東方永夜抄検定!(解説編)

※本記事は、Discordの東方Projectファンコミュニティサーバー「夢幻桃園 ~ Cyber Gensokyo.」による東方アドベントカレンダー企画に参加しています。

皆さんこんにちは、yukkuriyutoです。

こちらでは、先日公開した「東方永夜抄検定!」の詳細な解説を記載していきます。
「まだ解いていないよ!」という方は、先に問題を解いてから解説を見ることを強く推奨します。

尚、かなり分量が多いので、必要なところだけ見てください。また、一部解説が重複している部分があります。

※解説中の「th〇〇」は、東方作品の番号を示している。
(例)th08→第8弾(東方永夜抄)
※難易度は★~★★★★★の五段階評価。

1.Easyの解説

1-1.設問概観

 東方永夜抄に関する基本的な知識を問う問題。東方を知りたての方でも気軽に解けるよう、誰もが目にしたことがあるような選択肢が必ず一つは入っているようにした(つもりである)。
 問4や問5は原作を一度プレイしないと厳しいところがあるかもしれないが、問1~問3までは容易に回答できたと思われる。

1-2.各設問の解説

問1 難易度:★
 正解は④八意永琳である。以下、各キャラクターの概要を補足する。

「チルノ」東方紅魔郷(th06)で初出のキャラクターで、「冷気を操る程度の能力(氷を操る程度の能力)」をもつ。その後も東方妖々夢(th07)、東方花映塚(th09)、東方輝針城(th14)、東方天空璋(th16)など数多くの作品で登場しているが、東方永夜抄(th08)では登場していない。

「東風谷早苗」東方風神録(th10)で初出のキャラクターで、「奇跡を起こす程度の能力」をもつ。その後も東方地霊殿(th11)にてExボスで登場する他、東方星蓮船(th12)、東方神霊廟(th13)、東方紺珠伝(th15)、東方虹龍洞(th18)で自機になるなど、登場回数は多い。しかし、東方永夜抄(th08)は東方風神録(th10)より前の作品であるため、東方永夜抄には登場していない。

「稀神サグメ」東方紺珠伝(th15)で初出のキャラクターで、「 口に出すと事態を逆転させる程度の能力」をもつ。②と同様、東方永夜抄(th08)は東方紺珠伝(th15)より前の作品であるため、東方永夜抄には登場していない。

「八意永琳」東方永夜抄で初出のキャラクターで、「あらゆる薬を作る程度の能力」をもつ。永夜抄では6A面中ボス・6A面ボス・6B面中ボスを担っているが、5面でも会話の際に登場する。

問2 難易度:★
 正解は③プレインエイジアである。以下、各楽曲の概要を補足する。

「広有射怪鳥事 ~ Till When?」は東方妖々夢(th07)の5面ボス、魂魄妖夢のテーマ曲。「ひろありけてふ(ちょう)をいること」と読む。妖夢は東方永夜抄に自機として登場してはいるが、このテーマ曲が流れる場面はない。

「少女さとり ~ 3rd eye」は東方地霊殿(th11)の4面ボス、古明地さとりのテーマ曲。まさに曲名通りである。東方永夜抄(th08)は東方地霊殿(th11)より前の作品であるため、この楽曲は東方永夜抄に収録されていない。

「プレインエイジア」は東方永夜抄の3面ボス、上白沢慧音のテーマ曲。曲名は「Plain Asia」などと推測され、「飾りっ気のない東方」などの意味が込められている。

「ネイティブフェイス」は東方風神録(th10)のExボス、洩矢諏訪子のテーマ曲。曲名は「Native Faith」などと推測され、直訳すれば「土着信仰」という意味である。東方永夜抄(th08)は東方風神録(th10)より前の作品であるため、この楽曲は東方永夜抄に収録されていない。

問3 難易度:★
 正解は①偶像を作り出す程度の能力。「どのキャラクターも持っていない能力」を選ぶことに注意すること。以下、各能力の概要を補足する。

「偶像を作り出す程度の能力」は東方鬼形獣(th17)の6面ボス、埴安神袿姫の能力。東方永夜抄(th08)は東方鬼形獣(th17)より前の作品であるため、この能力は該当しない。

「歴史を創る程度の能力」は東方永夜抄のEx面中ボス、上白沢慧音(白沢時)の能力。人間時は「歴史を食べる(隠す)程度の能力」である。

「老いる事も死ぬ事も無い程度の能力」は東方永夜抄のEx面ボス、藤原妹紅の能力。炎を操る力が目立つことが多いが、そちらは彼女が身につけてきた妖術の一つであり、「~程度の能力」という形では本編に登場していない。

「蟲を操る程度の能力」は東方永夜抄の1面ボス、リグル・ナイトバグの能力。「蟲」は「むし」と読み、小さな生物(特に昆虫類)を指すことが多い。余談だが、彼女の種族は妖怪(妖蟲)である。

問4 難易度:★★
 正解は①霊夢/紫である。以下、人間と妖怪の正しい組み合わせを補足する。

霊夢とペアになるのはである。この組は幻想の結界チーム(結界組)と呼ばれ、当たり判定が小さく、ラストスペルの受付時間が長くなる他、人間時にどの使い魔にあたっても被弾判定にならないという特徴がある。

魔理沙とペアになるのはアリスである。この組は禁呪の詠唱チーム(詠唱組)と呼ばれ、アイテムの回収範囲が大きくなり、人間時にパワーが最大でなくてもアイテムを自動回収できるという特徴がある。

咲夜とペアになるのはレミリアである。この組は夢幻の紅魔チーム(紅魔組)と呼ばれ、グレイズ判定が大きくなり、ボムを抱え落ちするとボムアイテムが一つ出てくる他、人間時にアイテムの落下速度が低下するという特徴がある。

妖夢とペアになるのは幽々子である。この組は幽冥の住人チーム(幽冥組)と呼ばれ、ステージクリア時にボムストックが二個以下なら一個増加する他、人間側の妖率ゲージが半分になるという特徴がある。

問5 難易度:★★
 正解は②森羅結界である。「関係のない語句」を選ぶことに注意。以下、各選択肢の補足をする。

「刻符」は永夜抄特有のアイテムで、特定の条件を満たすと自動的に自機に吸収されるボーナスアイテムである。取るとスコアの上昇につながる他、各ステージで定められた刻符ノルマを超えると「ランク甲」となり、ステージ終了時の時間の進みが1時間(二刻)から30分(一刻)に短縮される。

「森羅結界」は妖々夢特有のシステムで、桜点+を5万点集めると自動で展開される。発動中はアイテムが自動回収になり、被弾時に残機を消費する代わりに霊撃が発動する。霊撃は結界終了までの任意のタイミングで発動させることもでき、この際に敵弾を消すことができる。

「決死結界」は永夜抄特有のシステムで、自機が被弾したときに展開される生死の結界。決死結界展開中にボムボタンを押すと、ボムのストックを2つ(残り1つの場合は1つだけ)消費してラストスペルを発動でき、この際被弾をなかったことにできる。尚、被弾してから決死結界の間、ほんの数フレームだけ(従来の)喰らいボムをする猶予がある。

「ラストワード」は東方永夜抄(th08)及び東方心綺楼(th13.5)に登場するシステムである。東方永夜抄においては、特定の条件を満たすとスペルプラクティスで挑戦できる最終奥義のスペルカードのことを指す。余談だが、スペルプラクティスには極意(ラストワード)との表記がされている。

2.Normalの解説

2-1.設問概観

 東方永夜抄に関する標準的な知識を問う問題。内部の設定に踏み込みすぎず、かつ永夜抄固有の内容をストレートに尋ねた設問が多い。
 原作を何度かプレイしたことがあれば反射で答えられる設問ではあるが、全員が原作をプレイするわけでもないということを考えると、完答できた人は東方永夜抄に関する知識に自信を持って良いのではないだろうか。

