牛さんの9000人記念配信の感想と放牧阻止戦術の考察について

 みなさん初めましてタキシードネコと申すものです。ネット麻雀上では「基本に忠実な猫」という名前で配信にもぐったりしています。今回は牛さんの記念配信について記事を書いてみました。

牛さんの9000人企画について


 1/22(日)に牛さんこと齋藤豪プロのリスナー参加型の配信が行われました。配信内容は牛さんが9回トップをとるまで終わらないという耐久配信でした。

自分の感想


 配信内容の率直な感想としてはとても過酷なものに感じました。トップ率25%で9勝する期待回数は36戦で、1東風に18分かかると仮定した場合、36(回)×18(分)=648(分) つまり、約11時間かかる計算です。実際は抽選待ちの時間やスパチャ読みなどを含めると12時間以上かかることが予想されます。さらに、配信に参加するリスナーは当然普通に打つ人もいますが、放牧*1阻止に精を出す出荷*2業者が大勢参加しているでしょう。その方々は牛さん以外にアシスト、さしこみ、見逃して牛さんからの直撃狙いなどあらゆる技術を使って、牛さんの放牧を阻止すると思われます。そのためトップ率25%も困難であると想像していました。個人的には翌2時くらいまでかかることを期待していました。

 実際は26戦、およそ9時間半で終了、トップ率34.6%の驚異的な結果でした。初回の大三元トップはどうみてもずるくノーカウントを申し立てたいと思っているのはさておき(笑)、この難しい条件でのこの結果はひとえに牛さんの雀力の高さがとんでもないことを示す結果ともいえるでしょう。

 また、同時に参加しているリスナーの数も以前よりも増えているように感じてきました。本日は84人が牛さんと同卓されました。それだけ同卓を楽しみに天鳳に向かっていた人が多かったことなのでしょう。(抽選に当たらず、同卓できなかった人は悔しい思いをしたでしょうが、僕も同卓できませんでした!また次回頑張りましょう)

筆者の配信に対する考えとこの記事の目的


参加型配信の打ち方は個人で自由であります。

・放牧阻止など難しいことは考えず、純粋に牛さんと同卓していることを楽しむ人
・自分がシンプルにトップを目指すことで、放牧阻止を考える人
・自分の順位を全く気にせず、放牧阻止のために誰かを押し上げたりする人
・放牧阻止だけならず、出荷狙いまで行う人

 どの選択も素晴らしい選択であり、いろんな選択があることが麻雀をより楽しくさせ、配信も盛り上げると思います。ちなみに筆者は放牧阻止だけに全力を注いだと思います。同卓を楽しみにしている人は多く、牛さんに1勝させるごとに同卓できる人数が減ってしまいます。そのため結果に関係あろうとなかろうと牛さんの放牧の可能性を1%でも上げる選択をしてしまうと自分に憤りを感じます。筆者のこの配信でのプライドはやるなら徹底的に!放牧阻止につながると判断すれば、たとえオーラスのラス目でも嬉々として配牌降りを選択します。

 今回の企画はリスナー側の選択も普段経験しないような条件戦で通常の麻雀よりも難しかったと思われます。そこで、今回の企画で放牧阻止に全振りにするなら麻雀はどのように打つべきか、普段とどう変えるべきかを自分なりに洗い出してみました。

 牛さんが次も同じ耐久配信をする可能性は高くはありませんが、もしそうなった場合に技術を共有でき、さらに牛さんを苦しめられるとうれしいです。

 筆者はプロではありません。ただの麻雀が好きなトーシローです。なので、間違った考察もいっぱいあると思いますが、興味を持ってくださる方に読んでいただけたら嬉しいです。

放牧阻止戦術


0.      前提


 普段の麻雀の損得とは何でしょうか。自分が加点することが得、失点することが損ですね。至極当たり前の話です。

 ですが、今回はその損得がそのまま当てはまるでしょうか。牛さんがトップ目でないならば、トップ目と牛さんの点差が離れることが得、近づくことが損なはずです。牛さんがトップ目なら他3人の誰でもいいから牛さんに近づく、またはまくることが得、さらに離されることが損です。

 言い換えれば、牛さんが加点することがめちゃくちゃ損で、逆に言えば牛さん以外に対して失点することは全く損ではなく、得になることが多いということ。一方で、自分の加点もあがる場所によってまたは高い親被りなどは放牧率を上げてしまう、損な選択になることもあります。ここは直感と反しますね。

 損得基準が全く違うので普段と選択が同じになるはずはないですね。ここからは手組み/リーチ判断/押し引きの観点でどのように変わりそうか考察していきます。

1.      手組み


-        打点によせろ
トップになることが偉いため安くて速い手よりも、多少時間をかけても価値のある手に仕上げたほうがいいと考えています。可能であればオーラスまでに牛さんのマンツモ条件を消せるくらい稼ぎたく、そのためにはマンガン級のあがりは欲しいですね。ただし、自分の親は普通にやっていいと思います。

-        かわし手の価値は少し低め
かわし手は収入こそ安いですが、他の人の価値ある手をつぶせるため、麻雀で勝つためには必要になってきます。しかし、今回は牛さんの手はつぶしたいですが、他2人の高打点の手をつぶしてしまう可能性もあり、それはもったいないですね。そのため、基本的には自分も打点を見に行ったほうがいいと思います。ただし、牛さんの河に速度感を感じれば、かわしにいくのもありです。

-        牛の親は命をかけて流せ!
かわし手の価値は低いと前述したのですが、牛さんの親番では話は別です。ここで上がられたらかなり厳しくなります。普段の出荷配信では、高い親被りはさせることができればうれしいので高打点を狙う人が多いのですが、今回はその価値よりも時間を与えるリスクのほうが大きいと考えます。そのため牛さんの親では速度に振り切りましょう。

