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GⅠオークス

 2024年5月19日(日)に行われるGⅠオークスの追い切り指数、各馬の評価と追い切りの評価、予想印と買い目になります。
※Twitterには馬券購入締め切りと同時に予想印・買い目を公表します。
※オッズや当日の馬体重、馬の状態次第で買い目を変更することがあります。変更は締め切り5~10分前までに行うようにします。ほとんどの場合、馬体を見て印・買い目を変更します。参考にしていただける場合は、5~10分前に印・買い目を再度ご確認下さい。


各馬の評価

アドマイヤベル

 前走フローラSでは同じくオークスに出走するラヴァンダを差しきって勝利しました。中団から進めて直線段階ではすでに進路の確保が出来ており、スムーズに抜け出すことが出来ていました。他馬の影響を受けたり加速が遅れることが一切なかったので、2着のラヴァンダとはオッズ・人気共に大きな差がありますが以下のようにそれほど大きな差があるとするのはどうかと考えています。
 2走前フリージア賞では逃げたマーシャルポイントを差し損ねて2着でした。ただし、内がほとんど荒れておらず内前有利かつ前半1000mが61.6秒と若干スローペースなか、小頭数とはいえ外を回り続けてタイム差なしのクビ差まで持ち込んでいます。ラスト3F以降のラップタイムが11.2 - 11.4 - 11.5で直線はかなり速いペースを維持してマーシャルポイントが逃げ切っており、ペース次第の着順だったと考えて良いかと思います。ただし、ここでも小頭数の中外を回って進路の確保という面では全く問題なく走れていた点については、18頭立ての今回においては鵜呑みに出来るないようではないでしょう。同じく今回のレースに出走予定のホーエリートとの比較では、以下で見るように着順こそ差がありますが着差は0.2秒ですし大きな差があると考えるのはどうかと思います。
 上で見たように前走・前々走の結果を鵜呑みにして過剰に人気するのであれば積極的に買えるかどうかは疑問です。とはいえ、近3走が全て東京の2000mで2Fの距離延長ではありますが、ここを狙っての臨戦過程は評価できます。また、上がりは毎回3位以内で東京向きと見ることもできそうなうえ鞍上も継続騎乗で条件的には割り引いて考える要素はありません。是非抑えたい1頭です。

ヴィントシュティレ

 前走3歳未勝利戦では内前有利といえる状況ながら前半1000m58.4秒と速い流れを逃げて0.2秒差と完勝といえる内容でした。距離的にも長い2000mを速い流れで逃げて勝つことが出来たことからオークスの適性はあると見て良さそうですが、未勝利戦ということを踏まえれば今回は同世代が相手とはいえ1線級相手では好走は厳しいように感じます。

エセルフリーダ

 前走ミモザ賞では小頭数ながら後方から直線で他馬を抜き去り0.2秒差と完勝といって良い内容でした。相手関係からすれば正直評価しにくいですが、馬体重を大きく落としており、体長面では明らかに万全といえるレベルになかったことからも上積みがあると評価すべきです。特段人気上位馬以上に評価するような点は見つけられませんでしたが、1歳段階からオークスを目標にしてきたようで、過去4戦全てが2000mと臨戦過程も評価できます。3番枠と内で脚を溜められそうな今回は思わぬ伏兵となる可能性もありそうです。

クイーンズウォーク

 前走桜花賞では飛の大きいこの馬には致命的な2番枠を引いたことで2走前とは異なりある程度先行しましたが、直線半ばで脚が上がり8着となりました。これまで常に上がり33秒台を使えていましたが、34.1秒と明らかにこの馬には合っていないレース内容と考えられます。度外視とまではいきませんが、そこまで大きく評価を下げるほどではないと思います。
 2走前クイーンCでは前半3Fが35.4秒とスローでしたが後方から直線で他馬を抜き去って勝利しています。上がりは最速の33.4秒ですが、ラスト3Fを11.1 - 11.6 - 11.7のペースでしたから着順以上の評価は出来ないでしょう。
 早くからオークス向きと評価されており、陣営もオークスを目標にしていることは明らかですし人気になるであろう1頭です。ただし、距離的にはマイル以上に評価することが出来るかは微妙です。今回は2走前に結果を出した東京ですから本前の末脚を活かした走りが出来そうですし、前走以上の走りは確実でしょう。前走に引き続いて2番枠を引いていますが、後方から進めて直線で末脚を活かす競馬をすると思うので歓迎とはいえませんがそれほど枠順が影響することはないかもしれません。鞍上はこのレースの連覇がかかっています。