2-2.各設問の解説

問1 難易度:★★
 正解は③子の刻(23:00)である。東方永夜抄は、人妖チームが(夜を止めてでも)夜明けまでに満月の異変を解決しようとするストーリーであり、ゲーム上では23:00から始まって5:00までに異変を解決しなければゲームオーバーとなる。
 従来の作品とは異なり、コンティニューの回数には制限が設けられていないが、コンティニュー1回につき30分(一刻)時間が進むため、コンティニューをしすぎるとクリアが遠のいてしまう。

問2 難易度:★
 正解は④4面⑥6面である。以下、それぞれの分岐について解説する。

④永夜抄の4面は自機によって変わり、詠唱組・紅魔組を選んだ場合は4A面(ボス:霊夢)、結界組・幽冥組を選んだ場合は4B面(ボス:魔理沙)に進む。いずれの場合も道中は全く同じであり、5面以降の展開に変化があるわけではない。但し、4A面は刻符ノルマが全難易度共通で9999なのに対し、4B面はEasyのみ7500、その他の難易度は8500となっており、割と大きく異なっている。

⑥永夜抄の6面はコンティニュー状況及びゲームのプレイ状況によって変わり、1回目のプレイまたはコンティニューを1回でもした場合は6A面(ボス:永琳)、2回目以降のプレイかつコンティニューをしていない場合は6B面(ボス:輝夜)に進む。但し、6A面・6B面のどちらにも言ったことがあり、かつコンティニューしていない場合に限り、どちらの面に進むか選択することができる。
 6A面・6B面は道中の敵弾幕・背景がともに異なっており、クリア時のエンディングも異なる。また、6A面は残機0で被弾したら(夜明けにならない場合)コンティニューが可能だが、6B面は残機0で被弾した時点でゲームオーバーになる。

問3 難易度:★
 正解は①蓬莱山輝夜②八意永琳③藤原妹紅である。作中では、彼女たちの他に徐福が蓬莱の薬を摂取したということが言及されている(不死「徐福時空」のスペルプラクティスのコメント)。以下、この3人の蓬莱の薬に関する補足をする。尚、①②の詳細はLast Wordの問7の解説に回し、ここでは簡略な説明に留めた。

蓬莱山輝夜は元月の姫である。彼女は興味本位で永琳に蓬莱の薬を作らせてそれを服用し、その罰として地上に落とされた。

八意永琳は元月の住人である。彼女は輝夜のために不死の薬を作った他、自身も蓬莱の薬を服用した。

藤原妹紅は貴族の父を持つ地上人である。父が輝夜に恥をかかされて以来、輝夜に対し敵対心を抱いていたが、月から輝夜の迎えが来たと知り、せめて輝夜が残したという「薬の壺」を奪って輝夜に一矢報いようとした。
 妹紅は「薬の壺」を奪うことに成功したが、その正体は蓬莱の薬であった。それを服用した結果、住む場所を転々と変え、やがて人里離れた山奥でひっそりと暮らすようになった。そしてある日、山奥で輝夜を見かけて以来、輝夜と殺し合うのが日常となっている。妹紅はそうした日々を「なんて充実した毎日だろう」と形容している。
 尚、蓬莱の薬を服用しているとはいえど、妹紅の回復能力はあまりに強力である。このことについて、Ex面における詠唱組との会話を根拠に、妹紅は蓬莱の薬を3回服用したのではないか、とする説もある。

問4 難易度:★★
 正解は①東方妖怪小町⑥月まで届け、不死の煙⑦蠢々秋月 ~ Mooned Insectである。「4面・5面・6面のいずれの面でも流れない楽曲」であることに留意する必要がある。以下、各選択肢の楽曲を補足する。

「東方妖怪小町」はラストワード挑戦時に流れる楽曲である。ラストワードはスペルプラクティスモードでのみ挑戦できる。

「ヴォヤージュ1969」は東方永夜抄6A面・6B面の道中曲(共通)である。「ヴォヤージュ」は「voyage」と書き、「航海」などの意味を表す。ここでは1969年のアポロ11号の月面着陸計画を指す。

「ヴォヤージュ1970」は東方永夜抄6A面・6B面のラストスペル発動時に流れる楽曲である。6A面の場合は禁薬「蓬莱の薬」、6B面の場合は「永夜返し」発動中に流れる。曲名は、1970年のアポロ13号の有人月面飛行計画を指す。

「永夜の報い ~ Imperishable Night.」は東方永夜抄4A面・4B面の道中曲(共通)である。副題は永夜抄のタイトルと同じで、「不滅の夜」などの意味がある。

「狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon」は東方永夜抄の5面ボス、鈴仙・優曇華院・イナバのテーマ曲である。副題は「不可視の満月」などの意味がある。

「月まで届け、不死の煙」は東方永夜抄のEx面ボス、藤原妹紅のテーマ曲である。

「蠢々秋月 〜 Mooned Insect」は東方永夜抄の1面ボス、リグル・ナイトバグのテーマ曲である。曲名は「しゅんしゅんしゅうげつ」と読み、副題は「月形の虫」などの意味がある。

問5 難易度:★★
 正解はである。以下、各楽曲と能力の補足をする。

「シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome」は東方永夜抄5面道中曲である。副題は童謡の「カゴメカゴメ」を指すと思われる。
 「狂気(波長)を操る程度の能力」は東方永夜抄の5面ボス、鈴仙・優曇華院・イナバの能力である。

「懐かしき東方の血 ~ Old World」は東方永夜抄3面道中曲である。この面のボスは上白沢慧音
「魔法を使う程度の能力」は東方永夜抄の4B面ボス、霧雨魔理沙の能力である。彼女の永夜抄におけるテーマ曲は恋色マスタースパーク

「エクステンドアッシュ ~ 蓬莱人」は東方永夜抄Ex面道中曲である。この面のボスは藤原妹紅
「あらゆる薬を作る程度の能力」は東方永夜抄の6A面ボス、八意永琳の能力である。彼女のテーマ曲は千年幻想郷 〜 History of the Moon

「幻視の夜 ~ Ghostly Eyes」は東方永夜抄1面道中曲である。この面のボスはリグル・ナイトバグ
「歌で人を狂わせる程度の能力」は東方永夜抄の2面ボス、ミスティア・ローレライの能力である。彼女のテーマ曲はもう歌しか聞こえない

3.Hardの解説

3-1.設問概観

 東方永夜抄に関する細部の知識を問う問題。Normalと比べると、やや解答に苦労する場面が多かったものと思われる。「全て選びなさい」という設問では、正解の選択肢の個数を絞り込むのも困難であるため、解答に躊躇した人も多いかもしれない。
 とは言え、正解には辿り着けずとも、二択に絞り込むなど正解に近い答えを出せた人は一定数いるかもしれない。

3-2.各設問の解説

問1 難易度:★★★
 正解は⑦「寅の二つ」である。東方永夜抄のゲーム本編において、時刻は次のように変化する。

・刻符ノルマ達成30分(一刻)進む
・刻符ノルマ未達成1時間(二刻)進む
コンティニュー1回30分(一刻)進む
・開始は子の刻(23:00)、夜明け(5:00)になるとゲームオーバー
・ラストスペルの発動回数は時刻に影響しない

与えられた結果を見ると、刻符ノルマ達成は3回、刻符ノルマ未達成は2回、コンティニューは3回であるから、時刻の経過は次のように計算できる。
0.5×3+1×2+0.5×3=5(時間)
よってこのときの時刻は4:00、即ち寅の二つになる。

問2 難易度:★★★★
 正解は⑤神宝「ブリリアントドラゴンバレッタ」のみである。以下、各スペルカードの概要を説明する。

彗星「ブレイジングスター」は東方萃夢想(th7.5)で登場するスペルカードで、使用者は霧雨魔理沙である。東方永夜抄には「ブレイジングスター」というラストワードがあるが、「彗星」との表記は付されていないので誤りである。

