Nothing Phone (2a) Special Editionレビュー|思わず衝動買いした、とにかくカワイイ限定色。
7月5日・6日に東京・表参道で開催されたNothingのデザインイベントで、Phone (2a)の限定色・Special Editionの先行販売が行われました。
もともとは限定色を実際にちょっと見てみたかっただけなのですが、気がついたら買っていました…。(給料日前だしいいよね)
そんな経緯はありつつ、Special EditionのPhone (2a)を手に入れたので、デザインを見ながらPhone (2a)のレビューしていきます。
スペック
まずは、おもなスペックから見ていきましょう。
Phone (2a)はミドルレンジのスマートフォン。SoCにはNothingとMeditTekが共同開発した専用SoC、Dimensity 7200 Proを搭載。
Phone (2a)はRAM8GBのモデルと、RAM12GBの2モデルがあります。
Special EditionはRAM12GBモデルとなっています。
また、デュアルSIMに対応していますが、eSIMには対応していないため、nanoSIMを2枚差し込むかたちでのデュアルSIMになります。
開封・外観
箱にプリントされているPhone (2a)の外観は、もちろんSpecial Editionのカラーになっています。
箱はNothingならではの破いて開封するタイプの物。一度破くと元に戻せないので変な破り方をしないように緊張が走ります。
付属品は以下の通り。
本体
USB Type-Cケーブル
SIMピン
説明書類
USB Type-Cケーブルはスケルトン仕様。
NothingのWebサイトで販売されている(とはいえ入荷待ち)ものと同じ物だと思いますが、かなり特別感あるデザインで逆に使いたくありません。
SIMピンもNothingでお馴染みのデザイン。
持ち手の部分で本体を傷つける心配がないので個人的には大好きなデザインです。
本体
一番特徴的な背面。
ニューヨークの路線図から着想を得た背面デザインに、”赤・黄・青”の3原色が散りばめられており、かなりポップでかわいいデザインです。
画像ではわかりにくいと思うので、カラーパレットをご用意しました。
背面の素材、実は、ガラスではなくポリカーボネート(PC)製。長期的に見て黄変が心配ですが、そのあたりの対策は取られているんですかね?
Glyph(グリフ)インターフェース。背面が光るNothing Phoneといえばの機能。光らせたときのカッコよさはハンパじゃありません。
ディスプレイ側。ディスプレイサイズは6.7インチで、120Hz対応の有機ELディスプレイとなっています。
この価格帯のスマホにしては珍しく、4辺のベゼルが均一の幅になっています。
また、そもそもベゼルの幅が狭めで(2.1mm)、ディスプレイの品質はハイエンド端末と遜色ないのではないかと思います。
後の項でも詳しく紹介していますが、画面内指紋認証を搭載しているのでストレスなくロック解除が可能です。
側面フレームの材質はマットなプラスチック。若干安っぽさはありますが、背面の色合いとマッチしているのでそれほど気になりません。
SIMスロットのパッキンまでブルー。デザインへの強いこだわりを感じます。
起動
では起動していきます。
初期設定画面
初期設定のトップ画面から”Nothing OSらしさ”を感じます。
ロック・ホーム画面
ロック画面とホーム画面も、Nothingのオリジナルフォント”Ndot”で埋め尽くされています。
ソフトウェア
OSはAndroid 14がベースのNothing OS2.5を搭載。
他のNothing端末と比べて(イースターエッグを除いて)UIが特別な仕様になっているわけではありませんが、端末情報の欄はしっかりSpecial Edition仕様になっています。抜かりない。
また、発売から3年間のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートが保証されています。長く使えるのもうれしいポイント。
イースターエッグ
また、ホーム画面のテーマにはイースターエッグのSpecial Edition専用テーマカラーがあります。
ソフトウェアに大きな違いはないのかと思いきや、こういった隠し要素を加えてくれるNothing、好きです。
実際の使用感
カメラの出っ張りは気にならない
カメラの出っ張りは真ん中に寄っているため、置いて使った時にそれほど気になりません。
そもそも、カメラはあまり出っ張っていないので、机に置いたとしてもガタガタしにくいです。
壁紙生成機能がおもしろい
Nothing OSにはAIで壁紙の生成ができる”Wallpaper Studio”機能が搭載されています。
生成したい壁紙のテーマを2つ組み合わせるだけ、あとはAIにお任せ。
クオリティは差がありますが、運が良ければNothing純正壁紙のようなものも生成できるのでかなり面白い機能です。
ワイヤレス充電には非対応
ワイヤレス充電には非対応です。正直対応していたら嬉しかったですが、その他の部分のコスパが良すぎるのでさほど気になりません。
背面デザインを殺してしまうため、MagSafeリングを貼り付けての運用はやめたほうがいいですね。
電池持ちは良好
バッテリーは5,000mAhと比較的大容量。外出先などでは日常遣いであれば余裕で1日持つポテンシャルがあります。
バッテリー80%の状態で昼の12時から外出して、夜の11時に帰ってきた時は、メイン用途として使って帰宅時のバッテリー残量は16%でした。
使い方によってはモバイルバッテリーなしでも余裕で1日保ちます。
また、45W PDでの急速充電に対応。0%から約1時間で100%まで充電できます。
対応充電器は別売りですが、Phone (2a)自体が激安なので浮いたお金で買うことができます。
Nothing OSの使いやすさ
Nothing OSはHyper OSなどのように大胆なカスタマイズこそされていない、”ほぼ素のAndroid”ですが、随所に使いやすい工夫が施されています。
例えばクイック設定パネル。頻繁にアクセスするWi-FiとBluetoothが固定表示されています。
ほかにも、テスト段階ですが、AirPodsを接続した際に(AirPodsの)アイコンとバッテリー残量を表示できるようにする機能など、意欲的で面白い機能も搭載されています。
指紋・かお認証対応
また、画面内指紋認証も搭載。認証位置が少し低めなのが気になりますが、慣れればかなりスムーズにロック解除できます。
精度も良好で、認証失敗することはかなり少ないです。
顔認証にも対応。カメラを使った認証のため、少し精度は落ちますが、マスクをつけたままでもロック解除できます。こちらも、カメラが顔を読み取りにくい暗い場所などを除けば、かなりスムーズにロック解除できます。
ついにおサイフケータイ搭載
Phone (2a)は、Nothing Phoneシリーズとしては初めておサイフケータイを搭載しています。
クレジットカードやSuicaを登録して実際に使ってみましたが、反応も悪くなく、違和感なく他のスマホと変わらず使うことができました。
おサイフケータイという日本独自機能や、今回の先行販売が表参道で開催されたことも含めて、Nothingがいかに日本市場に力を注いでいるかが伺えます。
防水性能はカタログスペック以上?
