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あの公園は今もなお、同じまま

19歳の頃。

予備校生だった僕は、予備校裏にある公園で気分転換していた。友達はおらず、話し相手もいない。毎日毎日、家と予備校の行き帰りだけ。喜怒哀楽は一つもなし。将来に対する不安と、現状への葛藤だけ。小説をよく読んだ。唯一、現実を忘れられる時間だった。

あれから20年。公園は何も変わらず昔のまま。

今でこそ、孤独で自分に向き合い続けたあの1年は無駄ではなかったと思ってる。大事な人との死別の悲しみや病気や事故と苦しさ等を除いて、孤独はつらい。だから人の「つながり」の中で、生きた方がいい。勉強だってスポーツだってそうだ。みんなでやった方が楽しい。小学校の教員として子どもたちに語る原点はここにある。

でも結局、人は孤独だ。別に悪い事ではない。ずっと一緒に過ごしてきた「自分自身」がいるから。「20年前の俺。大丈夫だ。お前が孤独に耐え抜いたから北海道に行けたし、つながりの大切さを知れたんだ」と語りかけてみる。

19歳の僕は言いそうだ。

「何でお前はここにいるんだよ。将来のために俺は今頑張ってるんだ。せっかく行動できる役割と場所があるんだ。グズグズするのはここまでにして、やるべきことをやれ」

そうだよね。

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