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胸の構造、心肺機能の見極めについて

※著者予想コンテンツ~馬体優先主義『2019エリ女号』より一部抜粋追記


クロコスミアの馬体解説

先のウラヌスチャームとは一転、こちらは、振り子質量軽く、いかにも牝馬らしい馬体。

若駒当時は、父が生粋の【持続C型】馬で、やわらかみ絶品といった馬体だったあのステイゴールド故、「もう少し上体のやわらかみが出てくればな」と、期待していたのだが。

まぁ、そうそう期待するほどの骨格変化が見られるわけもなく、本馬は、無難な成長どまりだった。このあたり、母父のボストンハーバーなど母系の影響もあるかな。

以上、首差し小ぶりで軽いが、同時に、肩口も小ぶりで傾斜も浅めにあるなど、「追って味がある」構造に非ず。むしろ、それは「反応に敏感」な構造であり、ハンドリング性能は高いだろう。

また、懐浅めで心肺機能の面でも強くは推せず。

その意味で、ここは、「今風のスローなど摩擦の少ないSP素軽さ勝負となれば、馬体を持て余すことなく堅実に走り易い」といった程度の評価かな。人気薄の穴☆が限界。


馬体は”筋肉”でなく”骨格”ありきで見よ!


常々言っているように、世の一般的な馬体の見方と私自身のそれは、色々と異なる部分が多い。

今回、クロコスミアの馬体診断における「胸の診断~心肺機能の見極め方」が、両者の「馬体の見方」の根本的な違いを表しているいい例だったため、それを、あくまで私目線で突っ込んでみた。

(とあるサイトのクロコスミアの馬体解説)

胸が深く前脚が短く見える体型で心肺機能の高さが窺える。


うーん、毎度のことなのだが、ズバリ、これ”骨格”で馬体を見てねえな。

確かに、本馬は『前肢が短め』と言えるが、この馬体で「胸が深い』と言うあたり、どうやら

・前肢など、骨格が<単体>構造のパーツは見極めができている
・胸など、骨格が<複数>関係してくるパーツは見極めができていない

このサイトに限らず、パドック派といった人の多くも、この傾向があるように思う。


そこで、今回本馬の「胸の”骨格”構造やそこから想定できる心肺機能」について、私なりにきちんと解説しておく。

(クロコスミアの胸の構造、心肺機能について)

肩甲骨の上部(き甲)の容量はある。が、その傾斜角は浅めで長さ短め、上腕骨の長さも短めにある。

結果、<き甲~肩関節(上腕先端)~肘関節(胸骨の底)>の三点を結ぶ三角形は、細長型となり、面積も小ぶりに。

それ故、<心臓が収まるスペース>は、”縦”はいいとしても、”横”のスペー
スが狭めであることが想像できる。心臓が収まる部分の前側(~上腕先端まで)のスペースに余裕がない。

以上から、この馬体は、「心臓が収まる上で”胸の横幅”が狭めの構造であり、心肺機能の面で強くは推せず」、とするのが妥当だ。

つまり、『心肺機能の高さが窺える』とは逆の特徴がある点をしっかりと見抜くべきだ。


以上、毎度毎度しつこいくらいいっているが、

馬体の”特徴”だけでなく、そこからわかる”適性”まで見極めるなら、
「骨格ファースト」、最優先で”骨格”を見抜く必要がある。

いわゆる<内部>構造だ。

まぁ、これはサラブレッドに限ったことではない。


(バイクの「走る性能や適性」を見極める)

例えば、バイクなども同じ。「走る性能や適性」を見極めるには、<外面>見た目の外装カウルがいかにも速そうな雰囲気や形状に見える…云々よりも、一にも二にも、ハンドル回り、フォーク形状、ホイールやスプロケットの径、スイングアームやフレーム、他キャブやギア数といった、あらゆる<内部>構造のセッティングや相互バランスを見るべきだ。


また、馬体から適性を見極める上では、

<内部>構造である"骨格"にまで目を向けないと、
<外面>の”筋肉”だけでは見抜けない適性が多い。
さらに、両者では見抜いた適性が「全く正反対となる」場合も多い


例えば、今回の胸なども、その”骨格”を見れば、

<内部>は心臓が収まるスペースが横に狭めで「胸が小ぶり」

という評価になる。これが私の診断である。

一方で、その<内部>が狭ければ狭い(小さければ小さい)ほどに、

そこにつく”筋肉”は、逆に<外面>的な見た目で立体感が出易くなり、
結果、「厚く立派で大きく感じる」


といったことになる。例に挙げたあるサイトでは、つまり、"筋肉"をみて、「胸が大きい」と感じだのだろう。

つまり、それは胸じゃなくただの肉な。


とにかく、例に挙げたサイトに限らず、巷の馬体関連のメディアや評価判断と、当診断のそれが真逆となることが多い理由は、ズバリ、

馬体を"骨格"で見ているか、"筋肉"で見ているか

この見ている<視点>の違いによる。

※著者予想コンテンツ~馬体優先主義『2019エリ女号』より一部抜粋追記

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