2023年4月①

僕はこう見えて掃除とか片付けの類が全然できなくて、部屋とか机の上とかに物が散乱しがちなタイプなんですが、だからと言って全てにおいてズボラで大雑把な人間というわけでもなく、どちらかといえば几帳面で神経質な方だと自覚しています。時と場合によるんですけど、普通そこまで気にしなくてもいいようなことでも一度気になると細かいことが気になって、解消しないと前に進めなくなったりすることが多々あります。今のところ自分の部屋や机の上とかに対してそういう風になったことが一度もないというのが残念で仕方ないのですが。


ウチの職場には、無料で水やお茶を飲める給茶機というのがありまして、まぁウチに限らず世の中のあらゆるオフィスやその類の施設に一般的にあるものだと思いますが、例に漏れずありまして、勿論有料の自販機でコーヒーやジュース類を買って飲んだりもしますが、無料で水やお茶を飲める機会は絶対に享受したいので、頻繁に利用します。
この給茶機で飲み物を飲むためには、おそらくほぼ全員の方が経験あることだと思うので安易に想像できると思いますが、大抵その本体の横に付随している紙コップがストックできるホルダー的なものから紙コップをひとつ取り出し、そこに飲み物を注ぐ、という手順を踏むことになります。そしてその紙コップを取り出す方法としては、紙コップホルダーの底から少しはみ出している紙コップをひとつ手動で引き抜く、もしくは、ホルダー自体にボタン的なのがついていてそのボタンを押すと紙コップがひとつ下から落ちてくる、という2パターンが主流かと思います。僕の職場にある給茶機の場合は前者、自分で底からひとつ手動で引き抜くパターンになっています。

この、紙コップを手動で引き抜くパターンにおいて、しばしば起こり得る事象として、一度に2個紙コップが取れてしまう、というのが、割とあるあるとしてあるかなと思います。基本的に紙コップは1人につき1個なので、複数人分のお茶汲みを1人でやるような場合を除き、紙コップは1個取れればよくて、一度に2個取れてしまうと1個が余分になってしまいます。

普通に考えれば余分な1個をまた紙コップホルダーに戻せばいい話で、実際僕も1個戻すという発想になるんですけど、ここで僕がどうしても気になってしまうことがあります。一度に2個取り出された紙コップというのは、2個がしっかりくっついた状態になっていて、うち1個を戻すためには、2個くっついた紙コップを1個ずつに引き剥がす必要があり、そこで絶対に2個の紙コップ両方とも自分の手で触ることになってしまいます。
果たして、一度自分の手で触れてしまった紙コップを再び紙コップホルダーに戻してもいいのかどうか、これが僕がどうしても気になってしまうところになります。みなさんはどうでしょうか。

ただ、この問題に関しては、今の僕はもう既にひとつの対処法を導いているというか、自分の中でこの問題をクリアするひとつの正解に辿り着いておりまして、どうやってそこに辿り着いたかという過程と合わせて、ここで紹介させてもらいたいと思います。

まず、少しでも手で触ってしまったからと言って、余分な紙コップを元に戻さずに捨てる、もしくは、自分で2個紙コップを使ってしまう、というのは、僕の中では最適解ではないと判断しました。まず、使わずに捨てるのは単純にもったいない話で、紙資源は現代人が無駄にすべきではない筆頭だと思うので、これは採用すべきではないです。また、自分で2個使ってしまうというのも、もったいないという観点では同じで、どうせ1日に2杯以上お茶ないし水を飲むとはいえ、せめて同じ日の間ぐらいは1個の紙コップで使い回しできればそれに越したことはないので、わざと自分が2個使うのも、避けたいところです。

やはりここは、余った1個をまた紙コップホルダーに戻す方向で、いちばん被害の出ないやり方を考えるべき、ということに僕の中でなりました。そして、戻す場合に考慮すべきポイントは2つあって、1つは、2個の紙コップのうちどちらを戻すか、もう1つは、紙コップホルダーにどうやって戻すか、という点です。

