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キャプリチオ(早坂文雄)

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、早坂文雄作曲の『キャプリチオ』です。(数字は13-428・名曲解説全集第13巻P428)


早坂文雄先生。1914年-1955年(41歳) の、日本は仙台出身の作曲家ですね。

伊福部昭先生、小山清茂先生と同じ年に生まれ、前年にはブリテン先生が生まれていた、そんな時期の方です。


早坂先生、やはり黒澤映画の音楽の作曲家として有名でしょう。

映画音楽を相当数手がけており、とりわけ黒澤明監督からは絶大な信頼を得て、黒澤映画8本の音楽を担当。特に『七人の侍』は、ご存じの通り、世界で評価を得た作品となりました。


そんな早坂先生。

音楽系の家系ではなかったようですが、父が日本画をたしなみ、早坂先生ご自身も画家を志したこともありますが、15歳ころには作曲を志すようになりました。この間、気になりますね。

両親が早くに亡くなり、音楽への進学は諦めましたが、20歳ころには伊福部昭先生らが設立した「新音楽連盟」のメンバーになります。

ピアニストやオルガニストとしての活動を行うかたわら、作品の応募も行い、21歳ころには『二つの讃歌への前奏曲』がNHKの「祝典用管弦楽曲」懸賞に第2位で入選。

この辺りから、作曲数が増えていきます。

25歳くらいから映画音楽も手掛け始めます。


そんな先生が35歳ころに作ったのが、本日の曲『キャプリチオ』です。

この曲の作曲年は、「毎日映画コンクール(第3回)」において、『酔いどれ天使』『富士山頂」『虹を抱く処女』の映画音楽で音楽賞を受賞したとした年です。翌年には『野良犬』で同じ賞を受賞しています。そして翌年、音楽を担当した黒澤明監督の『羅生門』が、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。黒澤明監督とは、つい2年ほど前に会ったばかりでした。


早坂先生、天才系ですね。正規の音楽教育を受けていないんですから。


『キャプリチオ』は、室内楽曲です。編成は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ピアノ。なるほど、良い編成の曲ですね。


先生自身の作曲ノートの記述が残っています。

「之はチベットの寺院の壁画をみていて初めのインスピレーションを得たが、別にそれを音画化しようとしたのではない。かいているうちに純音楽としての楽想に発展し、そういうものとしてペンを進めた。(中略)東洋人の血の審美感を堀り下げ、このコースの中で東洋の作曲家としての存在を明らかにし、これをもって世界の音楽に些かでも寄与するところがあれば嬉しいと思う」

3楽章構成ので、23分前後の作品。


らしい。


というのも、今回、音源が見つからず…。

見つかり次第、追記いたします。


☆☆情報ありましたら、ぜひコメントでお教えください!!


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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