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繰り上げ暗算、下からするか?上からするか?

 子供の勉強を見ていて、ふと気づいた。
 例えば4桁+4桁の足し算では、子供は一の位から計算を始め、徐々に上の位に進んでいき、最後に千の位の計算をする。繰り上げ*を考慮しなければならない足し算では、その方が計算しやすいからだ。
*繰り上げ(または繰り上がり):同じ位どうしの数字を足した結果、一つ上の位に1を加えること。例えば17+28の場合、一の位どうしの計算では繰り上げが発生する。

(例)上の計算をします
まず一の位(なぜか図が左にずれた)
次に十の位
そして百の位
最後に千の位でできあがり

 おそらく子供に「これを暗算でしなさい」と言ったとしても、同様のプロセスで計算するだろう。
 しかし、いまの私はこれを暗算するとき、上の位から、つまり千の位から始める。

まず千の位
次に百の位
そして十の位
最後に一の位でできあがり(なぜかまた左にずれた)

 上記計算過程を見れば分かるが、上から計算する場合、その一つ下の位(点線部分)を見て、繰り上げがあるか否かをいちいち確認しなければならないので、脳のメモリをより使う。しかしそれでも、私はこちらの方法で暗算している。


 そう気づいて、2つの疑問が浮かんだ。

疑問1:なぜ上の位から計算するのだろう?
疑問2:いつからそうするようになったのだろう?

 疑問1の答えとして、2つ思いついた。
 1つ目は、重要な位から先に計算したいため。4桁以上の計算結果で重要なのは上から2桁または3桁程度だ。一の位なんてほぼどうでもいい。だから暗算の最中でも「ふ~ん、この結果は一万三千八百くらいか…」とか考えながら、あとは惰性で計算している。7桁以上になれば、下3桁は計算すらしないだろう。
 2つ目は、数字はもともと上の位から読み上げるものだから。特にこれは誰かと会話しながら暗算するときに顕著になる。

資料を見た上司「あれ?今月の○○地域の発電量は少ないかな…」
私「えーと、その地域の△△発電所と▢▢発電所の発電量合計が(暗算を始める)…三億四千…五百…六十七万…八千kWhなので、そうですね、全体の10%程度ですね。」

※フィクションです

 このようにしゃべりながら暗算すると、自然と上の位から計算するようになるのではないか。

 疑問2の答えだが、大学生の時はまだ下から暗算していた気がする。たぶんだけれど、社会人になって5年程度を過ごした後からだろうか。これは入社6年目に配属となった部署で、扱う数字の桁数が一気に増えたということもあるが、数字の持つ意味の重要性にも桁によって濃淡がある、と気づくようになったためだと思う。


 なお、本稿のタイトルは、某映画のものを真似て「繰り上げ暗算」と書きだした。繰り上げ(繰り上がり)は足し算の場合に現れるが、社会人だと競合や前年同期の数値などと比較することが多いので、繰り下げ(繰り下がり)引き算の暗算の方がより頻度高いかもしれない。

 そろばんの有段者だと、暗算でどちらから計算するのだろうか。
 ちょっと気になった。

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