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Animoca Brands 〜 次世代Defi革命におけるNFTの役割

概要:
クリプト世界におけるゲーム業界•メタバースの先駆けである企業、Animoca Brands
共同創業者、取締役会長であるYat Siuによる、同社の市場戦略についてのプレゼンテーションを日本語で要約。

HK Blockchain Week 2020 - Keynote Speech by Yat Siu

✏️過去、所有権がどう確立されてきたのか

  1. 黒死病の世界的な流行

資源の総量が変わらないまま多くの人が亡くなった結果、今まで一部の上層階級が独占していた資源を下層階級の人々が利用して経済活動をできるように。

商人階級の出現

  1. 通貨の普及

牛(家畜)が初の**「共通の価値」、つまり通貨**として利用される。シンプルな物々交換のみで成立していた交易は、牛を使ったやりとりに代替されていく。人は、物の価値を相対的に測る物差しを手に入れた。

  1. 銀行の発達

ただの保管庫としての役割しか果たしていなかった銀行が、金融サービスをも提供するように。**資産の貸借に関する規則(Double Entry)**の発明によって、ローンなど私たちが現在も利用する画期的なサービスが利用できるようになり、経済活動がさらに促進された。

金融革命(Financial Revolution)

✏️NFTによる「デジタル所有権」の確立

ブロックチェーンの発達によって、自分が購入した「データ」の所有権が、現実世界のモノのように確保される。何かの画像を買ったとすれば、ただその画像にアクセスできるというだけでなく、その画像を自由に**使用、収益、処分できる「権利」**や、付加価値など全てがついてくる。

✏️ゲーマーへの需要

  1. 26億人規模のマーケット

現在、26億人ものゲーマー達が何かしらの形でゲーム内商品にお金を払っている。しかし、「所有権」という観点から言えば、彼らはその資産を本当の意味では所有していないのだ。現時点では、ゲーム内購入したものは交換できないし、そこから収益を得ることもできない。

  1. ゲーム内商品の売り上げ

実質的な所有権が伴わないにも関わらず、2019年には**$500億(約5兆円)以上のバーチャルグッズが購入された。2022年には、その倍の$1000億(約10兆円)**にまで到達すると予測されている。

Animocaは、NFTとブロックチェーンを利用して、「所有権の確立されたバーチャルグッズ」の自由貿易(いつでも、どこでも自由に売買ができること)を目標にしている。

✏️すでに高額のNFT取引は行われている

2019年、Animoca Brandsがオークションに出品したゲーム上のスポーツカーが**$113,000(約1200万円)**で落札されている。本当の意味で所有権がついてくるからこそ、この値段での取引になったのだとSiu氏は語る。

✏️現状のDeFiは商人がいない銀行

DeFiは、NFT世界での銀行のような役割を果たす。しかし、バーチャルグッズの所有権が確立もされていなければ、バーチャルグッズの商人もいない現状では、その真価を存分に発揮できていないのだ。そう、ただの金庫でしかなかった古代の銀行のように。それが原因で、現在のクリプト世界はただの仮想通貨のやり取り、投機対象としてしか見られていないのだ。

✏️DeFiが持つ可能性

NFTなどを使ったローンやレンタルなどの、所有権が確立されたからこそできる金融サービスは、段々と出てきている。しかし、Siu氏によればその規模はまだまだ小さく、そこに可能性があるのだという。

事実、2020年のクリプトユーザーは5000万人存在するのに対して、NFT所持者はそのうちの15万人に満たないという。

加えて、2020年までに販売されたNFTアイテムの総額はまだ**$3.15億(約350億円)程度にしか満たないが、2019年のゲーミング市場はそれ単体で$1490億(約16兆円)**もの規模を誇っている。

この領域こそ、Animoca Brandsが参入しようとしている分野である。

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