楽しまれている曲を多く作っています。
長い前奏や後奏は少なく、いきなり歌い始められるものが多いのも特徴。一部5分程度の曲もありますが、ほとんどのものが小曲で2分程度にまとまっており、確かに実際家庭で歌われそうだなと思います。「おかあさんといっしょ」や、「みんなのうた」(最近はかなり近代的な歌が増えていますが…)の歌を聞き、歌っているようなイメージに近そうです。
50点・250曲ほどの楽譜が出版され、作曲数全体としては350曲ほどを作ったようです。作った曲は、ほぼ歌曲。とりわけ、ハインリヒ・ハイネ先生の詩には、90曲ほどの曲を作りました。ハイネ先生は、有名な作家ですね。
シューマン先生を中心に、シューベルト先生、メンデルスゾーン先生などもハイネ先生の詩をもとに作品を残しています。
パリではかなりの交流のあったようで、作曲家では、上記の先生の他にも、ベルリオーズ先生、ショパン先生、ロッシーニ先生、ワーグナー先生などがおり、作家では、バルザック先生、ユーゴー先生、ジョルジュ・サンド先生、大デュマ先生など、錚々たるメンバーとの交流がありました。
そんな先生の作った本日の曲が、『私の大きな悩みからOp.5-1』と『ばら色の唇のおとめOp.5-5』。短く、1ページに2曲掲載されていましたので、本日はこの2曲です。
2曲とも、ハイネ先生の詩。
『私の大きな悩みからOp.5-1』
確かに、いきなり始まりますね。最後がは少し暗めに終わりますが、何か引っかかりがあるんですね。
『ばら色の唇のおとめOp.5-5』
(Yves Saelens - トピックさんのチャンネルより)
こちらもいきなり始まりますね。最後はやはり暗めで終わる。そういう作品集なのでしょうかね??
両曲とも、思う人を想う内容になっています。直接会えない、何かがあるようです。切ない感じが、最後の短調に表れているみたいですね。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
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