コガネノソラ

 前走スイートピーSでは上がり最速34.1秒の末脚でニシノティアモを差しきって勝利しています。1800mではありますが東京で速い上がりを使って差しきっての勝利はオークスに活きる内容だったと評価できます。ただし、ニシノティアモとはタイム差がなく、ニシノティアモはその前走でエセルフリーダに0.2秒差をつけられています。東京と中山で舞台は違いますが、エセルフリーダと同等の評価をすべきかもしれません。
 近3走を連勝しており調子の良さは上位でしょう。前走スイートピーSに出走しなくてもオークスに出走は可能だったのですが、そこを使ってきたという点からオークスへの意気込みを感じます。しかし、4月に2走しており今回が今年3走目です。かなり間隔が詰まっており、疲労の影響を考慮しなければなりません。直前の馬体重とパドックの確認が必須です。

サフィラ

 前走クイーンCでは中団から進めて直線を迎えましたが、直線では全くといって良いほどに伸びず9着。勝ち馬クイーンズウォークからは1.0秒差と大敗でした。直線を迎えてからの進路取りには特に問題がなかったように見えるので、力負けでしょうか。2番人気と期待されていただけに今回は大きく評価を落とすことになりそうです。
 2走前は阪神ジュベナイルフィリーズで、アスコリピチェーノ、ステレンボッシュ、コラソンビートに次ぐ4着でしたのである程度評価することは出来そうですが、着差は0.7秒で3着のコラソンビートからも0.5秒の差がありました。このレースでは3着以下は評価できず、この馬も上位3頭には完敗と見るべきでしょう。
 3走前アルテミスSでは2着と好走していますが、勝ち馬チェルヴィニアには0.3秒と完敗といってよい内容でした。チェルヴィニアには前走が長期休養明けで今走を迎えるという懸念点がありますが、サフィラの現状からすればチェルヴィニア以上に評価することは難しいかもしれません。
 サリオスの全妹という点から素質を評価されてきた馬ですが、近走の結果を見ると直線を迎えてからの走りに不安が募ります。特に近2走の着差は現状の同世代の1線級相手では厳しいということを如実に表したものと考えられますし、今回の好走に期待することも難しそうです。

サンセットビュー

 前走フローラSでは勝ち馬アドマイヤベルから0.8秒差の9着と完敗でした。若干進路取りに手間取ったようには見えましたが、特に不利があったわけでもなかったので力負けと評価して良いでしょう。2走前クイーンCでも勝ち馬クイーンズウォークから0.6秒の6着でこれも力負けといえそうです。その2走の舞台がどちらも東京という点で東京の適性は微妙といわざるを得ません。実力的にも今回は印をつけるレベルにないと考えます。

ショウナンマヌエラ

 前走桜花賞ではこの馬の脚質通り逃げることに成功していますが、勝ち馬から1.8秒差の大敗という結果に終わりました。スローの瞬発力勝負になりやすい阪神マイルはこの馬には向いていなかったかもしれませんが、特に不利を受けること等なく直線半ばで完全に脚が上がっていたので力負けと見て良さそうです。また、仮に理想的な逃げが出来ていたとしても、ラスト3Fが11.4 - 11.2 - 11.5とチューリップ賞以上のレベルではこの馬には太刀打ちできなかったように思います。
 2走前チューリップ賞ではゆっくりとしたスタートで後方からのスタートとなったことがこれまで逃げていたこの馬に致命的でした。直線を迎える辺りでも最後方で全く競馬になっていませんでした。上がり自体は全体の3位と速めですが、同じく後方から進めたスウィープフィートとの差は脚質の適正の差こそあれど大きく見えました。
 以上のように、適正の無さが問題だったとしても桜花賞で上位の馬には実力的に及んでいないと判断できます。特にステレンボッシュ、ライトバック、スウィープフィート辺りにはどう転んでもという印象で、距離適性が実はドンピシャだったという場合以外には太刀打ちできないように思います。印は回せそうにありません。