「千切れもがき苦しむ蟲の怨み」はバレットフィリア達の闇市場(th18.5)で登場するスペルカードで、使用者は姫虫百々世である。「蟲」を見てリグル・ナイトバグを思い浮かべた人もいるかもしれないが、このスペルカードは東方永夜抄では登場していないので誤りである。

波符「幻の月(インビジブルハーフムーン)」は東方文花帖(th9.5)で登場するスペルカードで、使用者は鈴仙・優曇華院・イナバである。東方永夜抄には散符「真実の月(インビジブルフルムーン)」というスペルカードがあるが、これとは別のスペルカードであるため誤りである。

「蓬莱の薬槽」というスペルカードはまだ東方Projectの作品群に登場していないが、東方ロストワードにおいて、「善意と良心の慈愛院 蓬莱山輝夜」のラストワードとして登場している。

神宝「ブリリアントドラゴンバレッタ」は東方永夜抄で登場するスペルカードで、使用者は蓬莱山輝夜である。Hard/Lunaticで登場するスペルカードであり、Easy/Normalは難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」が代わりに発動される。
 スペルカード名は直訳すると「立派な龍の髪飾り」という意味だが、スペルプラクティスのコメントを見ると「バレッタ」に「bullet(弾丸)」をかけているとも見られる。

新難題「金閣寺の一枚天井」は東方文花帖(th9.5)で登場するスペルカードで、使用者は蓬莱山輝夜である。文花帖の最難関スペルとも言われ、その難しさから「漢は黙って金閣寺」という発言も生まれてしまったほどである。とはいえ、東方永夜抄ではこのスペルカードは登場していないので誤りである。
 尚、ダブルスポイラー(th12.5)において、古明地さとりが想起「うろおぼえの金閣寺」を発動するが、このスペルカードを意図したものであることは間違いない。

「リザレクション」は藤原妹紅が使用する。東方永夜抄のEx面において、藤原妹紅はスペルカードが1枚終わる度に「リザレクション」を発動して再生するが、これ自体はスペルカードではないので誤りである。尚、「パゼストバイフェニックス」の発動前のみ、例外的にレザレクションをせずにスペルカードに移行する。

紫奥義「弾幕結界」は東方妖々夢に登場するスペルカードで、使用者は八雲紫である。Phantasmの最後に発動される耐久スペルカードであり、東方永夜抄にもラストワードに「深弾幕結界-夢幻泡影-」という上位互換のスペルカードが登場するが、登場作品が異なるため誤りである。

霊符「夢想妙珠」は博麗霊夢のスペルカード。東方萃夢想(th7.5)で登場する他、東方永夜抄でも自機スペルカードとして登場する。しかし、4A面で戦闘時には同一名称のスペルカードが放たれないため、「自機のものを除く」という条件よりこれも誤りとなる。

月「ルナティックインパクト」は東方紺珠伝(th15)で登場するスペルカードで、使用者はヘカーティア・ラピスラズリである。月と関係があるとは言え、東方永夜抄には登場していないので誤りである。

問3 難易度:★★★
 正解は①シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome②永夜の報い ~ Imperishable Night.である。以下、各選択肢の楽曲の補足をする(Normal以下と被る部分もあるがご了承ください)。

「シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome」は東方永夜抄5面道中曲である。副題は童謡の「カゴメカゴメ」を指すと思われる。
 5面道中で登場するボス(中ボス)は因幡てゐであるが、彼女は通常弾幕を2種類放つのみで、スペルカードは発動しない。それゆえ、条件に適合する。

「永夜の報い ~ Imperishable Night.」は東方永夜抄4A面・4B面の道中曲(共通)である。副題は永夜抄のタイトルと同じで、「不滅の夜」などの意味がある。
 4面道中では、A・B面共に中ボスが存在せず、道中が終了すると即座にボス曲に移り変わる。それゆえ、条件に適合する。

「東方妖怪小町」はラストワード挑戦時に流れる楽曲である。ラストワードはスペルプラクティスモードでのみ挑戦できる。
 本編ではこの楽曲を聞くことが出来ないので、条件には適合しない。

「月見草」は東方永夜抄のエンディング曲で、題名はアカバナ科マツヨイグサ属に属する多年草である。
 条件よりED曲は除くので、条件には適合しない。

「少女綺想曲 ~ Dream Battle」は東方永夜抄4A面ボス、博麗霊夢のテーマ曲である。この楽曲は東方幻想郷(th04)に収録されている「少女綺想曲 ~ Capriccio」のアレンジとなっている。
 4A面では霊夢がスペルカードを発動し、本編でもスペルプラクティスでもこの楽曲を聞くことができるため、条件には適合しない。

「幻視の夜 ~ Ghostly Eyes」は東方永夜抄1面道中曲である。「幻視」には「原始」の意味がかかっており、副題の「Ghostly Eyes」は霊の眼などの意味である。
 Hard/Lunaticでは、リグル・ナイトバグが中ボスとして登場した際にスペルカードを発動する。Easy/Normalでは発動しないため引っかかった人もいるかもしれないが、これも⑤と同様の理由で条件には適合しない。

「エクステンドアッシュ ~ 蓬莱人」は東方永夜抄Ex面道中曲である。「エクステンドアッシュ」は「降り続ける火山灰」、「立ち上る不死の煙」といった意味が込められており、副題の「蓬莱人」は蓬莱の薬を服用した人のことを指す。
 Ex面道中では上白沢慧音(白沢時)がスペルカードを発動するため、⑤と同様の理由で条件には適合しない。

「ヴォヤージュ1969」は東方永夜抄6A面・6B面の道中曲(共通)である。「ヴォヤージュ」は「voyage」と書き、「航海」などの意味を表す。ここでは1969年のアポロ11号の月面着陸計画を指す。
 6面道中では、A・B面共に八意永琳が中ボスとして登場し、それぞれ異なるスペルカードを発動する。よって、⑤と同様の理由で条件には適合しない。

「ヴォヤージュ1970」は東方永夜抄6A面・6B面のラストスペル発動時に流れる楽曲である。6A面の場合は禁薬「蓬莱の薬」、6B面の場合は「永夜返し」発動中に流れる。曲名は、1970年のアポロ13号の有人月面飛行計画を指す。
 ラストスペル発動時のテーマ曲であり、6面最終スペルが突破できれば自動的に(6B面では少なくとも一つ)ラストスペルが発動されるので、⑤と同様の理由で条件には適合しない。

「竹取飛翔 ~ Lunatic Princess」は東方永夜抄6B面のボス、蓬莱山輝夜のテーマ曲である。副題の「Lunatic Princess」は「月のお姫様」という意味である。
 6B面はコンティニューを1回もしていなかった場合(かつ一度6A面をクリアしている場合)のみ到達できるので、条件には適合しない。

問4 難易度:★★★
 正解はである。以下、各選択肢のコメントについて補足を加える。

①は「ライフゲーム」「医療」から、該当スペルカードの発動者が八意永琳であると分かる。このコメントは蘇生「ライジングゲーム」(Hard)のものである。
 「ライフゲーム」は、イギリスの数学者ジョン・H・コンウェイによって考案された、生命の誕生や死を計算機上でシミュレーションするゲームである。尚、「ライジング」は「蘇生」という意味である。

②「無限に湧く生命の泉」から神宝「ライフスプリングインフィニティ」を指すことが分かる(このコメントはHardのもの)。Hard/Lunaticで登場するスペルカードであり、Easy/Normalは難題「燕の子安貝 -永命線-」が代わりに発動される。尚、これが分からなくても、「蓬莱の玉」「燕の子安貝」という五つの難題の名称が入っているので、所持者が蓬莱山輝夜であることはすぐに分かる。
 「無限に湧く生命の泉」は、換言すれば「永命」ということにもなる。そもそもEasy/Normalのスペルカード名である「燕の子安貝」とは、燕が卵を生むときに出す貝のことであり、女性の安産のお守りともされている。「永命線/泉」とは、生まれてくる子供の命が永遠に続くものであることを祈願するものであると推測される。

