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GⅠ 安田記念

 2024年6月4日(日)に行われるGⅠ安田記念の追い切り指数、各馬の評価と追い切りの評価、予想印と買い目になります。
※Twitterには馬券購入締め切りと同時に予想印・買い目を公表します。
※オッズや当日の馬体重、馬の状態次第で買い目を変更することがあります。変更は締め切り5~10分前までに行うようにします。ほとんどの場合、馬体を見て印・買い目を変更します。参考にしていただける場合は、5~10分前に印・買い目を再度ご確認下さい。


追い切り評価

展開予想と印

展開予想

 今回は逃げ馬がどの馬になるかで展開が変わりそうです。逃げ馬候補はドーブネウインカーネリアンが挙げられますが、ドーブネが逃げた場合にはスローペース、ウインカーネリアンが逃げた場合には近年の安田記念に多いような前半600mが34.秒台前半程度の通常から若干のハイペースの展開になると予想しています。ではどちらがハナを奪うかですが、個人的にはウインカーネリアンが逃げる展開になると考えています。ウインカーネリアンの陣営は絶対にハナを取らなくてもよいとの旨コメントしていますが、一方で鞍上に任せるともコメントしています。昨年がそうであったように外枠からでもハナを主張するのがこの馬のスタイルで、この馬の好走パターンです。テンのスピードもある馬ですし、鞍上が変更されていないのであれば今回もハナにこだわって進めるはずです。
 このようにウインカーネリアンが逃げ、前半600mを34秒台前半で進めたとすれば、重馬場にでもならなければ時計は1:31秒台になると予想しています。そうなればスローペースが好走に必要である馬は厳しくなります。重馬場程度にまで馬場が渋るのでなければソウルラッシュの好走は難しくなると予想します。
 以下では、まず能力や妙味をも考慮した印を記載した上で、買い目の欄では良から稍重での馬場での開催については1:31秒台の時計を想定して日本馬に関しては基準を東京マイルで1:31秒台の時計を持っていることとして印をつけたいと思います。また、重馬場以下で1:32秒台の時計を想定した場合を良馬場想定の場合と分けて印をつけたいと思います。

予想印

◎ セリフォス
 
東京マイルの持ち時計は、昨年の安田記念で1:31.6です。
 
出走した昨年の安田記念では2着、一昨年は4着とどちらも好走しています。昨年は通常、一昨年は昨年から1秒以上も遅いスローペースでしたがしっかり好走できていることからペースを問わずに好走可能な得意舞台と考えて良さそうです。ただし、昨年は先行、一昨年は若干後ろから進めている点は頭を悩ませる点ではあります。昨年は、通常ペースを中団から進めたソングラインが1着、後方から進めたシュネルマイスターが3着であってことからすればむしろ評価できますし、一昨年はスローペースをソングライン、シュネルマイスター、サリオスが全て中団で進めていたのに対して若干後方寄りのこの馬がほぼタイム差無く4着に食い込んだことは昨年以上に評価できるように思います。また、安田記念はリピーターレースとしての傾向があり、この馬もそれに漏れません。
 以上のように東京の適性と安田記念の結果については評価できるとして、この馬で最も気になるのは昨年のマイルCSでの8着という結果でしょう。これについては約5か月という間隔の長さとレースの運び方に問題があったように思います。そもそも一昨年と異なり、前哨戦としての富士Sを挟むこと無く復帰戦となってしまったのがマイルCSでした。富士Sを挟むプランが夏負けが尾を引き、ぶっつけ本番となったことは陣営のコメントからしても想定外のことだったようです。また、安田記念と同様に先行して進めていましたが、鞍上のコメントから明らかなように道中はかなり力んで走っており、常に外を回ったことも大きく響いたような直線での失速具合でした。全くの度外視とまではいかないまでも、前に壁を作るつもりだった鞍上の意図に反した競馬となったことは考慮すべきでしょう。
 このように考えれば、今回の17番枠はスタート次第では前に壁を作ることが難しくなるような少し外すぎる枠のように思います。策としては若干後ろから進めて一昨年の安田記念の走りを再現することが考えられますが、そのときとは鞍上が異なっておりどうなるかは分かりません。しかし、マイルCSでの凡走経験からすればそれを活かすことの出来ない鞍上ではありません。ただし、安田記念は外枠有利の傾向もあり一概に評価するのは難しい点ではあります。今回は若干の枠の不安はありますが、鞍上を信じて本命とします。

