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〔10〕スルー・ザ・パスト・ダークリー(ビッグ・ヒット Vol.2)


八角形のレコードジャケットで、ベストアルバムだ。
これは、1970年に買ったようだ。
確か、レコードジャケットにそう書いてあった気がするが・・・

実は、ストーンズのアルバムのことを書き始めたとき、何枚か写真に撮ったのだが、そうするうちに、ふと もうレコードは処分しようと思った。
ネットでしか聴かなくなったし、音も長時間聴くのはつらくなってきた。

夫に「レコード処分したいんだけど」と言うと、「いいんじゃないか」という返事。その後に「オレのは捨てるなよ。お前のだけ処分しろ」と言う。何、いやがらせ?
あなたが、友だちから譲り受けたり、中古で買ったレコードが山とあるじゃないの? もう十年かそれ以上、聴いていないし、あなたも聴きたい音楽はもうネットでしか聴かないじゃん。
あの埃だらけのレコードの一角がずっと私のストレスなのよ。
なにせ、私は散らかってるのはいいけど、埃と いらない物を持ってるのが我慢ならないんだから。

燃えないゴミの収集は、午後なのだ。夫は、このごろお昼に帰ってくることが多いが、たまたまその日は午後まで仕事するという。
これは、チャンス!
今を逃したら、捨てるチャンスはなかなか巡ってこない。
夫が仕事に行くやいなや、一気にレコードを片付けた。

レコードは燃えないゴミ、レコードジャケットは紙なので資源ゴミ、レコードが入っていたビニール袋は、生ゴミを捨てるとき使おう。
この3つを分けるだけでも大変な作業。やってもやっても終わらない。腰も痛くなった。私だって年を取って、体力のいる作業は大変なのだ。今やらないでどーするよ。このチャンスを逃したら、いつ捨てられるかわからない。

ストーンズのレコードだけは捨てるのを迷っていたのだが、ストーンズは
よく聴いてたのでもうボロボロで 紙のジャケットは触るとはがれてくる。写真も撮ったし もういいかという気になってきた。
こうなったら、CDも全部処分しちゃえと、ゴミ袋に入れる。

空になった棚をきれいに拭いて、何年か分のストレスが一気に吹き飛んだ。レコード棚はふつう見えないし、夫がここを開けることはまずない。
処分してしまえばもうこっちのもの。レコードジャケットは、三日後の紙ゴミの日まで隠しておいた。



 ここのレコードとCD(ビデオも)を処分。右のキャスター付きの棚と合わせると見えなくなる。この左側にもレコード棚があり、全部処分した。


たぶん、このアルバムは、レット・イット・ブリードの後、集中的にストーンズを聴き始めたころのものだ。
私のなかでは、レット・イット・ブリードの前と後ではストーンズの曲は、はっきりと分かれてる。(ベガーズ・バンケットは、後のほうに入るが)前のは、青春のみずみずしさが感じられ、レット・イット・ブリード以後は、もう、ロックの王者の風格だ。
このアルバムはベストアルバムなので、古いながらいい曲がいっぱいある。
シッティン・オン・ア・フェンスは大好きな曲だし、そのほかも シーズ・ア・レインボーやルビー・チューズデイなど 抒情的な作品がしみじみといい。
ユー・ベター・ムーブ・オンは、他人の曲ながら、いい味を出している。ストーンズは他の人の曲を歌うのも、けっこういい。選曲がいいのと、バンドとボーカルのすばらしさだろう。


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