③「三種の神器」「神話時代」から、該当スペルカードの発動者が上白沢慧音であると分かる。このコメントは国符「三種の神器 剣」のものである。
 三種の神器は、天孫降臨の際に、天照大神から地上に下るニニギに授けられた剣と玉と鏡のことである。このうち、「剣」とは「天叢雲剣(草薙剣)」を指す。

④「正直者は馬鹿を見る」から滅罪「正直者の死」を指すことが分かる。このスペルカードの所持者は藤原妹紅である。
 このスペルカードは名前の通り初見殺しの弾幕であるが、その弾幕の性質から、通称「大回転避け」と呼ばれる避け方も生み出された。無論、正攻法より大回転避けの方が難易度が高い。

⑤「樹海」「回転罠」から「蓬莱の樹海」を指すことが分かる。このスペルカードの所持者は蓬莱山輝夜である。
 蓬莱の樹海は、富士山北西麓にある「青木ヶ原樹海」のことを指す。この地には方位磁石が狂うという都市伝説がある他、自殺の名所としても有名である。

⑥「不死鳥」「蓬莱の薬」から、該当スペルカードの発動者が藤原妹紅であると分かる。このコメントは不滅「フェニックスの尾」のものである。
 「フェニックスの尾」はファイナルファンタジーシリーズの消費アイテムで、戦闘不能状態を回復する。尚、東方虹龍洞(th18)では「不死鳥の尾」というアビリティカードが登場する。

⑦少々厳しいが、「4時も過ぎれば」「何時から朝なのか」といった表現から、このコメントは「永夜返し -寅の三つ-」のものである。所持者は蓬莱山輝夜

⑧「アポロチョコ」から天呪「アポロ13」を指すことが分かる(このコメントはLunaticのもの)。このスペルカードの所持者は八意永琳である。
 アポロ13号は1970年に発射されたが、トラブルに見舞われやむなく月面着陸を断念することになった。一連の出来事については、Lunaticの問4を参照すること。

以上より、①⑧八意永琳、②⑤⑦蓬莱山輝夜、④⑥藤原妹紅、③上白沢慧音であるから、③が正解となる。

問5 難易度:★★★
 正解はである。「誤りを含むもの」を選ぶことに注意。
 鈴仙・優曇華院・イナバは、八意永琳からは「レイセン」蓬莱山輝夜からは「イナバ」と呼ばれている。尚、永琳も輝夜も時と場合に応じて「鈴仙」と使う場合があるが、東方永夜抄の作品中ではその事実は明かされていない。

問6 難易度:★★★★
 正解はである。ウは、永夜返しで計20(=4×5)枚スペルカードを所持している蓬莱山輝夜だと分かるが、ア・イは数え上げるしかない。以下、各キャラクターの所持スペルカードを列記する。
※E:Easy N:Normal H:Hard L:Lunatic
※「通常スペル」はラストスペル・ラストワードを除くが、自機スペルカードを含む。
※「*」は重複するものを示す。

・上白沢慧音
→通常スペル合計:15枚 全スペル合計:18枚

<道中第1スペル>
産霊「ファーストピラミッド」(共通)

<3面第1スペル>
始符「エフェメラリティ137」(N/H/L)

<3面第2スペル>
野符「武烈クライシス」(E)
野符「将門クライシス」(N)
野符「義満クライシス」(H)
野符「GHQクライシス」(L)

<3面第3スペル>
国符「三種の神器 剣」(E)
国符「三種の神器 玉」(N)
国符「三種の神器 鏡」(H)
国体「三種の神器 郷」(L)

<3面第4スペル>
終符「幻想天皇」(E/N)
虚史「幻想郷伝説」(H/L)

<3面ラストスペル>
未来「高天原」(N/H/L)

<Ex面第1スペル>
旧史「旧秘境史 -オールドヒストリー-」

<Ex面第2スペル>
転世「一条戻り橋」

<Ex面第3スペル>
新史「新幻想史 -ネクストヒストリー-」

<ラストワード>
「日出づる国の天子」(人間時)
「無何有浄化」(白沢時)

・博麗霊夢
→通常スペル合計:12枚 全スペル合計:14枚

<自機スペルカード>
霊符「夢想妙珠」

<自機ラストスペル>
神霊「夢想封印 瞬」 (*1)

<4A面第1スペル>
夢符「二重結界」(E/N)
夢境「二重大結界」(H/L)

<4A面第2スペル>
霊符「夢想封印 散」(E/N)
散霊「夢想封印 寂」(H/L)

<4A面第3スペル>
夢符「封魔陣」(E/N)
神技「八方鬼縛陣」(H)
神技「八方龍殺陣」(L)

<4A面第4スペル>
霊符「夢想封印 集」(E/N)
回霊「夢想封印 侘」(H/L)

<4A面第5スペル>
境界「二重弾幕結界」(E/N)
大結界「博麗弾幕結界」(H/L)

<4A面ラストスペル>
神霊「夢想封印 瞬」(N/H/L) (*1)

<ラストワード>
「夢想天生」

・霧雨魔理沙
→通常スペル合計:11枚 全スペル合計:13枚

<自機スペルカード>
恋符「マスタースパーク」 (*1)

<自機ラストスペル>
魔砲「ファイナルスパーク」 (*2)

<4B面第1スペル>
魔符「ミルキーウェイ」(E/N)
魔空「アステロイドベルト」(H/L)

<4B面第2スペル>
魔符「スターダストレヴァリエ」(E/N)
黒魔「イベントホライズン」(H/L)

<4B面第3スペル>
恋符「ノンディレクショナルレーザー」(E/N)
恋風「スターライトタイフーン」(H/L)

<4B面第4スペル>
恋符「マスタースパーク」 (E/N) (*1)
恋心「ダブルスパーク」(H/L)

<4B面第5スペル>
光符「アースライトレイ」(E/N)
光撃「シュート・ザ・ムーン」(H/L)

<4B面ラストスペル>
魔砲「ファイナルスパーク」(N/H) (*2)
魔砲「ファイナルマスタースパーク」(L)

<
ラストワード>
「ブレイジングスター」

・蓬莱山輝夜
→通常スペル合計:10枚 全スペル合計:31枚

<6面第1スペル>
難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」(E/N)
神宝「ブリリアントドラゴンバレッタ」(H/L)

<6面第2スペル>
難題「仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-」(E/N)
神宝「ブディストダイアモンド」(H/L)

<6面第3スペル>
難題「火鼠の皮衣 -焦れぬ心-」(E/N)
神宝「サラマンダーシールド」(H/L)

<6面第4スペル>
難題「燕の子安貝 -永命線-」 (E/N)
神宝「ライフスプリングインフィニティ」(H/L)

<6面第5スペル>
難題「蓬莱の弾の枝 -虹色の弾幕-」(E/N)
神宝「蓬莱の玉の枝 -夢色の郷-」(H/L)

<6面第1ラストスペル>
「永夜返し -初月-」(E)
「永夜返し -三日月-」(N)
「永夜返し -上つ弓張-」(H)
「永夜返し -待宵-」(L)

<6面第2ラストスペル>
「永夜返し -子の刻-」(E)
「永夜返し -子の二つ-」(N)
「永夜返し -子の三つ-」(H)
「永夜返し -子の四つ-」(L)

<6面第3ラストスペル>
「永夜返し -丑の刻-」(E)
「永夜返し -丑の二つ-」(N)
「永夜返し -丑三つ時-」(H)
「永夜返し -丑の四つ-」(L)

<6面第4ラストスペル>
「永夜返し -寅の刻-」(E)
「永夜返し -寅の二つ-」(N)
「永夜返し -寅の三つ-」(H)
「永夜返し -寅の四つ-」(L)

