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GⅠ NHKマイルC

 2024年5月5日(日)に行われるGⅠNHKマイルCの追い切り指数、各馬の評価と追い切りの評価、予想印と買い目になります。
※Twitterには馬券購入締め切りと同時に予想印・買い目を公表します。
※オッズや当日の馬体重、馬の状態次第で買い目を変更することがあります。変更は締め切り5~10分前までに行うようにします。ほとんどの場合、馬体を見て印・買い目を変更します。参考にしていただける場合は、5~10分前に印・買い目を再度ご確認下さい。


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追い切り指数

 トップはシュトラウスです。2週続けて6F78秒台、ラスト1Fは11.2秒と抜群の時計で素質を感じさせる内容でした。指数も前走から+21.4と大幅に上昇しており、間違いなく前走以上の出来にあると判断できます。ただし、2週とも単走追いで未だ併走馬と併せて走ることが出来ない状態なのかもしれません。
 次点評価はアスコリピチェーノです。非常にバランスの良い走りで非の付け所がありません。1週前追い切りが抜群で、6F79.4秒、ラスト1F11.1秒でした。追い切りからは桜花賞時よりも1段上の出来にあるといえるかもしれません。
 全ての追い切りを合わせて最も評価できる追い切りだったのはノーブルロジャーの4/27(土)の坂路追い切りでした。単独での指数は44.4です。

各馬の評価

ダノンマッキンリー

 前走ファルコンSでは前が圧倒的に有利な状況で最後方から上がり最速の末脚で他馬を抜き去り2着に0.1秒差をつけて完勝といえる内容でした。正直他馬との能力差がかなりあったように見えるほどの内容で、この馬の能力を最大限に発揮させることの出来たレースだと思います。このレースを見る限り、後方から進めて末脚を活かすというのがこの馬の能力を発揮するための条件といえるのではないかと考えています。朝日杯フューチュリティSとクロッカスSでは不完全燃焼であったことは間違いありませんが、乗り難しい気性を持った馬で馬群で競馬をすることが難しいという点が不完全燃焼を導いてしまったのではないかと思いますので、今回の最内枠はプラスには働かないのではないでしょうか。また、その気性からは距離延長は歓迎とはいえず、条件的には積極的に狙いづらい1頭かと思います。

ノーブルロジャー

 シンザン記念では後方から徐々に前に出て最後はしっかり抜け出してゴール前では流す余裕を見せていました。前半1000mが58.4秒で最後方にいたウォーターリヒトが飛んできたように差し展開になってもおかしくない状況でしたが、外を回って徐々に進出して勝ってしまうのは相当能力が高いことを示していると思います。前走毎日杯では最内枠を活かして先行していますが、逃げた馬の展開にしっかりハマった競馬にやられて1.0秒差の2着に敗れました。ただし、距離的に明らかに1ハロン長いと思わせる走りで条件的に合っていなかったことも敗因でしょうし、その中でも外に持ち出している間に内から差してきた馬を差し返すなど能力の高さは明らかです。
 今回は2番枠と他馬の位置取りを考える限りおそらく最も楽に先行できそうな枠を引いています。東京は新馬戦以来ですが上がり33.3秒で勝利しており、今回も安定して走ることが出来ると考えます。

ディスペランツァ

 距離的な問題もあってかラジオN杯京都2歳SとホープフルSでは振るわず、そこから距離短縮をして2連勝とマイルの適性を示しました。前走アーリントンCでは上がり32.4秒の末脚でゴール前でもぐんぐん伸びる様子が印象的でした。直線までは距離ロスなく最内を進め、直線からは内から上手く進路を確保して末脚を活かした完璧な騎乗によって勝利しており、今回の鞍上変更はマイナスと断言できます。やはりモレイラありきの騎乗のようにしか見えず、1~3着馬がタイム差なしという点からしても能力的に他馬と大きな差があるというわけではないのではないでしょうか。今回も前走と同じ枠順ですから、同じように進めるには直線で進路を確保するための鞍上の技術が必要ですが、今回の鞍上に全幅の信頼を置くことは出来そうにありません。東京という舞台に関しては前走の直線の伸びを見れば明らかに歓迎と考えて良さそうです。