スウィープフィート

 前走桜花賞では、同じく今回のレースに出走予定のライトバックと同様に最後方から進めており、チューリップ賞と同様に直線で勝負する内容でした。勝ち馬スレテンボッシュとは0.2秒差の4着と惜しいレースでした。ライトバックにはこれで2走先着を許す結果となっており、かかりやすい気性から後方でレースを進めて直線で速い上がりを使うという共通点からこれまでの着順通りの評価を受けると思いますが、未だその優劣を決めるには早計ではないかと思います。特に桜花賞では同じように最後方から進めてはいますが、内外の位置取りの差が着順に出たものと考えられ、直線でスムーズに進路を確保して満足に加速出来たライトバックと、進路がなくいったんは内に切り込んでそこから外に出すというロスがありながらもほとんど差のない走りをしたこの馬ではむしろこの馬の方が評価できるのではないかとさえ思います。
 2走前チューリップ賞では、スローの瞬発力勝負になりやすい阪神マイルという点もあって終始後方から進める競馬でまさに直線一気を決めて勝利。桜花賞とチューリップ賞が同じ阪神マイルという点からもその舞台に高い適性があると評価できます。ちなみに桜花賞とチューリップ賞は前半3Fの時計とラップタイムが全く同じだったので、全体の時計こそ違えど桜花賞はこの馬にとって一度経験したような流れで走ることが出来たのではないかと思います。
 3走前エルフィンSでは先行しつつ最内を進んで直線を迎えたことからか他馬が外を好んで選ぶ中この馬だけは内を選んで2着でした。1着はライトバックで着差は0.1秒のクビ差でした。内の馬場がかなり荒れており、普通はライトバックのように直線では外を選ぶべきだと思うのですが、鞍上が武豊に変更前で永島騎手でした。ちなみに武豊騎手は同じレースで直線はしっかり外を選んでいました。能力で勝ち取った2着と評価できます。
 やはり現状はライトバックの方が評価されている人気ですが、そこまで差のない人気に落ち着いています。枠順も外目の隣同士で位置取りも前回同様に2頭とも後方から並んで進めるという展開になるでしょうか。他の懸念点としては今走が今年4走目という点でしょう。疲労がどこまで残っているかは不明ですが、他馬と比較すれば疲労があるのではないかと考えて評価すべきでしょう。

ステレンボッシュ

 前走桜花賞では位置的な不利がありながらアスコリピチェーノの後ろについて、アスコリピチェーノがじっと出来ず外に持ち出したところその位置を取って位置の不利をはねのけて勝利しました。完全に鞍上の差と捉えていますが、やはりアスコリピチェーノとこの馬が抜けた実力を持っていたことは間違いないと思います。ラスト3Fは11.4 - 11.2 - 11.5のラップで1:32.2の時計は評価せざるを得ない内容です。前評判でもマイルに特化したアスコリピチェーノと距離延長が可能なこの馬という対比のなか、アスコリピチェーノに勝利したことはオークスでのこの馬の人気に拍車をかける要因の一つとなるでしょう。2走前阪神ジュベナイルフィリーズではアスコリピチェーノにクビ差の2着ですが、1:32.6のレコードは言わずもがな評価できます。
 過去5走全連対と非常に安定した実力で、ライバルのアスコリピチェーノがNHKマイルCで2着となったことからもこの馬の能力は担保されていると見て間違いありません。枠順も7番枠と絶好と評価できますし、間違いなく今回のレースの中心です。陣営の意気込みも相当で勝ちを確信しているような印象さえ受けました。ただし、鞍上がテン乗りの戸崎騎手であることとオッズが1倍台になる可能性がある点は消極的に捉えたいです。