<6面第5ラストスペル>
「永夜返し -朝靄-」(E)
「永夜返し -夜明け-」(N)
「永夜返し -明けの明星-」(H)
「永夜返し -世明け-」(L)

<
ラストワード>
「蓬莱の樹海」

4.Lunaticの解説

4-1.設問概観

 東方永夜抄に関する極細部の知識を問う問題。設問があまりにもマニアックであり、どの問題も正答にたどり着くのが極めて難しい。Hardのように何とか二択に絞り込める、ということもなかったのではないだろうか。
 設問解説を見ると分かるが、選択肢もかなり巧妙に作られており、かなり深いレベルの知識を問われている。Hardまでには無かった並び替え問題が加わったことも、難しさの原因の一つか。
 もし一問だけでも答えがあってたという方がいたら、敬服の意を示したい。完答した人には賞金を用意してもいいくらいかもしれない(流石に用意していないが)。

4-2.各設問の解説

問1 難易度:★★★★★
 正解は⑥→⑨→⑩→⑧である。以下、各選択肢のスペルカード(の正しい表記)を補足する。

①八意永琳は、6A面の道中スペルとして天丸「壺中の天地」(E~L)、6B面の道中スペルとして薬符「壺中の大銀河」(E~L)を発動するが、薬符「壺中の天地」というスペルカードは存在しない。

②蓬莱山輝夜は、第5スペルとして難題「蓬莱の弾の枝 -虹色の弾幕-」(E/N)または神宝「蓬莱の玉の枝 -夢色の郷-」(H/L)を発動するが、難題「蓬莱のの枝 -虹色の弾幕-」というスペルカードは存在しない。

③霧雨魔理沙は、第4スペルとして恋符「マスタースパーク」(E/N)または恋心「ダブルスパーク」(H/L)を発動するが、恋ダブルスパーク」というスペルカードは存在しない。

④藤原妹紅は、第10スペルとして「蓬莱人形」を発動する。咒詛「蓬莱人形」は、東方萃夢想(th7.5)及び東方緋想天(th10.5)に登場する、アリス・マーガトロイドのスペルカードである。余談だが、東方永夜抄Ex面のステージタイトルは「蓬莱人形」である。

⑤鈴仙・優曇華院・イナバのラストワードは「幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)」であり、「幻朧月(ルナティックレッドアイズ)」というスペルカードは存在しない。

⑥ミスティア・ローレライは、第1スペルとして蛾符「天蛾の蠱道」(E/N)または毒符「毒蛾の鱗粉」(H)または猛毒「毒蛾の暗闇演舞」を発動する。

⑦上白沢慧音は、Ex面における第2スペルとして転世「一条戻り橋」を発動するが、転「一条戻り橋」というスペルカードは存在しない。

⑧西行寺幽々子のラストワードは「西行寺無余涅槃」である。このスペルは、東方妖々夢(th07)に登場する「反魂蝶」と同種のスペルカードである。

⑨博麗霊夢は、第3スペルとして夢符「封魔陣」(E/N)または神技「八方鬼縛陣」(H)または神技「八方龍殺陣」を発動する。

⑩蓬莱山輝夜は、第5ラストスペルとして「永夜返し -朝靄-」(E)または「永夜返し -夜明け-」(N)または「永夜返し -明けの明星-」(H)または「永夜返し -世明け-」(L)を発動する。

問2 難易度:★★★★★
 正解は⑤→②→③→①である。以下、各選択肢に当てはまる語句を補足する。

①空欄に当てはまるのは「須臾」で、総画数は21(=12+9)である。「須臾」は「しゅゆ」などと読み、辞書的には「短い時間。しばらくの間。ほんの少しの間。」という意味をもつ。蓬莱山輝夜は、「永遠と須臾の罪人」という二つ名を持つ。

②空欄に当てはまるのは「隠蟲」で、総画数は32(=14+18)である。「蟄居」とは、虫などが冬篭りのために土にもぐっていることである。

③空欄に当てはまるのは「懐郷」で、総画数は27(=16+11)である。「懐郷」とは、故郷を懐かしく思うことである。

④空欄に当てはまるのは「地平線」で、条件を満たさない。「イベントホライズン」は「事象の地平面(線)」ともいい、時間方向に無限の未来まで行っても見えない時空の閉じた領域がある場合、その境界面のことを指す。

⑤空欄に当てはまるのは「槭樹」で、総画数は31(=15+16)である。「槭樹」は「かえで」と読み、植物の「楓」と同義である。また、「幽玄」は「ゆうげん」と読み、物事の趣が奥深くはかりしれないことを指す。

⑥空欄に当てはまるのは「龍」で、条件を満たさない。幽々子は3面終了時から「龍(料理)」という発言を繰り返しているが、これは蓬莱山輝夜のことを指すと推測される。作品内で明確に言及されているわけではないが、シンデレラケージという「籠」(=永遠亭)から「竹」をとる(=「竹取」)と「龍」として「飛翔」する、ということとの関連性が指摘されている。

問3 難易度:★★★★★
 正解は①・③・④・⑤である。以下、各選択肢の内容を補足する。

①前半部分は正しい。後半部分は、「最終面以降は自キャラの周りだけは見やすくなるように、背景をデザインしましたが」というのが正しい。

②前半部分、後半部分共に正しい。「lunatic」には「狂人」「馬鹿げた」などの意味があるが、原義を辿れば「lunar」という単語に由来する。この単語は「月の」などという意味を持ち、「solar」(「太陽の」)と対になっている。

③前半部分は、「輝夜の発言を聞いた霊夢は『って、何時の間に神社の中にー。』と言葉を発している。」というのが正しい。後半部分は正しい。

④前半部分は、「『寒さと殺虫剤に弱い』との記載がある」というのが正しい。尚、「蚊取り線香」については、結界組との会話の中で登場するが、リグルがそれに弱いと断定することはできない。
 後半部分は正しい。尚、「恙虫」は「つつがむし」と読み、ツツガムシ病を引き起こす菌を媒介する。

⑤「一度手をだしゃ、大人になれぬ。二度手をだしゃ、病苦も忘れる。」というのが正しい。尚、この発言を根拠に、妹紅が蓬莱の薬を三回服用したのではないか、とする説もある。

問4 難易度:★★★★★
 正解は。以下、各弾幕について補足する。尚、図Ⅰ~図Ⅳの弾幕はいずれもLunaticのものである。

図Ⅰ:見たことがない弾幕で戸惑った人もいるかもしれないが、これは1面道中ボスの通常弾幕の最終形態である。そのため、に該当する。殆どの人がこの段階に移行する前に撃破(あるいはスペルカードに移行)するため、⑤だと分かった人は多くないかもしれない。

図Ⅱ:丸弾がないことから、5面道中ボスの通常弾幕第二形態、つまりに該当する。

図Ⅲ:6面道中ボスということは分かるが、弾幕の形状だけではA・Bどちらの面のものかわからない。しかし、背景から6B面であることが分かるので、に該当する。尚、6A面では制限時間が35秒、6B面では40秒ということからも、6B面だということが分かる。

図Ⅳ:永夜返しの5番目であるから、に該当する。尚、永夜返しは1番目~4番目の耐久時間が20秒、5番目が30秒であり、被弾時の時刻の進み方の違いはこれと関係していると思われる。但し、5番目のスペルカードは(手元の環境で試したところ)カウントが14のときまで(=開始16秒まで)は二刻進んだため、「約16秒」と表記した。

図Ⅴ:妹紅の第6/7通常であることは分かるが、弾幕の形状から判断するのは困難を極める。そこで、左上の残りゲージ数を数えると、3つであることが分かるので、第7通常であると分かる。即ち、に該当する。順番を記載すると、第6通常→虚人「ウー」→第7通常、という流れである。