イフェイオン

 前々走フェアリーSでは完全に抜け出して勝つというわけではありませんでしたが、先行して外を回りながら凌ぎきっており強い内容だったといえそうです。ただし、4着まではほとんどタイム差がなく、前後ろの偏差のない状況でしたから、展開一つで着順は全く変わっていたのはないかとも考えられます。そうすれば、ゴール前の伸びや後方から大外を回って伸びたという点からマスクオールウィン以上に評価するのは難しいように思います。
 前走桜花賞はフェアリーSのような騎乗を意識した位置取りを取ったかと思いましたが、徐々に内に進路を取ったことで包まれてしまい、直線では進路を確保することが出来ずに11着となりました。実力を発揮したとは言い難い内容でしたので、これに関しては度外視として良いと思います。

ボンドガール

 前走ニュージーランドTは約半年の間隔が空きながらエコロブルームに食らいついて0.1秒差の2着と好走しました。内を通った馬が多く残っていることから最内を進めたこの馬も評価もそれに応じて行うべきですが、長期の休み明けであることからすれば十分に評価できる内容であったと思います。サウジアラビアRCではゴンバデカーブースに完敗の内容でしたが、あちらは約7か月という長期休養明けとなるレースであることからすれば、その結果を持って優劣をつけることは出来ないでしょう。また、前走の上澄みがあることは間違いなく、新馬戦で上がり33.0秒で勝利していることからも東京の適性は十分といえそうです。

ロジリオン

 これまでは主に1400mを走っている馬で全て掲示板内と非常に安定した成績で、コラソンビートに0.1秒差の能力を持っています。前走ファルコンSでは、最内を進んで直線では進路を全く確保することが出来ていませんでしたので度外視可能です。それでも5着とやはり安定して走ることの出来る能力を確認できたことは大きいでしょう。今回は1ハロン距離の延長がある点は不安要素ですが、操縦性に問題はないので外を回ることにさえならなければ十分対応は可能かと思います。前走の結果から評価が低いのか人気も低いですが、好枠を引いた今回は非常に狙い目の1頭といえるかもしれません。

チャンネルトンネル

 前走アーリントンCは非常に惜しい競馬で勝ち馬ディスペランツァとタイム差なしの3着でした。ただし、道中の不利や直線での進路取りの問題も特にない状況で内から外へ持ち出す手間があったディスペランツァに外からまくられての負けは痛く、ディスペランツァ以上に評価することは出来ないように思います。過去の戦績も非常に安定しており前々走のスプリングSでも4着でしたが、2着から9着までが0.3秒差までに収まった大混戦となったことからすれば前々走の内容は評価できそうにありません。現状では上位人気馬との実力差は大きいように感じます。

エンヤラヴフェイス

 デイリー杯2歳Sではジャンタルマンタルに0.3秒差の2着と好走しましたが、そこからの4走は凡走しており、馬券内どころか掲示板内がありません。特に勝ち馬とのタイム差が全て0.5秒以上あるという点は着順以上に評価できません。現状1・2番人気のアスコリピチェーノとジャンタルマンタルとはともに0.9秒差をつけられていることからしても他馬とは能力差が大きいように思います。

キャプテンシー

 前走ニュージーランドTまでの戦績は全連対と非常に安定していたのですが、前走では先行して直線までは勝ちを予感させるような展開の中直線で大失速。勝ち馬から1.3秒差の16着と大敗しました。鞍上も調教師のその敗因を馬場ではないかと言及していますが、道中苦労するような様子は見せておらず、直線もある程度外を走ることが出来ていましたしラスト2Fというところで急激に失速していました。一つの予想としては過去に勝ったレースが全て逃げが叶ったものであることから、直線に入るまでに自分のペースでレースを運べていなかったことが原因かもしれません。そうであれば今回も間違いなく逃げの手を打ってくると予想できます。かなり不可解な敗因ですが、これをどのように評価するかでこの馬の取捨が決まると思います。

