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令和4年2月~9月分の介護職員の賃上げ(介護職員処遇改善支援補助金)について

初めての投稿ですが、仕事に関連することでお堅く。慣れない部分もありますので、ご了承ください。

岸田政権の賃上げ政策の一つである、介護職員(医療・障害福祉も順次発表予定)の賃上げについて、概要と、経営者・従業員側の立場でそれぞれ注意点をまとめてみました。

令和3年下旬ぐらいから、TV報道や新聞等で取り上げられてましたが、介護職員の賃上げ9000円の政策内容が定まってきました。大まかなポイントは3つ。

➀既に処遇改善加算を算定している事業所のみ、賃上げのための補助金申請が可能。

②補助金交付額の3分の2以上はベースアップ等の引き上げにあてること。また、直接処遇職員だけでなく、事務員等の他の職員の賃上げにあてたりと、各事業所で柔軟な運用が可能。

③令和4年2~3月は一時金でも可。4月~はベースアップまたは手当等で給与として支給。

詳細は下記をダウンロードされてください。

<経営者として準備しておくべきこと:注意点>

➀既存の処遇改善加算を算定している事業所であれば、各サービスの交付率を用いて、法人としてどれだけ補助金交付が見込まれるのか試算。(令和4年2月~9月分は、既存の処遇改善加算等も含めた総報酬に交付率を掛けるのでご留意ください。令和4年10月~は、既存の処遇改善加算等を控除した報酬に、今回の支援補助金とは別の交付率を掛けます。)

②上記の補助金額の見込みが算出されたら、その金額をもとに職員に対してどのように分配するのかを検討。対象職員はどこまで?2月と3月は一時金?ベースアップ?手当?金額は?(社会保険料や労働保険料等にも影響あり)法人持ち出しはする?等々。

③上記②の方向性が決まったら、従業員への説明の仕方と就業規則(給与規則)へどのように反映させていくかを検討。

現時点での、経営者の準備・検討事項としてはザクっとこんなところでしょうか。(まだ申請様式等が定まっていませんので、今後どのようになるかはわかりませんが。)令和4年10月~は、今回の補助金とは別のかたちで、処遇改善の新たな加算として介護給付費に組み込まれますので、そこまで見越して上記の準備をするのが得策かな、と思います。令和4年10月~の分は下記からダウンロードされてください。

次に、従業員側の注意点をあげておきます。

<従業員側の注意点>

➀自身が勤めている法人がそもそも既存の処遇改善加算を取得しているのか?また、従事している業務(サービス)が処遇改善の対象かによって、今回の賃上げの対象になるかどうかが決まってくる。

②ニュースや新聞の報道等の見出しでは、賃上げ9000円が先行している印象があるが、上記➀も踏まえて、そもそも賃上げの対象にならない可能性もあるし、賃上げされたとしても、みんなが一律に9000円上がるわけではない。

③賃上げに伴い、標準報酬月額に変動があれば社会保険料の控除額も増えるし、雇用保険料や所得税・住民税にも影響があるため、手取りが賃上げ分丸々残るわけではない。

従業員側の注意点でいえば、以上といったところでしょうか。

まとめとして、今回の政策は、見出しは「介護職員賃上げ9000円」とわかりやすくインパクトがありますが、制度としてはやや複雑で、現場の対応も煩雑になるかと思いますので、細心の注意を払って取り組むべきかなと思いました。

経営者側はしっかり試算をし、方向性を定め従業員に対してしっかり説明を尽くす。(令和4年10月~は自己負担分が増えるので利用者に対しても。)従業員側は「2月から確実に給料が9000円上がる」という認識ではなく、自身の勤めている法人の状況をしっかり把握したうえで受け止めることが肝要かな、と思います。



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