タガノエルピーダ

 前走忘れな草賞は正直レベルの低い馬が集まったレースだと思いますが、前3頭が逃げて他が離れてそれを追うという展開になりました。逃げた3頭が前半1000m段階までひとかたまりで58.1秒という速い流れになりましたが、後ろの他馬はおそらく60秒弱程度の普通ペースだと思います。4番手を追走していたこの馬には展開が向いたことになりますが、直線を迎える段階ではすでに抜け出し、直線ではムチは1発でしっかり反応して2着に0.4秒差の1:59:4と時計的にも内容的にも評価できます。マイルの忙しい展開より距離がある方が良さそうに見えますし、オークスの適性を示したと考えて良さそうです。
 2走前チューリップ賞ではいつも通り早めに先行して位置を取りに行く競馬で勝ち馬スウィープフィートと0.5秒差の4着と1番人気ながら馬券外となりました。直線に向いた段階ではこれはと思わせる進路取りでしたが、そこから伸びることが出来ずに上がりの速い1・3着馬に差されてしまいました。それでも思ったより粘ったかなという印象で、どうしてもスローの瞬発力勝負になりやすい阪神マイルでは上がりの速くないこの馬は善戦したと評価したいです。
 枠番が17番とほとんど大外で先行したいこの馬にはスタートで若干脚を使うことになりそうで割り引いても良さそうですが、他馬との兼ね合いからは特に問題なく欲しい位置は取れるのではないかと思います。ただし、道中は外目を回ることになりそうな点は割り引く必要があるかもしれません。

チェルヴィニア

 前走桜花賞は大外枠を引いたことで終始外を回る競馬となり直線で大失速して13着。それまで常に上がり33秒台を使ってきた馬とは思えないほどの内容でした。しかし、これまでスローな流れしか経験していなかったうえに初の右回り、そして約5か月という長期休養明けで明らかに馬体が緩く、正直ある程度人気していたのが信じられないほどの状態でした。したがって今回への叩きと考えるべきであって度外視すべきでしょう。 
 2走前アルテミスSでは前半3F35.9秒と非常にスローな流れでしたが、ラスト3F11.4 - 11.2 - 11.0と非常に評価できるラップで2着サフィラに0.3秒をつけて勝利。明らかに非凡な才能を見せつける1戦でした。ここから評価すれば、ステレンボッシュに劣らない能力を秘めていると考えて良いでしょう。
 前走を叩いて今回は間違いなく状態の良化が見込めますし、鞍上がルメールに戻ることもプラスでしょう。結果を出している左回りの東京に舞台を移すことは明らかにこの馬に味方する要素です。距離的にはおそらくベストは現状マイルと考えるべきかもしれませんが、同世代相手であれば2400mにも対応は可能だと思います。ただし、未だベストな状態に戻っているかは微妙なうえ、ステレンボッシュに迫る2番人気は非常に手を出しにくい要素です。

パレハ

 前走忘れな草賞では他2頭とひとかたまりになりながら逃げて、前半1000mを58.1秒と非常に速い流れにしたことで直線では脚が上がってしまい6着と自滅とさえ評価できる内容になってしまいました。逃げた馬の中では最先着ですが、タガノエルピーダとの差を考えると今回手を出すのは非常に難しい1頭でしょう。能力的に第1線級と戦えるかどうか疑問です。

ホーエリート

 前走フラワーCでは最終コーナーで外を回ったことが影響してミアネーロを差しきることが出来ずに2着でした。自ら勝ちにいった競馬ですが、速い上がりを使うことの出来ないこの馬には少々辛い競馬だったかもしれません。それでもミアネーロとは0.1秒差で位置取りの差と捉えても良さそうです。
 2走前フリージア賞では中団前辺りにつけて進めていましたが、直線では進路を確保できておらず加速が大きく遅れることになりました。ゴール前では進路が狭くなって減速しています。同じく今回のレースに出走予定のアドマイヤベルとは0.2秒差となりましたが、ホーエリートがスムーズに進路を確保できていたのであればもっとも差が縮まっていたでしょうし、着内は間違いなかったと考えています。これを踏まえれば、直線の進路取りに全く問題なかったアドマイヤベルとの差はあまり大きくないのではないかと思います。
 以上のように、現状6~9番人気のミアネーロとアドマイヤベルとの差はほとんどもしくはそれほどないと考えられそうですので、そこから人気・オッズが大きく離れるようであれば積極的に狙って良さそうです。