ウォーターリヒト

 前走皐月賞では17頭中16着とほとんど最下位の結果でした、特に前半1000mを57.5秒と超ハイペースで逃げたメイショウタバルに0.1秒の1馬身しかつけられていない点はあまりにも評価できないでしょう。後方から進めた馬もある程度好走していることからも位置取りの差であるとはもちろんいえません。常に後方から進める馬で、後方の馬が好走出来る展開でなければ厳しく、前々走スプリングSでは2番人気ながらその傾向を示しています。シンザン記念では前半1000mが58.4秒とウォーターリヒトに展開が向いた結果、勝ち馬ノーブルロジャーと0.2秒差なのでノーブルロジャー以上に評価することは出来ないでしょう。
 以上のように評価しましたが、この馬で最も評価できないのは出走頻度と馬の疲れかと思います。レースの結果だけでなく追い切りからもその影響を一目で把握することが出来るような内容になっています。今回はそれが解消されていなければ確実に消しの1頭です。

アレンジャー

 安定した成績で1200m~1600mの範囲で好走しています。前走アーリントンCでは直線まで逃げ馬の後ろにつけて最内を進んでロスのない競馬が出来ていました。勝ち馬ディスペランツァとはタイム差なしの2着としっかり好走しているのですが、ロスのない競馬をした割にはゴール前の勢いがなく、ディスペランツァと比較すればそれ以上に評価することは難しいかもしれません。今回の枠順的にも前走のようなロスのない競馬は難しそうですし、単純な能力差もありそうです。

ゴンバデカーブース

 前走ホープフルSは取消しによって前々走サウジアラビアRCからは約7か月という長期休養明けとなります。ホープフルS取消し後喉の手術に加え重度の挫跖によりこのレースが復帰戦となってしまったことはそれだけで評価を落とす要因となるでしょう。ただし、サウジアラビアRCではボンドガール、シュトラウスとのレースでしたが、直線で上がり2位とは0.6秒差をつける33.5秒の上がりを使い2頭を抜き去りました。完勝といえる内容で、順当に行けば確実にボンドガール以上に評価されていた1頭でしょう。能力的には申し分なくそれだけを取ればこの馬を軸に検討することも十分に肯定できますので、臨戦過程をどのように評価するかは非常に大きな問題です。
 プラスの要素としては鞍上がモレイラという点でしょう。並み居る有力馬を差し置いてこの馬を選んだというわけではなさそうですが、現状最も信頼できる鞍上は間違いなくモレイラです。

シュトラウス

 気性面にかなりの問題を抱える馬で、前に馬がいるとその馬を抜かそうとして力んでしまうようです。東京スポーツ2歳Sまではそのような気性からレーン、ルメール、モレイラが教育的な競馬を施して育成されてきましたが、朝日杯フューチュリティSでマーカンドがそれを放棄して逃げの競馬となってしまったことで気性面の問題に拍車をかけてしまうことになりました。
 前走ファルコンSでは意図的に下げて最後方から進めて競馬をしていましたが、直線で進路を確保することが出来ずに9着という結果に終わりました。追い切りでは他馬を意識してしまうことを考慮して全て単走で行っており、レース自体もリハビリの意味合いが強かったでしょう。したがって内容的には度外視で良いと思いますが、陣営も不安視しているように馬群の中での競馬が現状可能なのかどうかは不明です。能力的には非常に魅力的な1頭ですが、前走を見ればここを本気で獲りに来る意図ではないように思います。後方から進めて能力でなんとかする競馬となる可能性が高く、それでもこの馬を買い目に入れるかどうかが問題です。
 また、鞍上は前走から北村宏司ですが、アスコリピチェーノ、レガレイラという1番人気で上手く乗れていないようにこの騎手に何かを期待するのはどうかと思います。せめて実力のある騎手であればその点からもプラスの要素として考えられたのですが。

