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パストラール Op.19(大オルガンのための6曲集第4曲)(フランク)

いらっしゃいませ。

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、フランク作曲の『パストラール Op.19(大オルガンのための6曲集第4曲)』です。(数字は16-40。名曲解説全集第16巻P40)


セザール・フランク先生。1822年-1890年(67歳)のフランスの作曲家ですね。


生まれは現在のベルギー。

幼いころよりピアノの才があり、11歳ころには国内でコンサートを行い、12歳ころには地元の音楽院を卒業するなど、リスト先生のような大ピアニストにすべく、英才教育を施されてきました。

13歳ころにはパリに移住し、個人指導などを受けながら、15歳ころにはパリ音楽院へ入学すると、作曲・ピアノ・オルガンなどを学びました。

20代は、ピアノ教師や教会でオルガン奏者、作曲をしたり、オルガンを紹介して国内を回ったりしていました。


3年がかりで苦心して31歳ころに完成した『喜歌劇「作男」』が演奏拒絶の憂き目にあい、自信喪失でしばらくの間1音もかけない時期がありました。その復活になったのが、本日の曲『パストラール』を含む『大オルガンのための6曲集』です。

この曲集は、38歳ころ~41歳ころにかけて作られたもので、フランク先生の創作期第2期にあたるそうです。


このスタートに当たる38歳で、フランク先生が長年望んでいたサン・クロティド教会のオルガニストに就任。しかもこの教会のオルガンは、当時完成したばかりの最新式の大オルガン。やる気が出ないわけがありません。これを機に上向きになり、作曲を再開することができたようです。


49歳ころには、サン=サーンス先生やフォーレ先生とともに、「フランス国民音楽協会」を設立。

50歳ころには、パリ音楽院でオルガン科の教授に招かれます。

そして最後の創作期が訪れます。『交響曲ニ短調』や『ヴァイオリン・ソナタ』などのフランク先生の決定的な傑作たちは、60歳を過ぎてからの作品です。


本日の曲は、『パストラール』。

『大オルガンのための6曲集』の第4曲に当たります。

フランク先生のオルガン曲は、フランク先生の指定した鍵盤配置や、音栓組み合わせが重要になるようです。ただ、実際演奏される場合は、演奏者の趣味や、実際の楽器によって変わるようです。


聞いてすぐわかる3つの部分に分かれています。

1部はとてもゆったりできる雰囲気で、なるほど田園的な感じがします。

2部は一転。ベートーヴェン先生の田園交響曲もですが、田園には何か陰が潜むんですね。

3部はまた落ち着きを取り戻して終わります。


全体でも10分に満たない作品。

ぜひゆったりとお聞きください。



本日の音源は、Balint Karosiさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。

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