そして、残った選択肢を検討すると、制限時間(耐久時間)はそれぞれ次のようになる。
①20秒 ③60秒 ⑥32秒 ⑦35秒 ⑨26秒
よって正解は③となる。

問5 難易度:★★★★★ 
 正解は。以下、各選択肢の内容を補足する。

①「どの機体を選択しても、高速移動時は一部の使い魔に当たると被弾判定となる」というのが誤り。結界組(及び霊夢単騎)の人間側特技には、「敵の使い魔と接触判定を持たない」というものがあり、いかなる使い魔に接触しても被弾扱いとならない。

②「人間時と妖怪時で弾幕が変わるのは、使い魔が背負っている魔法陣の色が青色または赤色のときであり」というのが誤り。魔法陣の色により次のような違いがある。

青色:人間時に接触しても被弾判定にならない。
赤色:人間時に接触すると(霊夢を除いて)被弾判定となる。
緑色:人間時に接触しても被弾判定にならないが、人間時と妖怪時で弾幕が変わる。
黄色:人間時に接触すると(霊夢を除いて)被弾判定となり、人間時と妖怪時で弾幕が変わる。

③「どの機体においても、人間時にボム(ラストスペルを除く)を使用すると、必ず妖率ゲージが-80%を下回り」というのが誤り。幽冥組(及び妖夢単騎)の場合、人間側ゲージが50%しかないため、-40%を下回ると人間逢魔が時になる。

④正しい。この性質を利用して、所謂「マリス砲」という技が編み出された。

⑤正しい。スペルカード取得時の点数は、刻符の量や残っていた敵弾・使い魔の数に影響を受ける。

⑥「刻符ノルマは、6A面・6B面・Extra面のみ0となっている」というのが誤り。Extraの刻符ノルマは10であり、0ではない。尚、Extraで刻符ノルマを下回っていても、(少なくとも手元の環境では)条件さえ満たしていれば「インペリシャブルシューティング」が発動される。また、4A面は全難易度共通で刻符ノルマが9999、4B面はEasyのみ7500、他は8500である。

⑦「出現時に被弾しても、復活と同時に自動的に吸収される」というのが誤り。被弾した際には、復活しても自動的に吸収されることはない。尚、ボーナスアイテムとは、☆印のアイテムのことを指す。

⑧正しい。尚、文章中の「一部の機体」とは、詠唱組及び魔理沙単騎のことを指す。

問6 難易度:★★★★★ 
 正解は。以下、各組の正しい組み合わせを示す。尚、「人間側特技」は「特殊能力」とは別である(妖怪単騎のときは発動されない)。

○結界組
・高速移動(タッグ時):★★★★
・低速移動(タッグ時):★
・人間側特技:敵の使い魔と接触判定を持たない(弾封じは可能)
・特殊能力:当たり判定が小さい / 決死結界の時間が長い
・人間側ショット:マインドアミュレット
・人間側霊撃:霊符「夢想妙珠」
・人間側ラストスペル:神霊「夢想封印 瞬」
・妖怪側ショット:妖回針
・妖怪側使い魔:召喚八雲式
・妖怪側霊撃:境符「四重結界」
・妖怪側ラストスペル:境界「永夜四重結界」

○詠唱組
・高速移動(タッグ時):★★★★★★
・低速移動(タッグ時):★★
・人間側特技:フルパワーで無くても画面上部でアイテム回収可能
・特殊能力:アイテムに対する当たり判定が大きい / アイテム回収可能の有効範囲が広い
・人間側ショット:スターダストミサイル
・人間側霊撃:恋符「マスタースパーク」
・人間側ラストスペル:魔砲「ファイナルスパーク」
・妖怪側ショット:スペクトルミステリー
・妖怪側使い魔:上海人形
・妖怪側霊撃:魔符「アーティフルサクリファイス」
・妖怪側ラストスペル:魔操「リターンイナニメトネス」

○紅魔組
・高速移動(タッグ時):★★★★
・低速移動(タッグ時):★★★
・人間側特技:アイテムの落下速度が遅い
・特殊能力:かすり範囲が広い / ボムを持ったままミスすると、ボムアイテムを一つ放出する
・人間側ショット:ミステリアスジャック
・人間側霊撃:幻符「殺人ドール」
・人間側ラストスペル:幻葬「夜霧の幻影殺人鬼」
・妖怪側ショット:ナイトダンス
・妖怪側使い魔:サーヴァントフライヤー
・妖怪側霊撃:紅符「不夜城レッド」
・妖怪側ラストスペル:紅魔「スカーレットデビル」

○幽冥組
・高速移動(タッグ時):★★★★★★
・低速移動(タッグ時):★
・人間側特技:人間側が半分しかない / ステージクリア時にボムが一つ増える(3個未満時)

・特殊能力:アイテムに対する当たり判定が大きい 、アイテム回収可能の有効範囲が広い
・人間側ショット:六道怪奇
・人間側使い魔:半幽霊
・人間側霊撃:人符「現世斬」
・人間側ラストスペル:人鬼「未来永劫斬」
・妖怪側ショット:対岸の誘い
・妖怪側使い魔:死蝶霊
・妖怪側霊撃:死符「ギャストリドリーム」
・妖怪側ラストスペル:死蝶「華胥の永眠」

5.Extraの解説

5-1.設問概観

 東方永夜抄に関する幅広い知識を問う問題。Lunaticのような文字通り狂った設問はないが、Easyのような単純な設問も多くない。設問間の難易度の差にやや開きがあり、特に問4・問5は苦戦した人も多いのではないだろうか。
 Extraということもあり、設問がストーリー構成となっている(実際にこのような流れになることはめったにないとは思われるが…)。少しばかりの遊び心だと思ってくれれば幸いである。
 また、選択肢型から記述型になったことで、選択肢の見落としによるミスはなくなったが、誤字・脱字等のミスが頻発していると思われる。解答の確認の際には、細部まで間違っていないかよく確認すべし。

5-2.各設問の解説

問1 難易度:★★★
 正解は初月→三日月→上つ弓張→待宵→望月となる。各語句の解説は次の通り。説明を見ると分かる通り、徐々に月が満ちていく。

初月(Easy): 陰暦で、その月に初めて見える月。新月。
三日月(Normal): 陰暦で、毎月の第三日の夜に出る月。その月になって三日めごろに出る細い月。
上つ弓張(Hard):新月から満月に至る間の半月。ふつう、陰暦で毎月の七、八日ごろの月。上弦の月。
待宵(Lunatic):(翌一五日の月を待つ宵の意で) 陰暦八月一四日の宵。
望月(Extra):陰暦十五夜の月。満月。

問2 難易度:★★
 正解は「草木も眠る」である。空欄[ イ ]には丑三つ時が入るので、そこから連想するのは容易。尚、文章Ⅰだけでも十分解答可能だが、参考程度に文章Ⅱをつけておいた。

問3 難易度:★★★
 正解は①「インペリシャブルシューティング」・②慧音及び妹紅のスペルカードを計7枚以上取得、である。

 ①「インペリシャブルシューティング」は「Imperishable Shooting」と表記し、「不滅のシューティング」などという意味を持つ。スペルプラクティスには以下のようなコメントが残されている。

シューティングは終わらない。でもこの攻撃はシュートしていない。
そんな攻撃にこの名前を付けたのには意味がある(ここに書けよ)。

②インペリシャブルシューティングの発動条件は、取得したスペルカードの枚数が7枚以上であれば良い。その際、妹紅だけでなく、慧音のスペルカードも対象に含まれる。

問4 難易度:★★★★
 正解は①Nullity・②「ディゾルブスペル」である。

①「nullity」は「無効、無価値」といった意味を持ち、「無効の」などという意味を持つ「null」の派生語である。ボム及び残機が「nullity」、即ち無効であるということである。ラストスペル及びスペルプラクティスモードでこの表記が見られる。

