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名古屋出張 ゲリラ的焼き芋屋

名古屋に来て、仕事の合間に名古屋城のあたりを歩いた。三ノ丸地区、擬洋風建築で有名な県庁や市役所など、大街区に巨大な公共的事務所建築群が鎮座して、立派な街路樹や道路(さっぱりしたランナバウトまである)があるものの、ヒューマンスケールとはなんのその、霞が関ばりに退屈な街だ。
名古屋城のある公園も、我が大阪城公園に比べると、どうも愛想がなく、親しみも感じられない(ぜんぶ見たわけじゃないので一面的だと思うが)。金の鯱も意外と見えなくて、お堀に観覧船もなければ釣り人もいない。マラソンランナーもいなければ、将棋を指すおじいたちもいない。逆に言えば、もっと良くなる可能性を端々に感じた。特に周囲に回る堀川?沿いこそ、もっと魅力的になるはずなのに、閉鎖的で潤いや彩りが乏しい。
そんななか、一軒だけ、堀川沿いの自宅の1階の一角といったところに、ゲリラ的に焼き芋を売っている店を見つけた。昼飯が食べたくてウロチョロしていた僕らは愛想のよさそうなそこの店主らしき男性と目線を合わせないように通り過ぎたけど、橋の上から振り返ると、堀に開いてちょっとした休憩所のようなアウトドアテラス席が設けられていて、シティハック並みに楽しい感じがした。まさにゲリラな匂いがする。この人はこの場所の楽しみ方をよく知っているのだ。
まだまだ捨てたもんじゃない。
がんばれ名古屋。がんばれゲリラ。

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