ミアネーロ

 前走フラワーCでは直線まで中団最内で脚を溜めて、直線では上がり3位の35.4秒の末脚で内をすくって差しきりました。ペースが12.5 - 11.5 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.0とほぼ一定ペースで時計は1:48.0と微妙に映りますが、中山のフラワーCでは史上2位の時計で評価すべき内容だったといえるでしょう。
 2走前菜の花賞では、最終コーナーで外を狙って動いていますが再度内に進路を切り替えています。その後、進路がなくなっておりしかも他馬と接触しており減速する場面もありました。踏んだり蹴ったりという内容ですが、それでも上がり1位で勝ち馬と0.2秒差の5着ですから全く評価を下げる必要はありません。むしろ評価すべきレースです。
 レースセンスの高さが窺える2走の内容で、今回は最内枠を引いたことでおそらく直線まで内で脚を溜めて直線勝負となるレースになるでしょう。進路取りという点でかなり鞍上の手腕が問われる可能性が高いですが、鞍上は前走から継続騎乗の津村騎手で先週のヴィクトリアマイルではテンハッピーローズを完璧な位置取りで優勝させています。距離こそ違いますが、同じ東京でGⅠを獲った勢いのある騎手が鞍上を務めることはプラスの要因として捉えたいです。

ライトバック

 前走桜花賞ではスウィープフィートと並んで最後方から進めて直線一気で3着でした。ステレンボッシュ、アスコリピチェーノに次ぐ3着でほとんどタイム差もないことから能力的には担保されていると評価できます。ただしmスウィープフィートの欄で記載したように2頭はさほど能力差がなく、かかりやすい気性を考えれば、この馬の方が距離延長という点からは割り引いて考える必要がありそうです。
 2走前エルフィンSではスウィープフィートの後ろの位置から直線では馬場の悪い内を避けてスウィープフィートを差しきりました。ただし、馬場の悪い内を選んだスウィープフィートとの着差が0.1秒でしたからやはりこれで優劣をつけるのはどうかと思います。
 速い上がりを使うことが出来るのは長い直線のオークスでは非常に魅力ですが、2400mという距離は非常にかかりやすいこの馬には大きな障壁となりそうです。

ラヴァンダ

 前走フローラSでは先行して終始最内を進めてロスのない競馬が出来ていましたが、ゴール前で同じく今回のレースに出走予定のアドマイヤベルに差されて0.1秒差の2着でした。ただし、進路を内にとって加速を始めてから外の馬が斜行したことで間接的にこの馬も隣の馬と接触してよろけてしまう場面があり、スムーズであれば勝ちこそ難しそうでしたがタイム差なしという程度には持ち込めていたのではないでしょうか。前半1000mが59.7秒でしたから普通か若干速いペースでこの内容なので、オッズ・人気共に大きな差をつけられてはいますがアドマイヤベルとの差はそれほど大きくはないでしょう。
 2走前チューリップ賞では外目の枠が影響したのかこの馬にとって致命的な後方から進める競馬となり、直線を迎える段階ではこれまた致命的な外を通るという内容でした。直線でも進路を全く確保できず、やっとまともに加速し始めた段階ではすでにゴール前と全く見せ場なく終わりました。同じく今回のレースに出走予定の勝ち馬スウィープフィートは、まさに直線一気で非常に魅力的な競馬をしてラヴァンダとの差は0.7秒と正直完敗ですが、この結果は度外視して良いのではないでしょうか。タガノエルピーダが早めに先行して進めたことで不利等なかったことからすれば、ラヴァンダとの差は0.2秒ですが差はほとんどないと評価することが出来ると思います。

ランスオブクイーン

 前走3歳未勝利戦では青葉賞勝ち馬のシュガークンに0.2秒差2着のサラトガチップスに0.4秒差をつけて完勝でした。前半1000mが61.4秒とスローでしたがラスト3F12.0 - 11.2 - 11.2のペースで上がり最速でしたので評価できる内容です。
 2走前3歳未勝利戦では平均ペースで内から抜け出しはしたものの、チェレスタに外から差されて2着となりました。ただし、タイム差なしで3着とは0.4秒差と2頭が抜けた結果となっています。チェレスタはその後休養放牧となっており、これを物差しにして力量を測ることは出来ませんが、2:00.0という時計は3勝クラスに値するもので評価すべきかと思います。
 速い上がりを使うことの出来る点や近2走の内容からすれば押さえておきたい1頭ですが、大外枠と非常に詰まった間隔で今年5走目という点は大きな割引が必要かもしれません。また、近2走は鞍上がモレイラということもあり、今回はそのような走りまでは難しいでしょうか。