アスコリピチェーノ

 前走桜花賞では勝ち馬ステレンボッシュと0.1秒差の2着でした。道中ステレンボッシュはアスコリピチェーノの後ろにつけていたのですが、鞍上が直線での位置取りを気にしてか馬群の中動いてしまい、元にいた位置をステレンボッシュに取られてしまいました。その後は大外を回ったことでコーナーで遅れてしまい、その差が勝ち馬との着差になったと考えています。鞍上の北村宏司とステレンボッシュの鞍上のモレイラとの明確な実力差が浮き彫りになったといえる内容で、鞍上がルメールに変更されたことは大きな魅力といえそうです。
 桜花賞メンバーの中では間違いなく最もマイルに適した1頭で今回も好走の可能性は非常に高いと見ています。走りのバランスが良く、道中の流れが速い展開でも終いに瞬発力が求められる展開でも対応することが出来そうです。ローテーション的にはタイトですが、状態は悪くなさそうで良い状態が長く続くタイプのように思えます。間違いなく人気になると思いますが、それでも馬券に加えるべき1頭です。

マスクオールウィン

 前走桜花賞では枠順的に仕方ありませんが、道中終始後方から外を回り、直線でも大外と非常に辛い展開となってしまいました。それでも直線で全く進むことなく17着に終わったことからすれば、現状桜花賞の上位馬には能力的に若干差があると考えて良さそうです。2走前フェアリーSではイフェイオンとタイム差なしの2着ですが、後方から大外を回ったことやゴール前でしっかり伸びていたことからすればイフェイオン以上に評価できます。新馬戦ではボンドガールに完敗しており、そのレベルが非常に高かったとはいえ現状でも能力差が埋まりきっているとは思えません。今回の枠順も外で前走のような展開になることも十分に考えられることからすればなかなか手を出しにくい1頭でしょう。

ジャンタルマンタル

 前走皐月賞では最も強い競馬をしたように思います。前半1000mを57.5秒というハイペースの中、先行して自分から動いていったんは完全に抜け出しましたが距離の問題で差されて勝ち馬に0.1秒差の3着でした。距離が1ハロン短ければ間違いなくこの馬が勝っていたと断言できる内容で、非常に高い能力を示しました。マイルへの距離短縮は明らかなプラスで前走の走りが出来るのであればおそらくこの馬が最も強いと考えています。ただし、それができるかが問題で、前走からは中2週と非常にタイトなローテーションです。前走の疲れを取る時間はもちろんなく、前走が完全に勝ちにいく仕上げを施されていたことからすればその状態を維持できているかは大きな疑問です。特に実力を出し切ったと評価できる前走の内容からは疲労がないと評価することは難しそうです。すべては追い切りから判断することになりますが、期待したい1頭です。

ユキノロイヤル

 前走ニュージーランドTでは逃げて勝ち馬から0.1秒差の3着、2着ボンドガールとはタイム差なしでした。ボンドガールが長期休養開けであることからすれば、ボンドガールとの能力差はあると見るべきだとは思いますが、逃げてマイペースに走ることが出来るのであれば好走できるかもしれません。ただし、枠順的に逃げることは難しそうなうえ、舞台が直線の長い東京であることはこの馬に大きなマイナスであることは間違いありません。他馬との能力差もありそうですし、今回は消し候補でしょう。

アルセナール

 前走クイーンCでは勝ち馬クイーンズウォークと0.1秒差の2着でしたが、直線でスムーズに進路を確保することができておらず追い出しが遅れたことからすれば、スムーズに追い出すことが出来ていたクイーンズウォークとの差は僅かであると考えられます。過去2戦東京1600mで馬券内という点からも適性は間違いありません。鞍上がルメールでないことはマイナスですが、大外枠であることからすれば進路取りには苦労しないでしょうか。
 先行馬が多くいる今回はこの馬に展開が向く可能性もあり、期待したい1頭です。

各馬の追い切り評価

ダノンマッキンリー

 2週ともCWコースの追い切りですが、2週ともラスト1Fに減速しています。この傾向は前走時も同様ですが、気性面の問題を意識させます。追い切りからも1ハロンの延長は歓迎ではないと考えられます。また、前走同様2週続けて単走であることからしても、馬群で競馬をすることは難しいのかもしれません。最内枠でいったん下げて後方から外を回ることが好走の条件となりそうですが、追い切りからそこまでの操縦性があるようには思えません。

