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違いのわかる男

各社から発売されるミネラルウォーターに凝った時期があった。

いろはす、アサヒ天然水、ボルビックetc...
飲み比べた結果、フランスの水源から採水されたボルビックが一番好きだった。

ある時、友人宅で、青透明のお洒落なペットボトルに入った水をもらった。
「やっぱり海外の水は違う」というと「それ中身は水道水だよ」と言われた。
地球は一つなのだから、海外で蒸発し雲になった水が、日本の山に降り注ぎ、河川へ流れ出して水道水になったことなど、私の舌は簡単に感知できるのだ。

近年ビジネスホテルにアクアクララのような給水器が設置され始め、ホテル好きの私としてはとても嬉しい。
クララのお湯で淹れるコーヒーがうまい。
「違いのわかる男、ネスカフェゴールドブレンド」よりも違いがわかっているのだ。水レベルで。
香りが立った。クララが立った。失礼。

水について、味の違いがわかることが、人生においてどのような利益をもたらすのだろうか。

1)高級レストランやムーディなバーで「料理に使ってる水、新鮮だなぁ!」と大きい声で言い放つ場合。自分がグルメであることが演出できる。ただし、グルメな男を「演出」していることは周りの客にバレている。
2)「水道水がおいしくない。」と言える。例え無味でも、言える。味がわからない人も、言える。言うことはだれでもできる。
3)忘年会、新年会で「きき水ゲーム」を行う場合。構成員全員が飲料水にこだわっている会社なんてこの世にあるのかは知らない。



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