35・外出用のスエット?!

「これ、どう?」とバナナリパブリックのジャケットを着て見せたタタオに「いいんじゃない」と答えたら
「て、何、オレの服着てんだよ」
だって、タタオの部屋近くって便利なんだもん。
寒いからちょっと借りたのよ。
 

諸事情により、居間の隣をタタオの部屋にしたことがあった。
むろん、布団は敷きっぱなし。これが便利なのだ。ちょっと眠くなったらわざわざ2階に行かずとも簡単に昼寝が出来る。
この間もタタオに「オレの部屋、仮眠所にしないで」と言われて
どうしてバレたんだろと思ったら、私の読みかけの本が枕元に置きっぱなしだった。(これ以来、私とキキコの間ではタタオの部屋は仮眠所と呼ばれてる)

キキコも お兄ちゃんの留守にタタオの部屋で寝転がってマンガ読んでたら、お兄ちゃんがいきなり帰ってきて
「オレの部屋で 何まったりくつろいでんだよ」と言われたらしい。
 
とにかく、二階に行くのがめんどうな私とキキコにとっては何かと便利で、寒い時は、タタオの部屋に行ってたくさんあるスエットを着る。
タタオは、グレーのスエットの上下をたくさん持ってる。古くなっても捨てないで新しいのを買うのでいっぱいあるのだ。古いのは袖口などボロボロである。
キキコは、タタオのスエットを着てそのまま自分のパジャマにしてしまう。
夫も「パジャマが寒い」というので「じゃあ、タタオのスエットを着れば」と勝手に貸してあげた。
こうして一家全員、タタオのグレーのスエットを着ていた
 
タタオが新しいスエットを買ってきたとき、私たちに言った。
「これは、外出用のスエットなんだから、みんな勝手に着ないで」

「スエットという時点で、すでに外出着じゃないじゃん」
と、キキコに突っ込まれていたが、
ボロのは家用、コンビニとか友達んちというときは新品のスエットらしい。
 
 

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