ノーブルロジャー

 4/20のCWコースでの追い切りは平凡でした。1週前と最終追い切りも時計が遅くほとんど調整レベルのものですが、今回は土曜に速い時計を出しました。坂路で全体時計50.8秒、14.1-12.9-11.9-11.9というラップタイムの好時計で前走以上と評価できる内容でした。映像がなく走る様子は確認できませんが、非常にバランスの取れた走りで11.9-11.9というラップは非常に評価すべき時計だと考えます。ちなみに追い切りの指数としてはこの土曜追いは単独で44.4で出走全馬中トップ評価です。

ディスペランツァ

 この馬も1週前、最終追い切りでは速い時計を出しておらず、土曜に速い時計を出しています。ノーブルロジャーほどではありませんでしたが、坂路で全体時計51.7秒、ラスト1F11.9秒と好時計でした。時計としては前走の方が良いのですが、前走はラスト1Fに減速ラップを踏んでおり、今回は加速ラップを踏んでいることから今回の方がバランスの取れた走りで内容としては評価できます。当該追い切りの様子を映像としてみることが出来ないのはノーブルロジャー同様ですが、非常に高い評価が出来る追い切りでした。

イフェイオン

 前走同様、1週前のCWコースでの追い切りでラスト1Fに減速しています。前走時とは異なり、4F以降のペースが速いので、前走時以上には評価して良さそうですが、今回は併走馬に遅れる結果となりました。最終追い切りで併走馬を追い抜くような動きが出来ていれば良いのですが、最終追い切りは坂路で単走で行われました。前走も坂路でしたが、他馬を併走させていましたし明らかに時計が速かったです。疲労の影響と見るべきかもしれません。

ボンドガール

 前走とは異なり、折り合いを意識して直線で伸ばすような全体的にバランスの取れた追い切りでした。特に1週前追い切りはラスト1F11.0秒と促されてからの伸びが非常に良かったです。前走時は6F79.8秒でラスト1F11.2秒、道中のペースも速いという非常に強い負荷をかけた追い切りが行われていましたが、前走でレースを使ったことからか今回はそこまでの負荷をかけることはありませんでした。1週前の状態で上記の内容の追い切りが出来ていることからすれば、前走を受けてすでに状態は出来上がっていると評価できます。間違いなく上積みのある状態で、前走以上の走りが出来そうです。

ロジリオン

 2週とも速い時計ではありませんでしたが、非常にバランスの取れた走りで終いを伸ばすような内容でした。2週続けて他馬を併せて走らせていますが、1週前追い切りは左右に馬を置いての強い負荷をかけた追い切りでした。前走は進路を確保することが出来ず、まともに追い出すことが出来ていませんでしたので状態の問題はあまりないと考えて良さそうです。非常に評価できる追い切りなのですが、若干不安なのが2週とも併走馬に完全には先着することがなかったことでしょうか。どちらもほとんど同入のレベルで前走の最終追い切りのようにしっかり先着したとはいえませんでした。馬なりで進めていたことからすればさほど気にすることではないでしょうか。

チャンネルトンネル

 CWコースでの追い切りは、時計自体は遅いながらも終いにかけて徐々に加速していく内容で行われていますが、今回は終いがあまり伸びていませんでした。前走は道中のペースが速くても緩やかに加速出来ていたのですが、今回は終い重点ながらもそのときの終いより遅かったです。坂路追いに関してはラスト1Fに減速しているものもあり、最終追い切りでは2F続けて12.9秒と伸びを欠く内容でした。指数も20以上落ちており、前走のような状態にはないかもしれません。

エンヤラヴフェイス

 2週続けて坂路で左右に馬を置いた負荷の強い追い切りが行われています。しかし、どちらも時計が遅いうえに非常にスローな終いでラスト1Fに減速しており評価できません。しかも一杯に追われてのことなのでなおのことです。前走からの疲労を考慮した時計と評価することは出来なくはないかもしれませんが、2週続けて非常に強い負荷を与えていることからすればそう考えるのは難しそうです。追い切りからは消したい1頭です。