各馬の追い切り評価

アドマイヤベル

 前走と同じパターンで2週ともCWコースですが、1週前に強い負荷をかけて最終は軽く流す内容でした。ただし、その1週前追い切りは前走からの間隔の短さからか前走ほどの時計は出せていませんでした。6Fの時計自体はほとんど変わりませんが、肝心なのは4F以降の加速具合です。前走時が51.1-36.6-23.6-11.4という時計でしたが、今回は52.0-37.5-24.3-11.7と加速具合だけでなく終いの伸びも劣っています。追い切りの映像が出ておらず走る様子はわかりませんが、馬なりで併走馬に先着できているとのことですので状態が悪いわけではなさそうです。そもそも、前走の1週前追い切りが過去1番の負荷をかけた内容だったとの陣営のコメントがありますので、間隔の短さからすれば特に問題ないと評価して良いと思います。
 最終追い切りは時計面から状態を確認することは出来ませんが、映像からはかなり状態が良さそうに見えました。かなり流して馬自信のペースで走ってはいますが、弾むような足取りで体の動きと首の上げ下げがしっかり連動した非常に素軽い走りでした。時計面から評価することが出来ないのは気がかりですが、状態は良いと評価できます。

ヴィントシュティレ

 前走とはパターンが異なり1週前追い切りはCWコースで行われました。前走時には日曜追いでCWコースでの追い切りがありましたが、前走とは明らかに異なった負荷の強い内容でした。6Fの時計だけでなく終いの伸びも一変しており、短いレース間隔でこの負荷をかけているのはそれだけ状態が良いということでしょう。最終追い切りで、前走時以上の内容で陣営は予定より早くなったとコメントしていますが、完全に馬なりでブレることなく真っ直ぐに走ることが出来ており状態は良化していると評価できます。

エセルフリーダ

 間違いなく前走以上の出来にあります。1週前追い切りも最終追い切りも前走時以上の時計で、どちらも一杯に追われる負荷の強い内容でした。1週前は左右に馬をおいた3頭併せで並んでから追い出され、しっかり反応して併走馬を置き去りにしています。最終追い切りは馬場の真ん中を走っているので時計通りの評価は出来ませんが、併走馬と並んで直線半ばまで我慢して追い出されて終い11.2秒と鋭い末脚を披露しています。実戦を意識したような追い切りで評価できますし、キレる終いはない馬ですがここでは終いにも期待出来そうな内容でした。

クイーンズウォーク

 1週前追い切りは時計こそこれまで以上に速いですが、終いに寄った内容な上にラスト1Fに0.2秒減速しています。馬なりで併走馬に先着することは出来ていますが、陣営も放牧明けで緩さが見られるとコメントしているように評価できる内容ではありません。過去走の追い切りでCWコースでラスト1Fに減速することはほとんどありませんでしたが、ここ一番というところで減速を見せてしまうのは評価しにくいです。最終追い切りに期待でしたが、非常に緩い内容で完全に調整レベルの流した追い切りでした。1週前がCWで最終追い切りが坂路というパターンはクイーンC時と同様ですが、クイーンC時はここまで流した内容の最終追い切りではありませんでした。ここまでの内容となると流石に状態面での良化を見込むことは出来そうにありませんし、状態の悪化まで疑ってしまいます。陣営は調整程度で終わらせる意図だったとコメントしており、その通りの内容だとは思いますが状態が上がったようにはとても思えませんでした。

コガネノソラ

 前走のパターンと異なり、2週ともWコースでの追い切りとなりました。前走からの間隔が非常に短いので1週前追い切りは時計が出せていませんが、最終追い切りは前走なりの内容でしっかり負荷をかけて追い切られています。ただし、前走時には終いが11.1秒であったのに対し、今回は11.4秒と伸びはいまいちでした。前走時も馬なりですから、やはり間隔の短さが追い切りの内容に影響を与えているのではないかと感じました。

サフィラ

 1週前追い切りは完全に終いだけの追い切りですが、ラスト1F11.1秒で併走馬に先着しています。前走時の日曜追いも同じような内容でしたが、終いの伸びはそれ以上でした。最終追い切りは坂路で前走以上の時計ですが、それまでのいつも通りの内容で首の上げ下げは若干目につきますが、それ以外で特に変わった点や評価できる点もありませんでした。