まず、2個の紙コップのどちらを戻すか、について考えていきます。
2個まとめて取り出された紙コップはぴっちり重なった状態になっているので、基本的には両手で引き離す作業になり、このとき、重なった2個の外側の方の紙コップの側面を片方の手で持って、重なった2個の内側の方の紙コップのフチの部分をもう片方の手で持って、引き離すという構図になると思います。つまり、2個を引き離した時点で、外側だった紙コップは側面に自分の手が触れていて、内側だった紙コップは、コップの飲み口にあたるフチ部分に自分の手が触れている状態になります。
ここまで言うと、どちらを自分で使用し、どちらを戻すべきかは明らかだと思います。他の人が使うことを考えると、飲み口にあたるフチ部分に手が触れてしまっているものを戻すわけにはいかないですし、まだ側面に手が触れただけなら、他人の口に入る部分に手の汚れがうつったわけではないので、まだセーフのような気がします。

こうして順を追って説明すると、当然の判断のように感じられますが、無意識にこの判断に至るのは実は難しいように思っています。というのも、紙コップが2個重なって出てきたときの外側にある方というのは、もし普通に1個だけ取り出せてたときに本来自分が使うことになっていた紙コップなので、2個出てきて咄嗟に1個だけ戻そうと思うと、つい内側にある、本来自分の次の人が取るはずだった方を戻そうという発想になりがちだからです。紙コップを1個ずつ順番に取り出すという本来の流れから考えると、自分が使うのは最初に手が触れた外側の紙コップだって思ってしまうところですが、2個を1個ずつに引き離すという工程において、順番的には後から手が触れることになる紙コップの方が他人の口に接する面を触って汚れてしまうことになる、という状態の変化を考慮した上で、順番的には先に取り出した方を戻すのがよい、という判断が求められるのです。

どちらの紙コップを戻すべきか決まったので、あとは、それをどのように戻すかを考えていきます。
普通に考えると、下から手動で取り出すタイプの紙コップホルダーは、新しい紙コップを上から重ねていくように補充することになるので、それと同じように、ホルダーにあるストックのいちばん上に戻す、という発想になるかと思います。ただ、ここで忘れてはいけないのが、戻す紙コップというのは、側面に自分の手が触れてしまったものであるということで、それを上から入れ直すということは、いちばん上にストックされている紙コップの内面に、自分の手が触れた側面が接することになり、間接的に、新しい紙コップの飲み物が注がれる面に自分の手の汚れがうつってしまう恐れが生じることになります。これでは、せっかく飲み口に手が触れなかった方の紙コップを戻したとしても、別の新しい紙コップの内面を汚してしまうことになり、前段での選別が無駄になってしまいます。
では、どのように戻したらいいのかというと、普通に考えたときの逆、つまり紙コップホルダーの上から補充し直すのではなく、下の取り出し口から押し戻す、というやり方になります。下から押し戻す場合、紙コップに自分の手が触れた面がいちばん外側の状態になり、新しい紙コップの内面やフチに触れることもなく、結果的にいちばん汚れが広がらず、被害が少ない状態で戻すことができると考えます。

以上が、1個余分に取り出してしまった紙コップを元に戻す際に考慮すべき2点について、僕なりに辿り着いた対処法となります。2点に共通するポイントとしては、最初に思ったことの“逆”をいく、ということになります。どちらの紙コップを戻すのか、戻すときに紙コップボルダーのどこから戻すのか、最初こっちだよなって思った方とは逆を行った方が、実は他人への被害を最小限に抑えることができるという結論に至ったのは、全部自分の中で考えたことではありますが、まさかでした。
でもこれで、無事他の人に汚れていない紙コップを使っていただけることになるので、とてもよかったです。僕自身もうこれ以上職場の紙コップについて考える必要がないと思うと、とても晴れやかな気分です。


自分がヘンに几帳面で神経質になってしまう例を挙げるとして、果たしてこの話でよかったのかどうか、というのをがっつりひととおり書き終えたところでまた考え過ぎてしまいそうになってきたので、ここで終わらせてもうこの話題はしません。でもまた全然違うところでは普通に話してしまうかも。だいたい「しません」とか簡単に言い切ってしまうのは良くないよね。でもだからと言って中途半端に濁すのもそれはそれで違うと思う。じゃああの書き出しからどう締めるのがよかったんや。こうやってまた考え過ぎてしまって最終的に全部消すってなりかねないので、強い気持ちで全文字を残して何も考えずにもう終わります。

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