トリガミこそ真実の鏡


過去記事ピックアップ~2009/11配信記事
※1…今回の内容は、大数の法則や控除率の知識が必要です。わからない方はこちらを参考に >競馬での大数の法則と控除率について
※2…ここでのトリガミの定義は、馬券的中しても「資金変動がプラスマイナスゼロ未満にしかならない」と前以って認識していながら馬券を買うこと

今回の記事は、前回『トリガミは疫病神』の続編です。
前回の記事をまだ読まれていない方はこちら


まずは、少し簡単におさらい。

前回、「トリガミとは、資金の増減こそないが、それを買うという行為そのものが、長期的に、回収率を底下げする(75~80%に近づける)行為であり、“負けが約束された馬券の買い方”である」と述べました。

そのため、“回収率を底上げ”するためにも

「今すぐトリガミを買うのはやめましょう」

と、結論付けました。

しかし、「トリガミを買わない」だけでは、
"回収率の底上げ”にはつながり難いため

トリガミの“もう一つの顔”に気づいて
初めて、回収率に違いが現れてくる

では、そのトリガミの“もう一つの顔”とは一体何なのか?


トリガミ、その買い目こそ刮目せよ


ズバリ、結論からいきます。

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トリガミとは、あなたの予想そのものを映し出す“真実の鏡”である
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「あーぁ、やっぱりこの馬かぁ!~結局トリガミだ!」

…なんて愚痴るだけではもったいない。

どういうことか…

一度、トリガミとなった馬券、その“買い目”
じーーーっくり穴が開くまで眺めて下さい。

この上で、前回と同じ質問をします。

Q「なぜ、あなたはトリガミを買うのですか?」

トリガミとは、「回収率75~80%に近づける買い方」といった“資金面のリスク”がある、この考えが理解できなくても構いません。

とにかく、資金面の問題を抜きに、単純に

「トリガミになるとわかっていながらも、
“買わざるを得ない理由”は何ですか?」

……

おそらく、それはあなたが

「やっぱりこの馬かぁ」と思っているから

これ、言い換えなら

“トリガミとなることを覚悟してでも”
走りそうな人気馬(本命や軸馬)がいるから


…「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれません。

が、この部分の"本当の重要さ"がわかっていないから、結局、トリガミを買ってしまうわけです。

今一度じっくり、トリガミを買ったレース(買い目)を思い出して下さい。

……


ズバリ、言います。

そのトリガミこそが、

あなたの予想が純粋に導き出した
“最も好走する可能性が高い買い目”

ではないですか!?

巷の評価、オッズ、人気先行、馬の好き嫌いや思い入れなど。こうした雑念をすべて取り払って、今一度考えてみてください。

せっかく、あなた本来の予想が、“最も好走(的中)する可能性が高い買い目(馬)”に気づいていながらも、

あなたの欲や思い入れなどから、“可能性の低くリターンばかりが大きい買い目”に焦点を当てている。


その結果
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あなた本来の予想が、純粋に“最も的中の可能性が高い”と判断した買い目
当たっても“一銭にもならない資金配分”をしている
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これがトリガミの正体なわけです。


もう一度いいます。

トリガミとなる買い目こそが、純粋に、“あなたの予想から導き出した最も可能性の高い買い目”、つまり、“あなたの予想そのものを映し出している鏡”なわけです。


その証拠に、トリガミが当たってこう思ったことはないですか。

「やっぱりこの決着かぁ、余計なこと考えなければよかった…」
「予想はいい線いってるのに、もっとうまく買ってたらなぁ…」


そう、無意識に「あなた自身も気づいている」わけです。

トリガミとなる買い目、それ“押さえ”程度でいいんでしょうか。今一度、自分に問いかけてみて下さい。

もしかしたら、そのトリガミとなった馬券の買い目にこそ、あなたの予想、その“本当のポテンシャルが眠っている”かもしれません。


トリガミを制すは博打を制す


私はよく

『競馬も女も人生も向き合うスタンスは同じ』

なんて暑苦しいセリフを言いますが、馬券(トリガミ)も女(男)でも、同じことが言えるわけです。

魅惑のリターンや夢を期待して、キャバクラのオネエちゃんばかりに、せっせ、せっせとお金をつぎこむくせに、あなた自身の本心で「本当に大切だ!」と思っている本命の彼女には、結局、一円たりともお金をかけない。そして、散々キャバクラのオネエちゃんに絞りとられた後、本命の彼女にプイッとそっぽを向かれたその時になって、ようやく「俺がバカだった!」なんて気づくのでは遅いわけです。

競馬も女も同じ、あなたが本来最も大切にすべきは、きらびやかな夢を見させてくれる、オネエちゃんではないはずです。

……

わかりますか!?^^


では、ここで「前回のトリガミのポイント」とあわせ整理してみましょう。

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・トリガミは買ってはならない
・トリガミを買いたくなる買い目にこそ、目を向ける
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トリガミとなってでも"買わざるを得ない買い目"には、あなたの予想の“潜在的な本命軸◎○”などが隠れています。

まずは、そのことに気づき、その延長線上で「予想の組み立て、馬券の券種選択、資金配分を考える」、これが重要です。


しつこいくらいに言いますが、本当にこの“トリガミ”への向き合い方は、回収率も含め、馬券において最も基本かつ重要なポイントです。

例えるなら、このトリガミとは

・ボクシングで言うなら“ジャブ”
・野球のバッターで言うなら“素振り”

そんな感じです。

ボクシングの世界チャンピオン、プロ野球の3割打者などを目指すのと同様、競馬で常勝プレイヤーを目指すには、その扱いを熟知しておく必要があります。

もう少し言うなら、競馬で勝ち続けるための、血統や調教、ラップ、馬体も含め、数多の予想ファクターの分析や考察とは、

ボクシングで言う高度な必殺技パンチ、対戦相手のデータ分析
野球のバッターで言う新しいバット、相手投手の分析

そんなところでしょうか。


以上、世の中、今やブログやツイッター、このノートなど、「競馬で勝ち続ける」ことを意識して、予想の考察や分析回顧など、これでもか!というくらい頑張っている人をたくさん見かけます。

一方で、予想と同等以上に、このトリガミの認識、馬券の券種選択、資金管理のノウハウなどに時間を割き、分析考察している人がどのくらいいるでしょうか。正直、100人いて1人も見かけないのではないでしょうか。

その様は、まさに

ボクシングや野球でプロになろうと言うのに、
基本中の基本、“ジャブ”や“素振り”を全くやらない選手

そんな感じでしょうか。


一先ず、馬券の買い方としては【入門編】といった内容である、この2回に渡った『トリガミシリーズ』も終わりです。

厄病神であるトリガミを振り払いつつ
その買い目から、自分の予想の本質を見極め
かつ、予想のポテンシャルを最大限引き出す

さぁそろそろ、あなたの中の、“眠れる獅子ならぬ、眠れる馬券”を起こしてみませんか。

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