キャプテンシー

 前走からは明らかに緩められた内容でした。時計面からも明らかですが、全く強い追い切り行われておらず、2週とも馬なりの調整レベルでした。個人的には前走の疲れもそうですが、突然失速してしまったことを考慮しての内容だったのかと考えています。もしそうだとすれば、陣営の敗因は馬場というコメントは信頼できそうにありません。ただし、追い切りで強い負荷をかけることを止めた直後のレースで好走するということはまれに見られることなので注意すべきかもしれません。

ウォーターリヒト

 今回は1週前、最終共に坂路で行われました。前走は1週前を坂路で、最終をCWで行われており、2走前は1週前をCWで最終を坂路で行われていました。2週続けての坂路追いはきさらぎ賞以来なのですが、そのときの追い切りと比較しても明らかに内容が劣っています。時計面からは特に顕著できさらぎ賞時には2Fから12秒台前半を出すことが出来ていました。また、スプリングS以降徐々に時計が遅くなっており、スプリングS、皐月賞、今回の順に56.6、44.7、39.9と指数も低下しています。昨年の10月からコンスタントに使われているように疲労に寄るところが大きいのではないかと思います。今回の最終追い切りでは坂路で一杯に追われて12.7秒と全く伸びておらず、状態的にほとんど限界ではないかと思います。

アレンジャー

 1週前追い切りが素晴らしいです。前走や2走前のものとは全く異なるまさに一変した内容でした。6F79.9秒、4F49.3秒、ラスト1F11.5秒と好時計なうえ4Fからのペースがかなり速く、13.9-12.9-11.0-11.5のラップでした。ただし、ラスト1Fに0.5秒減速しているのは未だ走りのバランスに若干の問題を抱えていることを示していると考えられ、これは最終追い切りの坂路追いでも同様の減速をしていることからも説明できることかと思います。ちなみに最終追い切りは毎回坂路ですが、2走前から常にラスト1Fには減速しています。このような点が勝ちきれないことにつながっているように思いますが、やはり一変した内容は注意すべきかもしれません。人気、オッズ的に馬券に加えようと考えている方にとっては十分な買い要素といえそうです。

ゴンバデカーブース

 2週前、1週前の追い切りでは6Fの時計は速くはないものの共に4Fを50秒台でラスト1Fを11.1秒、11.3秒と伸びのある走りをしています。この馬のCWコースでの追い切りで特筆すべきは2点あり、一つは完全に加速ラップを踏みきって走ることが出来ること、もう一つは4Fが50秒台の速い時計を出した場合に3Fのラップタイムを13.0秒以下で走ることが出来る点にあると思います。これは走りのバランスが非常に整っていることを示しており、スローな展開になったとしてもまくって進めることもできますし、瞬発力が求められた場合でも問題なく対応できるような非凡な能力があることを推知させます。ただし、長期の休み明けであることからすれば久々の本番で速い流れになった場合にも実際にしっかり伸びることが出来るかは疑問が残ります。
 今回の追い切りはサウジアラビアRC時のものと比較しても時計面では全く劣っていません。ただし、その内容面をも含めて考えれば明らかにサウジアラビアRC時の追い切りには及んでいないと判断できます。サウジアラビアRC時には1週前、最終追い切り共に左右に馬を置いた追い切りを行っており、1週前には先着、最終には同入差せることが出来ていました。しかし、今回の追い切りでは一度も左右に馬を置いた追い切りは行われておらず、1週前追い切りでは強めに追われて馬なりの内の2頭の併走馬に遅れてしまいました。時計面からすれば特に問題なく先着してもおかしくないのですが、陣営の意図からずれる走りだったのかもしれません。最終追い切りでは坂路で強めに追われていましたが、馬なりの併走馬に同入か若干遅れてしまっており、またラスト1Fに0.1秒ですが減速してしまった点はマイナスに捉えるべきかと思います。調教師のコメントからは蹄の状態が完全とはいえないとされており、この点が影響しているのかもしれません。