サンセットビュー

 3歳1勝クラス以降初めての追い切りのパターンで1週前はCWコース、最終追い切りは坂路コースでした。1週前追い切りは前走からの間隔が短いのですが、しっかり負荷をかけてある程度の時計を出しています。しかし、ラスト1Fでは0.4秒も減速しており、特に速い終いではなかったので評価できるものではありませんでした。また、併走馬は完全に馬なりなのですが強めに仕掛けられても追い抜くことが出来ていませんでした。最終追い切りはいつも通り馬なりで仕上げられています。特に評価できる内容ではなく、近走の実績からすれば印を回すレベルとはいえそうにありません。

ショウナンマヌエラ

 これまで通り2週とも坂路での追い切りとなりました。特に代わり映えしない内容で、終いを伸ばす内容でした。指数は上昇してはいますが、特段状態の良化が窺えるようなものではありませんでした。

スウィープフィート

 これまでと同様に全て坂路で調教されています。1週前追い切りではラスト1Fに減速しており評価を割り引くべきかもしれませんが、2Fのラップタイムが12.1秒とかなり速く、ラスト1Fも12.2秒と大きな減速ではなかったのでさほど気にするほどではないでしょう。前においた馬を追い抜かしてから仕掛けられるような追い切りで、馬の集中力を感じます。日曜にも速い追い切りが行われており、終いは12.0秒と良く伸びていました。最終追い切りではエルフィンSの1週前追い切りレベルの時計を出しており、しかもそれとは異なり完全に加速ラップを踏み切ってラスト1F12.1秒を馬なり出だすことが出来ています。時計面からはもちろんですが、映像からは1週前追い切り以上に元気で、脚の振り上げの大きさに目を惹かれるほど状態は良く見えました。
 前走の追い切りも評価できるものでしたが、今回は指数通りに前走以上の内容と見て良さそうです。課題の折り合い面についても追いきりでは折り合いを欠いたような場面は見受けられませんでした。今年4走目で疲労が懸念されますがこちらも迫力のある動きからすれば問題ないように感じます。

ステレンボッシュ

 1週前、最終追い切り共に馬場の真ん中を通過していますが、4F以降の時計は非常に評価できる内容でした。1週前は14.4-13.7-12.1-11.1と約1秒づつ縮める理想的な加速ラップでした。最終追い切りは15.3-12.8-11.4-11.4と3Fに12秒台のラップを刻んでおり、どこかスターズオンアースを思い起こさせるような追い切り内容でした。
 前走の追い切り内容と比較すれば明らかですが、間違いなくそれ以上の内容です。今回までの追い切りは強い負荷をかけることができておらず、姉妹も物足りない印象で評価しづらいものでしたが、前走を受けて馬が変わったのか一変した内容となっていました。前走時の追い切りで前走のようなレースができるのであれば、今回はさらに期待できると思います。

タガノエルピーダ

 これまで通りのパターンと内容でした。終いを若干伸ばすような内容ですが、正直ほとんど伸びているというレベルにはないという印象でこれまでと同じです。併走馬を大きく引き離して先着するようなことはなく、陣営のコメント通り自分から進んでいくことはなさそうです。状態は悪くはなさそうですが、一変してよくなったということもありません。

チェルヴィニア

 アルテミスS以降パターンは同じですが、1週前追い切りは前走時と明らかに異なる一変した内容でした。早めの全体時計に加え、4F以降の理想的な加速ラップとラスト1F11.1秒としっかり伸びています。間違いなく前走を使って状態を良化させていると考えられ、高く評価できます。最終追い切りではこれまで同様時計はさほど出しませんが、3頭併せの真ん中でしっかり負荷をかけて抜け出させる内容でした。
 前走は陣営が調教が不足していたとコメントしていましたが、今回はしっかり追って状態良化が見込めます。距離的な問題がつきまといますがここは前走以上の走りに期待出来そうです。

パレハ

 1週前追い切りでは、前走のような終いに寄った追いきりではありませんでしたが、ラスト1Fに0.4秒の減速がありました。さほど時計は速くないのですがここまで減速があると評価を下げざるを得ません。最終追い切りでも前走時より時計が出ていないどころか、終いの伸びも前走時以下でした。状態良化とはいえそうにありません。