2.      リーチ判断


-        先制リーチは基本普通でいい
ここは通常のリーチ判断と変える必要はないと思います。

-        なるべく良形意識
ルール上牛さんの踏み込みもいつもより強くなるため、追っかけリーチ率は上がります。そのため、めくりあいに勝てるように強い待ちにできるように意識するといいです。

-        待ち取りに迷ったら牛の現物のあるほうで待て
先制リーチでも牛さんの現物のある待ちになれば和了率がかなりあがると思います。なぜなら牛さんから追っかけられても、まわりは共通現物よりも牛さんだけの現物から先に切ってくれるからです。両面待ちにできるのをあえてシャンポン待ちにするとかそこまで極端なことをするのは損ですが、待ちの枚数差が2枚くらいの差なら牛現で待つほうが、和了率が高くなるのではと考えています。

3.      押し引き


vs他家のリーチ
-        手牌価値+牛が押しているかどうか
押し引きは普段の手牌価値に加えて牛さんが押しているかどうかが判断材料になると思います。牛さんが押していたら追っかけリーチが入る可能性が高いので、牛さんの将来の上がりの可能性をつぶす意味でも、リーチに放銃してもいいので押し寄りに打ったほうがいいと思います。一方で牛さんが引いていたらツモってもらったほうが得なので、普段よりもやや引き気味でいいと思います。

vs牛のリーチ
-        ノーテンからは基本押せない
これは普段の麻雀でも変わらないですね。

-        聴牌からは負けてればガンガン勝負、勝っているなら周りを見て
自分が牛さんより下の点数なら牛さんの手をつぶすこと、牛さんに放銃抽選を押し付けることはかなり価値が高いです。仮に勝負して放銃してもツモられるよりはましなので、やや頑張り気味でいいと思います。一方で、牛さんよりも点数を持っているときは、直撃されるのがきつすぎるので、他2人の押し引きを見ましょう。押しているならば任せることも選択肢にいれて、引いてそうなら腹をくくって勝負。

4.      さらなる放牧阻止技術


-        アシスト
放牧阻止には必須の技術です。下家が鳴いたときには鳴かれやすい牌をできるだけおろしてあげましょう。自分のあがりが遠いと思えば手牌を崩してでもやったほうがいいですね。アシストはとても難しい技術でよくありがちな失敗として、アシストが早すぎることが挙げられます。焦って早い巡目からアシストをして、ターツ不足でまだ鳴けなかったというパターンですね。アシストはターツ落としやトイツ落としが入った後が理想です。手出しツモ切りを見るのが難しいという人は、もっとシンプルに6巡目くらいからスタートするのがいいですね。また基本的には愚形を処理してもらいたいので、愚形で鳴かれやすい3,7牌からきると、上りに近づかせやすいです。

 アシストに関しては麻雀技術の中でも優先度は低いため扱っている戦術本や戦術動画は少ないですが、以下動画が分かりやすくて、おすすめです!

牛さんちゃんねる:【麻雀講座/中級】 知っておくべき"下家アシスト"の考え方


-        絞り
牛の上家に座ったら、絞りを常に念頭に入れておきましょう。絞りとは自分と下家だけが一方的にあがりづらくなり、他2人があがりやすくなる損な選択であり、プロ対局ではよく見かけるのですが、真似して間違った使い方をするとかなり弱くなる戦術だと考えています。しかし、冒頭でも記述した通り損得の基準は普段とは違います。自分があがれなくなっても牛さんの和了率を下げるのは得なことです。よって1副露したあとに鳴かれそうな牌を切る基準は普段よりも厳しめに見積もったほうがいいと思います。

-        見逃しの判断
普段の出荷型配信は見逃しが横行しまくるカオスな麻雀となりますが、じつはこれは牛さんにも時間を与え、和了の可能性も生んでしまうかなりリスクのある選択なのです。出荷目的なら見逃しはそのリスクに見合うだけのリターンはあるのですが、今回はリスクのほうが大きいです。そのため見逃しのやりすぎは禁物です。

-        牛に高い手を先行されたら...
東1局で牛さんに跳満をツモられたら。つらいですね。悲しいですね。でも、あきらめてはいけません。そんなピンチのときこそ画面の前のリスナーは本気で応援してくれます。だからここで逆転したらめちゃくちゃ盛り上がる、喜んでくれる人がいっぱいいると自分を奮い立たせましょう。1つの作戦として親を流さない。通常トップ目はリスクの高い選択を取りづらいのですが、親vs牛にして常に大きなリスクを与え続けましょう。

 繰り返しになりますが、上記戦術はトーシローが考察したものなので、間違っている部分も多いと思います。そこはご容赦ください。
筆者は出荷業者としてまだまだ未熟でミスも多く下手くそだと思っています。ですが、麻雀が強くなりたい気持ちは大きいです。もしこの記事を目にとめてくださった上級出荷業者がさらに洗練された放牧阻止戦略、または通常配信における出荷戦略について共有してくださると筆者はうれしいです。

最後に 


 最後に、牛さんは今回の配信のエンディングに「皆さんの一人一人の応援で、今自分が活動できている。」と締めくくりました。何気ない一言かもしれませんが、自分の小さな応援が牛さんの「今」につながっているように感じられ、うれしく感じました。
今回こうして長文記事を書いたのですが、これは筆者のできる牛さんに対する微力な応援です。この微力な応援が牛さんの「先」につながることを願って!
チャンネル登録者9000人達成おめでとうございます!10000人達成した時の企画をまた楽しみにしています。

かなりの長文になりましが、読んでくださった方ありがとうございました!

*1 放牧 … 牛さんがトップをとること
*2 出荷 … 牛さんがラスを取ること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?