良いイラストレーションってなんだろう?
良いイラストレーションってなんだろうってたまに思う。結果が数字で出ないことが多いイラストレーションにおいて、良い悪いという判断基準は結構難しいと個人的に思っている。
使われる媒体によって同じ絵でも良くなったり悪くなったりもすると思う。
書籍、挿絵、広告、webなどなどそれぞれで違う役割があるから、その役割をちゃんと果たしているのが良いイラストレーションだともいえる。
その中の一つ、書籍表紙に絞って考えて見た時、表紙のイラストレーションの場合はやっぱり手に取ってもらえるかどうかだと思う。
本は読んでもらって初めて意味をなすものだと思っているので、手に取ってもらわないことには始まらない。そのための表紙。
だからこそ、手に取ってもらうためのイラストレーションを描くんだけど、単に目立つというのではだめで、売り場で並んだ時にどう見えるかがとっても大事。
だからこそ、売り場を想像しながら仕事するというのもイラストレーターにとっても大切だと思う(デザイナーの仕事なのかもしれないけど、そもそもイラストレーターはデザイナーの一部なんだから)。もちろん書店によって並べ方は違うものの、平置きにされた時にイラストレーションの力が100%である必要があると思う。
原画が良いとかはどうでもよくて、書籍の場合は平置きの時点を目指して仕事するのが今の所自分の中では正解だと思っているし、そこでの見え方が良いものは良いイラストレーションなんだとも思う。
(ただ見え方が良い悪いの捉え方もさまざまなので、これまた基準は人それぞれになるのかも。難しいなぁ。)
単体で素晴らしいものを作るのはあたり前のことだけど、さらに並べられても存在感がある(佇まいがある)ものを作りたい。
そんな思いで僕の場合、イラストレーションを作っています。
みんなの考えも聞いてみたい。
Photo by 四月のアップリケ
Photograph Yuko Shimada(SUYASUYA)
illustration Takeru Toyokura(Re:VERSE)