カタログスペック上では、防水性能はIP54となっていますが、Nothingが公式で25cmの水深に20分間沈める防水試験の様子を公開しているため、ある程度水に浸ってしまっても大丈夫な防水性能を備えていそうです(もちろん、保証はできません)。
プラスチックな背面は個体差アリ?
ひとつ気になったことは、背面のカメラの右側に背面パーツの歪みがあること。
たけてつの個体はカメラの右側に少し歪みがあります。
プラスチックなのでガラスほどの加工精度がないのだと思います。
光を反射させないと見えないものなので不良品ではないと思いますが、もっと気になる歪み方をしている個体もあるかもしれません。
歪みの状態は個体差があるようで、価格.comのレビューではカメラの左側が歪んでいるという人もいました。
ホコリが付きやすい
背面素材がプラスチックのため、静電気でホコリがつきやすいです。
ケースを外したあとに手で撫でてみると、下敷きを触るような静電気の感覚を感じることがあります。
静電気対策が施されているクリーニングクロスなどを使う必要がありそうです。
PC素材を使用することでコスト削減に寄与していると思いますが、やはりある程度のデメリットも存在するようです。
カメラをチェック
カメラ性能をチェック・比較していきます。
Phone (2a)は広角、超広角ともに5,000万画素のカメラを搭載しています。インカメラは3,200万画素です。
通常の撮影モードでは4つの画素を1つに束ねて12.5MPで撮影します。メニューから50MPで撮影することも可能です(この場合、ズームはできなくなります)。
街の写真
肝心の画質は、若干鮮やかさには欠けるもののナチュラルな色合いで写真が撮れている印象です。
iPhone 15 Proでも同じ場所を撮影してみましたが、実際の風景に近い色合いだと感じたのはPhone (2a)です。自然な色味に近くなるように処理されているようです。
超広角カメラの画質も悪くはなく、ある程度使える性能ではあるものの、左奥の木とビルの境目などが不自然に赤くなっているなど、物の境目が不自然な仕上がりになることがあります。
望遠
3倍ズームで麻布台ヒルズを撮影。
Phone (2a)は望遠カメラは搭載していませんが、50MPの恩恵で2倍までは中心部を切り出すクロップズームができるので、普通にそこそこキレイな写真が撮れます。
ただ、屋上付近の森ビルの看板を見てみればわかるように、これよりもズームの倍率を上げると荒さが目立つので、許容範囲は3倍程度まででしょうか。
Phone (2a)は望遠カメラを搭載していないのでフェアな比較ではありませんが、iPhone 15 Proでは”MORI”と書いてあるのがわかります。
夜景
夜の表参道を撮影。
街灯や奥の青信号などが白飛びしているものの、木の色合いなどは自然に映っています。どちらかというと、夜景の方がキレイに撮れるかもしれません。
iPhone 15 Proよりディテールは劣るものの、パッと見では2台とも大きな差はありません。
価格帯を考えるとかなりよいカメラ性能ではないでしょうか?
カメラアプリのUI
カメラアプリもおおむね使いやすく、ワンタップで2倍ズームに切り替えできるのが、2倍までクロップズームできるPhone (2a)では恩恵を受けることができます。
ベンチマーク
ベンチマークをとっていきます。
その前に、スペックをおさらい。
Dimensity 7200 ProというPhone (2a)専用開発のSoCを搭載しているということもあり、性能は未知数です。
今回は、AnTuTu v10を用いてスコアを計測しました。
なお、ゲームモードはAnTuTuを除外した状態で計測していますが、除外したことによるスコアの変動はみられませんでした。
ベンチマークスコアは713,971。
うち、GPUスコアは178,684でした。
スコア上でも特別おかしい数値はなく、定価価格帯のほぼ同じAQUOS sense8と比較するとむしろ全体的に上回っている数値です。
実際の動作もかなり軽快で、XやInstagramなどのSNSの閲覧はもちろん、PUBGなどの3Dゲームも高画質な設定でも安定しており、ストレスなくプレイすることができます。
まとめ:特別感がすごい。すみずみまでNothingのこだわりを感じる1台
今回は、Nothingから発売されたPhone (2a) Special Editionをレビューしていきました。
おそらく、今年の買って良かった物ランキングはPhone(2a)がかなり上位になるでしょう。数日使っただけでもそれくらい満足できる仕上がりです。
しかも55,800円というコスパの高さ。Google Pixel aシリーズに対抗どころか、打倒できるレベルの製品であると感じました。
先行100台限定発売で早く手に入ったことと初Nothingという事もあり、買って後悔がない1台でした。
数日しか使っていないため、書ききれていない特徴はあるかと思いますが、これから購入を検討されている方の参考になれば嬉しいです。