②「ディゾルブスペル」は、敵がラストスペル使用中に被弾すると発動するスペルカードで、これが発動されるとその場で戦闘終了(無効試合)となる、所謂「待った」のカードである。全キャラ共通のカードで、残機、ストックの消費もなければ、ボタンを押すなどの行為により故意に発動することも出来ない。①と同様、ラストスペル及びスペルプラクティス共通の仕様である。
 尚、「ディゾルブ」は「dissolve」と綴り、「解消する、分解する」などという意味を持つ単語である。

問5 難易度:★★★★
 正解は①「フェニックス再誕」/「グランギニョル座の怪人」・②極意である。

①問4までの流れから、達成した条件として次のようなものが考えられる。

(a)スペルカード「蓬莱人形」を取得
(b)スペルカード「インペリシャブルシューティング」を見る
(c)Extraを(特定の自機で?)クリア

このうち出現条件が(a)に該当するスペルはない。
(b)に該当するものは、「フェニックス再誕」である。出現条件は、次のようになっている。尚、スペルプラクティスで再度見る必要があるか分からなかったため、一度スペルプラクティスで挑戦するという記述を加えた。

No.146『禁薬「蓬莱の薬」(Hard)』と No.196『不死「火の鳥 -鳳翼天翔-」』を取得し No.205『インペリシャブルシューティング』を見る

(c)に該当するものは「グランギニョル座の怪人」である。出現条件は次の通り。

Extra を3通りの主人公でクリア
(『「インペリシャブルシューティング」』を出す必要はない)

②「フェニックス再誕」「グランギニョル座の怪人」はいずれもラストワードである。しかし、漢字二字との条件がついているので、極意が正解となる。スペルプラクティスでラストワードを選択した際に、補足欄に「極意(ラストワード)」との記載がされている。

問6 難易度:★★
 正解は「千年幻想郷 ~ History of the Moon」である。
 天呪「アポロ13」は八意永琳のスペルカードで、6A面のボス戦時に発動される4番目のスペルカードである。つまり、6A面のボス曲を答えれば良い。

問7 難易度:★★
 正解は「人間を幸運にする程度の能力」である。
 因幡てゐは永遠亭に住む大量の兎のリーダーであり、竹林に迷った者が彼女の姿を竹林で見かけると、必ず竹林から抜け出せると言われている。これは、彼女の能力のおかげである。

6.Last Wordの解説

6-1.設問概観

 東方永夜抄に関する総合的な知識を問う問題。作中に名前が登場しているものの、詳細な記述がないものについての設問が多く見られた。また、弾幕を見てその規則性を見つけたり、東方永夜抄のストーリーを記述したりする設問も見られた。
 いずれにしても、与えられた文章を読んだ上で答える問題が大多数であり、設問を通して東方永夜抄の考察ができるように作られている。Lunaticで見られた狂気的な難しさはなく、東方永夜抄と深く向き合うことが求められる設問であった。

6-2.各設問の解説

問1 難易度:★★★
 正解は、①未来「高天原」②ワーハクタクである。

①「日本神話で、天照大神をはじめ多くの神々が住んでいたとされる天上の世界。」から、「高天原」(たかまがはら・たかまのはら)を指すことが分かる。この語句に関連したスペルカードは、3面ラストスペルの未来「高天原」(N/H/L共通)のみである。

②3面のボスは上白沢慧音で、種族はワーハクタクである。ワーハクタクとは、半分人間、半分白沢の半獣である。白沢は、中国神話に登場する聖獣のこと。

問2 難易度:★★★★
 正解は、「あらゆる薬を作る程度の能力」である。
 この文章は、「八意思兼神」の説明である。その名の通り、八意永琳はこの神をモチーフとしているとされる。彼女の能力は「あらゆる薬を作る程度の能力」であり、この能力を使って蓬莱の薬を作成した。彼女は、操神「オモイカネディバイス」(E/N)、神脳「オモイカネブレイン」(H/L)というスペルカードを所持している。

問3 難易度:★★★★
 正解は、「つきのいはかさ」である。全て平仮名で回答することに注意。尚、この問題に対して適切な根拠を元に答えるには、東方儚月抄の知識が必要だが、それがなくても永夜抄の設定から類推できる。

 本文から、当該人物は不死の薬を駿河の山で燃やすよう命じられたと分かる。そこで、同じく不死の薬である「蓬莱の薬」、そしてそれを山でどうにかしようとしていた、という設定がないか考えてみると、藤原妹紅のキャラ設定に辿り着く。

それ以来、幼い彼女はずっと輝夜を敵対視してきた。輝夜が月に帰るというので、どうにか一矢を報いたいと思っていた。でも、近づく事も出来ない。結局逃げられてしまったが、せめて輝夜が残したという「薬の壺」を奪ってやろうと考えた。

しかし壷を手に入れた人間は何故か、その壺を山に捨てようとしていたので、そこを狙い壺を奪う事に成功した。その壺に入っていた薬とは、蓬莱の薬……。
この時以降、彼女の姿を見たものは居ない。

しかし、これだけではこの人物が誰かは分からない。設問から、この人物がスペルカードの名前に含まれているということが分かるので、藤原妹紅のスペルカードを考えてみると、コメントで殺人事件に言及しているスペルカードがあることが分かる。

歴史に残らない殺人事件。現在でも未解決の殺人事件がどんどん
時効となっている。誰にも知られなきゃ罪にはならないのだよ。

先程のキャラ設定からは、当該人物が殺されたかは不明だが、少なくとも襲撃されていたことは判明する。よって、このスペルカードが最も適していると考えられる。このスペルカードの名称は、時効「月のいはかさの呪い」であるから、「つきのいはかさ」が適する。

尚、藤原妹紅のスペルカードで人名が入っているものには、他に不死「徐福時空」がある。しかし、下記のコメントから分かるように、徐福は蓬莱の薬を服用しており、「使いの途中で面倒になって定住しちゃった」という部分も合わない。また、徐福伝説は竹取物語と直接関係しているわけではない(全く影響を受けていないとも限らないが)。よって、これは回答に適さない。

使いの途中で面倒になって定住しちゃった人。
いたる所に徐福伝説が残されているのは、実は蓬莱の薬を見つけていて不死となったからだ。

問4 難易度:★★★
 正解は、①1970②アポロ13号である。以下、アポロ計画の概要から解説する。

 アポロ計画は、1960年代当時、月面に10年以内に人間を着陸させ、地球に安全に戻すという目標のもとにたてられた、アメリカの一連の有人宇宙飛行計画である。1960年から始まり、1972年に終了した。これらの計画はNASAを中心に進められた。

 東方永夜抄に関係があるのは、「アポロ11号」と「アポロ13号」の二つの計画なので、これについて補足する。

アポロ11号は、史上始めて人間の月着陸に成功したアメリカのアポロ宇宙船である。船長はアームストロング。アポロ11号は1969年7月16日に打ち上げられ、同20日に月面着陸に成功した。

アポロ13号は、1970年4月11日に打ち上げられた宇宙船。資料文にあるように、打ち上げ二日後に機械船内の酸素タンクが破裂し、乗船していた三人の飛行士の生命も危ぶまれた。しかし、彼らは機転を利かせ、4月17日に無事太平洋上に帰還した。余談だが、発射時間・発射施設には、不吉な数字とされる「13」に関係する数字が見られる。

 永夜抄との関係で言えば、「ヴォヤージュ1969」がアポロ11号の宇宙旅行を、「ヴォヤージュ1970」がアポロ13号の宇宙旅行を指す。また、八意永琳のスペルカードに天呪「アポロ13」(全難易度共通)がある。

問5 難易度:★★★
 正解は、ア:弾イ:霊ウ:球エ:珠(a)偶である。

ア:「」は、ここでは「弾幕」の意味。直後に「弾幕馬鹿みたいな言い方しないの。」という発言があるので、ここから推測できる。

イ:「」は、この場合「魂」と同義で、「生きものの体の中に宿って、心の働きをつかさどると考えられるもの。古来、肉体を離れても存在し、不滅のものと信じられてきた。霊魂。」という意味。「人間に宿る」からこれに決定できる。尚、「魂」も「たま」と読むことがあるが、本文中では使われていない。