ホーエリート

 これまで以上に良い内容で、前走から一変とまではいかないまでも状態の良化が見込める内容でした。特に1週前追い切りは前走時の最終追い切りのように道中のペースが速いのですが、ラスト1F11.2秒と近走では最も伸びています。併走馬と並んでから追い出されてしっかり反応していますし、間違いなく前走を使って上積みが見込めます。最終追い切りでは馬なりで流し気味という印象でしたが、折り合いに全く苦を見せることなく距離延長は歓迎と見て良さそうな追い切りでした。

ミアネーロ

 追い切りはこれまで以上に終いに寄っており、距離延長を意識したような内容に映りました。2週前にはラスト1F11.0秒、1週前には11.1秒、そして最終追い切りでは10.9秒とこれまでで最も速い終いでした。特に最終追い切りではほとんど追われていませんでした。かかる様子も特になく、併走鳩並んでも仕掛けられるまでじっと待つことが出来ています。最内を引いた今回は内で脚を溜める競馬となるでしょうが、何の問題もなく対応して直線で末脚にかけた走りを見せてくれそうです。

ライトバック

 1週前、最終追い切り共にエルフィンS以降最も速い終いを出しており、距離延長を意識した内容でした。1週前は馬なりでかかる様子は見せておらず、しっかり終いに伸びることが出来ていましたが、併走馬と並んで我慢する場面はありませんでした。しかし、最終追い切りでは直線を迎える段階で頭を高くしてかかる様子を見せていました。ここでも併走馬と並んで我慢する場面はなく、やはりまだ折り合い面には課題があると考えられます。それでも状態としては前走より1枚上と見て良さそうですし、直線を迎える前に大きくかかるような場面さえなければ直線ではよい走りをしてくれそうです。

ラヴァンダ

 時計面だけの評価であればおそらくこの馬が最も評価できると思います。1週前追い切りは前走時と同様に全体時計は遅いですが、2F以降がかなり速く馬なりで11.9-11.2のラップでした。ただし、前走時は馬なりで11.3-11.0でしたので前走時以上の内容とはいえませんでした。終いを意識した内容で、距離延長にも対応できそうな追い切りでした。最終追い切りは特に素晴らしく、前走時の方が時計は速いですが、今回は終いの減速もなく14.1-12.8-12.3-11.9のラップを刻んでいます。これを馬なりで出せていることが状態の良さを表していると思いますし、内容としては前走時以上といえそうです。ただし、最終追い切りに関しては必ずしも距離延長に適した内容かと言われると微妙なところです。距離の適性が分からないままにここまで速い時計を出せば、速いペースには対応できても終いの伸びを欠くのではないかという懸念があります。

ランスオブクイーン

 前走時には感覚の短さから速い追い切りが行われていませんでしたので比較対象は2走前となりますが、それ以上の内容と見て良さそうです。1週前、最終追い切り共に全体時計が遅くかなり終い重点の追い切りですが、直線の半ばまで併走馬と並んでしっかり我慢した上で終いを伸ばせており距離の延長もこなしそうです。2走前にはラスト1Fの減速がありましたが今回はそれもありません。間隔が詰まっており今走が今年5走目、4月以降3走目とかなりタイトな点が懸念点ですが、追い切りからは正直その点も考慮された内容のように感じました。当日の馬体などから疲労を判断する必要がありそうです。

追い切り評価まとめ

追い切り指数

予想印と評価

◎ ステレンボッシュ
◯ ミアネーロ
▲ アドマイヤベル
△ タガノエルピーダ
  コガネノソラ
  ホーエリート
  スウィープフィート
  ライトバック
☆ チェルヴィニア
消 パレハ
  サンセットビュー
  ヴィントシュティレ
  ショウナンマヌエラ

買い目

ワイド ◎ステレンボッシュ ー ◯ミアネーロ
ワイドボックス ◯ミアネーロ・▲アドマイヤベル・△タガノエルピーダ
3連複1頭軸
 軸 ◎ステレンボッシュ
 相手 ◯ミアネーロ・▲アドマイヤベル・△タガノエルピーダ

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