◯ ガイアフォース
 東京マイルの持ち時計は、セリフォスと同じく昨年の安田記念で1:31.6です。
 昨年の安田記念では中団から内を進めてセリフォスの後ろをマーク。直線では進路がスムーズに確保できていないながらもシュネルマイスター、ソングラインに次ぐ上がり3位で4着にまで食い込みました。特に外からスムーズに進路を確保していたシュネルマイスターとの比較からはスムーズであればそれに先着していた可能性もあります。仮にそうなっていればおそらく今回は人気を背負う1頭となっていたはずです。そもそも、その前走マイラーズCでは、初のマイルであったにもかかわらずシュネルマイスターにタイム差なしの2着と好走しており、実力的には非常に近いものがあると考えて良いのではないかと思います。
 そもそも、現5歳世代牡馬クラシック路線組で、イクイノックス、ドウデュース、ダノンベルーガ、アスクビクターモアに次ぐ能力を持っていると考えられるこの馬が今回のメンバーに入ったのであれば、実力的には間違いなくトップレベルと評価すべきでしょう。適性は馬の能力差を埋める要素であり、この馬の現在の適性にはずれないマイルが舞台となれば高い評価をすべき1頭であることは間違いありません。
 ただし、懸念点としてこの馬の実力を最大限に発揮するにはハイペースの展開が欲しいという点が挙げられます。昨年の安田記念は1:31.4の決着で近年の結果からすれば特に早いわけではない時計でしょう。ただし、3F通過タイムは34.2秒と若干流れており、後半4Fが11.6 - 11.1 - 11.2 - 11.5というペースでよどみなく速いペースを刻んだレースでした。この馬が得意なのがそのような消耗戦で、それはこれまでの結果が示すところです。特に記憶に新しいのが昨年の天皇賞(秋)です。時計は1:55.2とレコード決着ペースは12.4 - 11.0 - 11.5 - 11.4 - 11.4 - 11.4 - 11.4 - 11.6 - 11.4 - 11.7とよどみなくハイペースで前半1000m通過は57.7秒と異常とも表現できるペースでした。これを作り出したジャックドールは直線で脚が全くなくなってしまい勝ち馬から3.2秒も遅れる最下位となってしまいましたが、これを2番手から追走したこの馬は勝ち馬から1.0秒差の5着と健闘しています。勝ち馬イクイノックスを除いて上位を差し・追い込み馬が独占したこのレースでイクイノックスを除けばこの馬が1番強い競馬をしたといわれる理由がよく分かります。このようにこの馬の実力はハイペースでこそ発揮されると考えられることから、ペースが遅くなった場合には若干不利と見るべきかもしれませんが、予想される展開としては今回は問題なくこの馬の実力を発揮することが出来ると考えます。

▲ ロマンチックウォリアー
 GⅠ7勝、現在GⅠ4連勝と抜群の実績を誇る香港最強馬
です。2000mを中心に走っており、おそらくその距離であれば世界でも5本の指に入るような能力を持っているでしょう。マイルのは過去2走で1着と2着。GⅠスチュワーズカップでは2着となりましたが、負けた相手はGⅠ10勝でマイルを主戦場とするゴールデンシックスティです。
 ここまでの実績を有しているのであれば間違いなく実力はトップ評価とすべきですが、マイルは約1年半ぶりと間隔が開いています。また、香港と日本では求められる適性が異なるように思います。ゴールデンシックスティですら1:31秒台の時計がありません。そのレベルの時計が求められる高速馬場の日本、特に東京競馬場であれば若干評価は割り引いて考えるべきだと考えこの評価に留めました。逆に馬場が渋るのであれば評価を上げる必要がありそうです。
 東京競馬場で行われた最終追い切りではものすごい動きを披露していました。75.7-60.8-47.3-34.3-11.5と破格の時計なうえ、終いは馬なりで併走馬に軽々と先着していました。この動きからすれば状態面に疑いの余地はありません。ただし、調教後場体重が前走時から-13㎏と大幅に減っている点は不安要素です。当日の馬体重とパドックでの馬体確認が必須です。