シュトラウス

 2週続けて6F78秒台、ラスト1F11.2秒と非常に評価できる時計です。特に最終追い切りでは加速ラップを踏み切っており、これが狙い通りであれば評価せざるを得ません。しかし、陣営のコメントからはその意図からはずれる走りだったようで、終い重点のつもりが時計が出過ぎてしまったようです。上述のように朝日杯フューチュリティSで気性面の問題に拍車をかけることになってしまったことから、前走から他馬を併せて走らせておらず、今回も2週とも単走でした。未だ併走馬がいればかかってしまうのはおそらく間違いなく、レースで馬群にもまれて競馬をすることは難しいかもしれません。調教師のコメントからすれば前走のように最後方からではなく若干前に出るようなので、その問題が解決できていないのであれば今回も追い切りの走りを再現することは難しそうです。

アスコリピチェーノ

 追い切りの内容からすれば間違いなく前走桜花賞時の状態より一段上の仕上がりと評価できます。
 1週前の時計は6F79.4秒、4F50.8秒、ラスト1F11.1秒で加速ラップを踏み切って併走馬に馬なりで先着しています。非の付け所のない内容で明らかに前走時の追い切りでは見せていない走りでした。どのような流れでも対応できそうです。馬体を含めた仕上げとしては前走の方が映えるかもしれませんが、走りの内容としては前走を経て完璧といってよいほどに仕上がったのかもしれません。最終追い切りは調整程度ですが、やはり加速ラップを踏み切って馬なりでラスト1Fに11.1秒ですからやはり状態は良いでしょう。

マスクオールウィン

 前走とさほど差のない内容といえますが、時計面からすれば若干ゆるめでした。前走時には79秒台の時計も出していたのですが、今回は前走の実戦を考慮してか特筆する点のない追い切りでした。調整レベルの内容ではありますが、最終追い切りに左右に馬を置いた追い切りが行われており、これに先着することが出来ていました。若干終いが物足りなく感じますが、これは前走までも同様でした。
 前走は直線を迎えた段階で後方からになっており、着差を考えると状態が落ちていることはないとは思いますが前走以上の出来にあるとはいえないでしょう。

ジャンタルマンタル

 非常に評価に困る内容でした。速い時計を出したのは最終追い切りの坂路追いのみですが、それも馬なりで終いだけ伸ばす内容です。陣営のコメントからすれば前走を活かす調整程度の内容だったとのことで、状態は悪くはなさそうです。たしかに中2週で速い時計を出すのは馬にとっては負担が大きいことは間違いありません。強いていえば完全な馬なりでラスト1F12.3秒は悪くはないといえます。追い切りで状態を測ることが出来ないのは残念ですが、能力的には明らかに上位評価ですので当日の馬体重やパドック、返し馬から状態を判断しましょう。

ユキノロイヤル

 追い切りでは映えないタイプでしょうか。1週前追い切りではラスト1F12.4秒でしたが、一杯に追われておりあまり伸びを感じる走りではありませんでした。最終追い切りでもゴール前に強めに追われてラスト1F12.1秒ですが、6Fの時計も遅くあまり評価できませんでした。併走馬に先着することはできていたものの併走馬があまりにも遅いように思います。前走からはさほど状態に変化はなさそうですが、前走時には最終追い切りで11.9秒を出すことが出来ていました。

アルセナール

 1週前追い切りは6F80.6秒、4F50.5秒、ラスト1F11.3秒を道中のペースを速めに進めて出すことが出来ていました。馬場の真ん中あたりを走ってはいたものの好時計で、併走馬に先着することも出来ており状態は良く見えました。最終追い切りでは1週前追い切りと比べるとかなり緩くはなったものの、左右に馬を置いた追い切りでしっかり負荷をかけられており高く評価することが出来ます。前走時の内容と比較すれば明らかに今回の方が良いと評価でき、指数もそれを表しています。前走時の内容でクイーンズウォークに食い下がることが出来るのであれば、今回は好走を期待して良いかもしれません。

予想印と評価

◎ アスコリピチェーノ
◯ ノーブルロジャー
▲ アルセナール
△ ディスペランツァ
  ボンドガール
  ロジリオン
☆ ジャンタルマンタル

買い目

複勝 ◯ ノーブルロジャー
ワイド1頭軸
 軸 ◯ ー ▲ アルセナール
3連複1頭軸
 軸 ◎アスコリピチェーノ
 相手 ◯・▲・△・☆


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