ウ:「」は、ここでは「地球」のことを指す。「人間が住む」からこれに決定できる。

エ:「」は、「宝石や真珠」などの意味で、立派で美しいものの比喩表現。ここでは、「貴き民が住む」「後ろに見える」から、月のことを指す。

(a):「最近、永琳が屋敷の外に出させてくれない」から、輝夜はしばらく客と呼べる存在に遭遇していなかったことが分かる。よって、「まれであること。めったにないこと。また、そのさま。」という意味である、「」が適当。

問6 難易度:★★★★★
 正解は①緑色②224回である。

①まず、この弾幕の特徴をつかむ。少々数えづらいが、一回の発射で同時に同じ色の弾を16発、円状に等間隔で発射しており、その間隔は2π÷16=π/8(22.5°ずつ)である(16way弾)。また、図Ⅰの白枠で囲った赤色の弾幕付近に着目すると、右側(紫)→左側(青)→右側(水)→左側(緑)→…の順に、交互に放たれていることがわかる。
 しかし、これだけでは一回の発射でどれくらいずれているか分からない。そこで、図Ⅱと問題文を確認すると、一定の間隔で弾幕が発射されていることが分かるので、これを元に考える。

 以下、説明のため、弾源(輝夜)を点Oとし、紫→青→水→緑→黄→橙→赤の順にA~Gとする。そして、図Ⅰの白枠で囲った赤色の弾幕をG(0)、その右隣の紫色の弾幕をA(1)、その右隣の青色の弾幕をB(1)、というように、ある一つの弧の上にある弾幕について点を対応させていく。また、G(0)を0番目の弾幕とし、以下順番に1番目、2番目、と弾幕に番号を割り振る。このとき、下の図Ⅱ-Aのようになる。

図Ⅱ-A

 このとき、弾幕の色は紫→青→水→緑→黄→橙→赤を繰り返す。即ち、7回発射後に同じ色になる。よって、N番目の弾幕は、Nを7で割ったときの商をp、余りをqとすると、次の表Ⅰのように表せる。例えば、8=7×1+1なので、8番目の弾幕はp=1かつq=1、即ちA(2)である。また、B(3)は、7×(3-1)+2=16より、16番目の弾幕である。尚、0番目の弾幕はG(0)とする。

表Ⅰ

 ここで、次の図Ⅱ-Bを参照してほしい。青枠で囲った青色の弾幕は、左右反転しても重なっている。つまり、図のように補助線を引くと、赤色の線は青色の線の垂直二等分線となる。この青色の弾幕はB(3)、つまり16番目である。
 このとき、G(0)、B(3)を点Oを中心に時計回りにπ/8回転させた点をそれぞれG'(0)、B'(3)とすると、∠G(0)OB(3)=∠G(0)OB'(3)=(1/2)×∠G(0)OG'(0)=π/16である。

図Ⅱ-B

 ここで、対称性から16×2=32番目の弾幕、即ちD(4)を考える。このとき、∠G(0)OD(4)=2×∠G(0)OB(3)=π/8である。ここで、D(4)を点Oを中心に時計回りにπ/8回転させた点をD'(4)とすると、弾はπ/8毎に発射されているので、D'(4)はG(0)と全く同じ軌道を通る。よって、最初に弾X(=G(0))と同じ位置に届く弾はD'(4)、即ち緑色である。

②①より、32回毎にG(0)と同じ軌道を通る弾が発射される。32と7は互いに素であるから、求める回数は32×7=224(回)である。
 尚、∠G(0)OA(1)=(1/16)×∠G(0)OB(3)=π/256なので、次にG(0)と同じ軌道を通る赤色の弾をG''(32)とおくと、∠G(32)OG''(32)=224×(π/256)=7/8×πである。

問7 難易度:★★★★
(1)「蓬莱山輝夜が地上で生活するきっかけとなった出来事」とあるが、これは蓬莱の薬に関係する一連の出来事を指す。
 以下のキャラ設定を参考にすると、「望み」は「蓬莱山輝夜が蓬莱の薬を服用すること」、「罪」は「禁断の秘薬である蓬莱の薬を服用したこと」であると分かる。その罪の内容は、竹取物語と同じで「地上での生活」である。「地上の賎しき民と暮らす」を入れても良い。

 カグヤは月の民の一族であり、月の姫として大切に育てられていた。
 その為、我侭し放題に育てられていたのだ。しかし、ある事件を気にカグヤの生活は大きく変わる。興味本位で永琳に、禁断の秘薬である蓬莱の薬を作らせてしまい、それに手を出してしまったのだ。
 その事はすぐにばれてしまい、カグヤは処刑された。
 だが、永遠の力を持ったカグヤは死んでもすぐに生まれ変わり、事実上死ぬ事は出来なかった。カグヤは罰として次の生は地上の賤しき民と暮らす様に命じられ地上に落とされた。間も無くして、一人の地上人に発見され、そこで輝夜という名前で暮らす事となった。

 解答例は次のようになる。太字部(ア)は「望み」、(イ)は「罪」、(ウ)は罰の内容の説明である。

蓬莱山輝夜は(ア)蓬莱の薬に興味を持ち、八意永琳にその薬を作らせた後、服用してしまった。(イ)禁断の秘薬を服用したという事態が明らかになってから、輝夜は処刑されることとなったが、輝夜はその度に生まれ変わった。その結果、輝夜は罰として(ウ)地上に落とされることとなった

(2)「蓬莱山輝夜(及び八意永琳)が地上で生活し続けることとなったある出来事」とあるが、これは(1)より後の出来事で、かつ八意永琳に関係のある出来事である。
 以下のキャラ設定を参考にすると、「ある出来事」は「月の使者の中にいた八意永琳が、月の使者を裏切って輝夜を逃したこと」、「逃亡劇」は「月の使者からの逃亡」である。逃亡先が幻想郷であることを加えても良い。

 輝夜は地上で生まれ、地上で生活をしている元月の民である。暫らくの間、何の不自由も無く生活が出来ていたのだが……。どんどんと人が寄って来るようになり、地上も生活しにくくなってきていた。
 数年後、晴れて輝夜の罪も償われ月に帰る時が来た。しかし、お世話になった地上人への恩と情、心のある地上での生活、どうしても帰りたくない。だが穢ない処もあり、生活しにくい部分もある。輝夜は思い悩んでいた。そんな時月からやってきた使者の中に見覚えのある姿を見た。永琳である。
 永琳は薬を作っておいて自分だけは無罪だった事もあり、輝夜に対し申し訳ない心でいっぱいだった。その気持ちは強く、輝夜の為なら何でもしてやらなければ、と考えていた。そして輝夜と一緒に地上で暮らすことを決めたのだ。
 永琳は月の使者を裏切り、輝夜を逃した。こうして、二人は人里離れた山奥でひっそりと隠れて暮らす様になった。そう、そこは妖怪も出るような山奥で……。

 解答例は次のようになる。太字部(ア)(イ)は「ある出来事」の説明、(ウ)は逃亡の対象の説明である。

蓬莱山輝夜が地上で生活を始めてから数年後、輝夜の罪が償われ、輝夜のもとに月からの使者が到着したが、(ア)その中には八意永琳もいた。永琳は、禁薬である蓬莱の薬を作っておきながら、自分だけ無罪であったことに罪悪感を抱いており、(イ)月の使者を裏切って輝夜を逃した。その結果、輝夜と永琳は人里離れた地上の山奥(幻想郷)でひっそりと隠れて暮らすようになり、(ウ)月の使者からの終わりなき逃亡劇が始まったのであった。

 尚、この出来事からしばらくした後、鈴仙・優曇華院・イナバが永遠亭のもとにやってくる。この話は割愛するが、これが後に永夜異変と深く関わってくる。

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