△ レッドモンレーヴ・ナミュール・ウインカーネリアン・ヴォイッジバブル・エルトンバローズ

☆ ソウルラッシュ
 
 3年連続の挑戦となりますが一昨年は13着、昨年は9着と全く結果を出せていません。3度目の正直となるかという1戦ですが、その結果からか東京自体が苦手な印象がどうも拭えません。以下では安田記念の結果と評価、そして他のレース結果をも踏まえたうえで安田記念の適正を健検討します。
 まず、昨年の安田記念は中団から後方で内を進んで進路が確保できていないわけではありませんでしたが、伸びを欠いて上位とは実力差があるように感じる結果となりました。ただし、陣営は状態面の不安を吐露しており、最大限の実力を発揮しての結果であるとは考えるべきではないかもしれません。これに対し、一昨年の安田記念は同じような位置から進めて直線で内へ進路を取りましたが、いったんは加速するものの進路を確保できずに減速しています。その後最後まで進路を確保できずにまさに不完全燃焼という結果でしたので間違いなく度外視すべきです。このように見ると過去の安田記念の展開面からは、必ずしも相性の悪さなどではなく運が悪かったという評価で済みそうです。安田記念では結果を出せていませんが、同じ舞台では富士Sで2着の好走があります。このときはセリフォスに0.1秒差で負けてはいますが、斤量差は3㎏とセリフォスが当時3歳馬とはいえ難しいハンデでした。完全な勝ちパターンでしたので東京マイルでも問題ないように思えます。
 ではそれらの時計はどうでしょうか。昨年の安田記念の時計は1:31.4、この馬の時計は1:32.1でした。一昨年は1:32.3でこの馬は1:32.9でした。上で見たように一昨年は度外視すべき内容ですから、サンプルになるのは昨年のみです。ここで同じ舞台の富士Sの時計を確認すると1:32.0でこれと0.1秒差がこの馬の時計で1:32.1です。この馬の東京での時計は全て1:32.0以上です。他の舞台での時計をも合わせて見ると、最も速い時計は1:31.6で一昨年のマイラーズCと京成杯オータムハンデでした。舞台が異なるので必ずしも合致するものではありませんが、これらから分かることはソウルラッシュは間違いなく時計のかかる展開が得意ということです。特に東京コースは時計が出やすく、長い直線から末脚の性能が必然的に求められることからすれば、パワーが求められる阪神などのコース以上に展開の助けが必要になるでしょう。近年の安田記念からすれば1:31台の時計が多く、一昨年のような時計は稀であると考えるべきで、仮に通常からハイペースになった場合にはこの馬には辛いレースになると予想できます。これらを踏まえると安田記念はソウルラッシュにとって相性の悪いレースといえそうです。
 ただし、今年の逃げ馬を考えたときには必ずしもソウルラッシュにとって辛い展開ばかりではないように思います。今年の逃げ馬候補はドーブネとウインカーネリアンが挙げられます。ウインカーネリアンは昨年も出走しており、同舞台に東京新聞杯の出走があります。それらを見ると前半600mを34.2~34.4秒のペースで逃げており、もちろん他の逃げ馬がいた場合にはこれ以上に早くなると思いますが、ハナを争うことなく進めた場合には今回もそのペースで逃げるでしょう。これに対してドーブネは、逃げて好走した場合にはほぼ全てかなりのスローペースで進めています。ドーブネがハナ争いに勝つパターンはドーブネのスタートが非常に良く、ウインカーネリアンがハナを譲ったときだと思いますが、そうなればスローペースになる可能性は非常に高いでしょう。このようにドーブネが逃げる展開となった場合には、ソウルラッシュに展開が向くと考えられます。ドーブネの逃げと一心同体とまではいかないまでも安田記念で好走するにはそのような展開の助けが是非欲しい1頭と結論づけたいと思います。
 このように考えても、近走の内容や追い切りの様子からはおそらくキャリア史上最も調子が良いと評価できる状態だと思います。前走以上のレベルにあるかはどうかもそれを維持したレベルにはあると考えられます。陣営のコメントからもかなりの自信があるようですし、GⅠまであと一歩という状態にあると見て良いでしょう。ここは馬券から完全に外すのではなくオッズ次第でという扱いにします。

買い目

良馬場想定(1:31秒台想定)

◎ セリフォス
◯ ガイアフォース
▲ ナミュール
△ レッドモンレーヴ・ウインカーネリアン・ヴォイッジバブル・エルトンバローズ
☆ ロマンチックウォリアー

複勝 ◎ セリフォス
3連複 ◎ ー ◯・▲・☆ ー ◯・▲・△・☆

重馬場想定(1:32秒台想定)

◎ ソウルラッシュ
◯ ロマンチックウォリアー
▲ ヴォイッジバブル
△ セリフォス・ステラヴェローチェ
☆ ガイアフォース

ワイド ◎ソウルラッシュ ー ◯ロマンチックウォリアー
3連複 ◎ ー ◯ ー ▲・△・☆

※当日追記
 当日15時段階では馬場状態は稍重でクッション値は8.8で標準程度、小雨が降っています。ダートに関しては重馬場です。正直雨が降るなら重まで悪化するだろうと楽観視していました。稍重ならば以後悪化するような状態ではなくほぼ良と見て良い状態だと考えていたので、残りの時間で悪化の可能性がある現在のような微妙な状態の予想は出来ていません。
 ただし、やはり稍重ということで良馬場開催ほどの時計は出ないと想定できます。1:32秒前半を想定してソウルラッシュの評価を上げたいと思います。また、馬体は間違いなくソウルラッシュがトップ評価です。本命をソウルラッシュにして◯セリフォス、▲ガイアフォース、△ナミュール、☆ロマンチックウォリアーとして馬券を購入したいと思います。

予想印
◎ ソウルラッシュ
◯ セリフォス
▲ ガイアフォース
△ ナミュール
☆ ロマンチックウォリアー

買い目
ワイド
 軸 ◎ソウルラッシュ
 相手 ◯セリフォス・▲ガイアフォース

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