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謎ときどきレッサーパンダ

「地下謎への招待状」という謎解きゲームのキットを買いたくて、

はるばる(電車で15分)みなとみらいまで行ったんです。

開店30分前にお店に着いたら既に五人くらい並んでいて。

「五人か!よし、買える!」とたかを括っていたら、

二人目で売り切れやがった。ギギギ。在庫が燃えかすみたいな量じゃないか。先に言わんかい。

しかし文句を言ってもしょうがない。この無駄足を無駄にしたくないので付近をうろつくことにした。

みなとみらいで楽しめることはあるかな...なるべく安価で...

と道を練り歩いていたら

わあ、のげやまどうぶつえん。

そういえばズーラシアにはよく行ったが野毛山動物園には行った記憶がない。

これも何かの縁だろうということでその日は野毛山動物園を楽しむことにした。まってろよ動物さんたち。

野毛山動物園は入場料無料。すんなり入れる。平日だし誰もいないんじゃないかなぁと思ったら結構な人がいた。栄えているな、野毛山。

入ってすぐのところで人だかりが出来ていた。オレンジ色の毛玉を大勢が見ている。なんだあれは。

レッサーパンダだった。笹をモリモリ食べている。入って早々可愛い。レッサーパンダはどうしてこうも可愛い見た目なのだろうか。

尻尾がシマシマモッフだとか、耳と顔周りだけ白い模様になっているとか出来過ぎである。神様はグッズ化を見据えてデザインしたに違いない。

異様に近くから見れる。左下にあるのは前の人の帽子だ。

しばらくすると飼育員さんがやってきた。今日はご飯タイムがある日らしい。良い日に来たぞ。

レッサは与えられたリンゴを前脚で鷲掴みにし、モッシャモシャ食っている。手先が器用だねえ、いや脚だから脚先か、などと感心していると飼育員さんの解説が始まった。

握レッサ

『レッサーパンダには手首に突起(種子骨)があり、それを支えにしてモノを掴むことができるんです。』

手首に突起、それはまた凄いな。進化の過程で掌底とか覚え始めたら怖いな。森林の生態ピラミッドが逆転するかもしれない。

『お腹が真っ黒なのは木に登った時、木の影に紛れて下から天敵に見つからないようになっています。』

サバみたいだな。

『モコモコの尻尾は、冬に体に巻くことで温まることができます。マフラーのような役割ですね』

まふらあ?

それはさすがに可愛すぎないか?

ビックリしてしまった。
モコモコの尻尾の使用方法として満点すぎる。もはやレッサーパンダも可愛いことを自覚して首に尻尾を巻いているのかもしれない。なんてあざとい奴なのだろう。

雪に覆われた山の中、モコモコの尻尾で体を包んだレッサーパンダがスヤスヤ寝ている光景を想像してみた。うーむ良い。シチューのCMとかでその光景を流してくれないだろうか。クレアおばさんもビックリの売上を叩き出すに違いない。

じゃあ尻尾のシマシマも何か理由があるんですか!?

『尻尾がシマシマな理由はよくわかっていません。』

分かってなかった。一番気になる要素なのだが分からないならしょうがない。
せっかくなので用途を想像してみた。

派手な柄と先端の黒色から、「捕食者に狙われた時、頭と誤認させて齧らせる」あたりでどうだろう。我ながらいい線いってるんじゃないだろうか。


おレッサを十分満喫したので付近の掲示物を見ていると

なんだかしれっと業の深そうな記録が。
きんた(♀)の字面がもう面白い。『ぷくぷく天然かいらんばん』の「ぽんた(♀)」を思い出す。お腹がぽんぽこりんだから「ぽんた」になってしまった。

右の柴犬。マーガレットと呼ばないと殴られる。


ところでおれはレッサーパンダに詳しくねえけどヨォ...
オスだとかメスだとか、そういうのはタマタマとか見れば分かるんじゃねぇのかァ...?

と飼育員さんに喧嘩を売りそうになったが、後で調べてみると生まれたばかりの雌雄の判別は難しいらしい。肛門からヘソまでの長さとかで判別されるとか。素人風情がナマ言ってすんませんでした。

なんだか長くなってしまったので後はダイジェストでお送りする。

たぬき!寝ている!
クマ!寝ている!!
クジャク!メンチを切っている!
コアリクイ!レオタードを着ている!
シロクマ!がかつていた檻を見学できる!


動物園を大エンジョイしていたことが伝わっただろうか。謎解きキットを買えなかった屈辱もどこへやら。いやあ大満足でした。キリンもいたし。

そしてこれを書き忘れてはならない。
入り口すぐの売店で売ってるソフトクリームのことだ。
これまで食べたソフトクリームの中でもかなり上位の旨さを誇る。濃厚なアイス部分から竹炭が練り込まれた真っ黒なコーンまで全部美味い。寒空の下で食っても美味かったから間違いない。

野毛山行ったらとりあえずソフトクリームを食うのだ。以上。

〜おまけ〜

後日、僕は再び謎解きキットを売っているお店の前に並んでいた。2時間前に来てみたら誰もおらず、一番乗りであった。

もはや謎解きをしたいから、というより行列と戦って勝利を勝ち取りたい、という思いの方が強かった気がする。

人はなぜ行列に並ぶのか。謎解きがなぜ人を惹きつけるのか。さっきから30分毎に話しかけてくるこのお爺さんはいったい誰なのか。

いろいろなことを考えていたら2時間なんぞあっという間に過ぎ、無事謎解きキットを手に入れたのである。やったよ謎のお爺さん。

無事勝ち取ったあとのサンマルクカフェのコーヒーは、それはそれは美味しかったという。

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