見出し画像

ソシャレンに 350 万円投資して、大変な目に遭った件

はじめに

 皆さま、ソーシャルレンディング(ソシャレン)に投資したことはありますでしょうか?私は 2018年9月からソシャレンに投資をしており、最大で 350万円をソシャレンに投資していました。一部、まだ借入金を回収できていませんが、実質的には2021年12月にほぼ完全撤退しています。
 当時、Fintech ブームに乗じて、ソシャレンも一種のブームとなりました。私はどちらかというと出遅れ組だったのかもしれませんが、最終的には 350 万円を投資し、多くのソシャレンが崩壊するという悪夢に巻き込まれました。これまでバイオ株、ゲーム株、東電株などで散々失敗してきましたが、このソシャレン投資での失敗は株式投資とは異なったタイプの失敗でした。私の失敗談を紹介しますので、皆さんの投資活動に役立てて頂ければと思います。

ソシャレンとは?

 ソシャレンとは「ソーシャルレンディングとは『お金を借りたい個人や会社』と『お金を貸したい個人や会社』をマッチングするサービス」とのことです。

 主に投資家は個人投資家が多いと思います。ソシャレンサービスを通じて、各種事業や不動産開発などにお金を貸付して、金利収入を得るという立て付けです。利回りは5%〜10%ぐらいのものが多く、1万円という少額でもサービスが利用できるのが特徴と言えます。

ソシャレンとの出会い

 当時、私は J-REIT や高配当株投資で、ある程度投資活動が軌道に乗り始めていた頃でした。これらの投資活動に加えて、新しい投資方法を模索していた頃です。当時ソシャレンという新しい投資法がブームになっており、ウェブでそれらの投資法を見つけるのにそれほど時間はかかりませんでした。
 ソシャレンについてまとめてあるサイトやブログを複数見て勉強し、ソシャレンのランキングなどを見ながら、それぞれのソシャレン業者の特徴を勉強していました。まさか、それらの業者の半数が崩壊するとは思ってもみませんでした。

ソシャレンへの投資

 ある程度ソシャレンの特徴を押さえたところで、少額で投資を始めてみました。ある業者の「投資金額2万円程度で、利回り10%程度のファンド」に投資してみると 9ヶ月 程度で資金が戻り、収益も得られたので、手応えを感じました。とは言え、個々のファンドが毀損するリスクも考え、ファンドを分散しました。また、業者も分散し、多い時には 8 社に投資を行っていました。
 ソシャレンの投資はある程度まで非常に上手くいっていました。私は徐々に投資対象を増やしていきます。そして、多い時には最大で 350 万円まで投資金額が膨らんだのでした。

終わりの始まり

 私がソシャレン投資を始めた頃、グリーンインフラレンディング(GIL)の問題が巷で騒がれました。私はグリーンインフラレンディングに投資をしていませんでしたが、このニュース自体は知っていました。

 正直、この時点でソシャレンから撤退していれば被害は多少マシになったのだと思いますが、私は何故か「自分は大丈夫」という謎の自信があり、ソシャレンへの投資を継続しました。

 しかし、その後、私が投資しているファンドの幾つかでも期失(支払いが滞ること)が発生するようになりました。そして、ある業者は期失を連発させ、連絡が取れなくなる事態も発生しました。
 株式や REIT の投資であれば、問題が発生した時に損切りすることができますが、ソシャレンは損切りすることができません。またファンドの透明性がないので、何が起きているのか分からず、不安が増大する日々となりました。

SBISL お前もか!

 その当時、SBI グループである SBI ソーシャルレンディング(SBISL)は、そのブランド力から投資家からの信頼を集めていました。私も投資をしていました。その SBISL がある日突然崩壊を始めます。

 SBISL は最終的に投資したお金を全額返してくれましたので、大事には至らなかったのですが、ソシャレン業界で激震が走ったのは言うまでもありません。

そして終焉へ

 SBISL のニュースが巷を騒がせていた時、ソシャレン業界を牽引していた maneo 社の元代表である滝本氏が亡くなったと言うニュースが飛び込んできました。

 私は maneo 本体には投資をしていませんでしたが、maneo グループに投資をして、若干資金が焦げ付いていました。このニュースを聞いたことが一つの節目となり、maneo グループに投資したお金は諦めることにしました。

私のソシャレン投資の収支

 それでは、私のソシャレン投資の収支をご紹介します。時には最大 350 万円まで投資額を増やし、期失が発生してからは、ソシャレン投資から撤退を始めました。maneo グループへの投資については、まだ一部清算できていないものもありますが、自分の中では損金として計上しております。さて、全体収支は?

¥-16,217

 いかがでしょうか?散々リスクを抱えて、相当不愉快な思いをして最終的にはマイナスで終わりました。しかし、私としてはこれでも大健闘だと思っています。実は、振込手数料とかはこの金額に入っていないのでもう少し損は大きくなるわけですが、それでもこの壊滅的な状態から数万円の損で撤退できて本当に良かったと感じております。
 特に SBISL への投資資金が全額戻ってきたのが非常に大きく、これが戻ってこなかったら相当被害は拡大しておりました。

ソシャレン投資はコツコツ、ドボン

 冒頭でご紹介していますが、私はこれまで色々投資で失敗しています。ソシャレン投資は株式や J-REIT 投資とは異なるタイプの失敗でした。その特徴を幾つかまとめます。

自分だけは大丈夫だろうという油断

 ソシャレン投資を開始時に、前述した GIL の問題が発生したのは知っていました。しかし、なまじ投資が上手くいっていたので「自分だけは大丈夫だろう」という考え方となり、結局大失敗しました。

よく考えるとポンジスキーム

 ソシャレン投資開始時は少額で投資を開始しています。ある程度再現性が取れてから、投資資金を増やすような行動となります。今回私が失敗したスキームは、よく考えてみるといわゆるポンジスキームでした。「ポンジスキームには引っかからない!」と思っても、実際そういう局面に遭遇すると見極めるのはなかなか難しいということが分かります。
 コツコツ投資して、ある日突然業者が崩壊する。ファンドへのリスク分散は意味がありませんでした。私が投資したソシャレンはコツコツドボンのポンジスキームでした。

問題が発生しても損切りできない

 株式や J-REIT などは問題が発生した時に損切りをすることができますが、ソシャレンは損切りすることができません。正直、問題が発生した時には祈るぐらいしかできませんでした。問題が発生した場合にできることは訴訟を起こすぐらいで、実際にできることは非常に少ないです。また、訴訟が起きた場合にも、問題が決着するまで非常に長い時間がかかります。すぐに損切りできないのはソシャレンの大きな問題点であると言えます。

ソシャレンに投資する必要はあるのか?

 これまで書いてきた問題を経て、私はソシャレン投資から撤退しました。正直言うと、馬鹿馬鹿しくなったのです。利回り 5~6% 程度であれば、高配当株、J-REIT、インフラファンドへの投資で十分です。これらの上場証券であれば、ある程度透明性も担保されますし、損切りも可能です。現在の私としてはソシャレン投資に全くメリットを感じることができず、むしろデメリットの方が大きいと感じます。

終わりに

 いかがだったでしょうか?私の経験は 2018〜2021当時の経験となります。最近のソシャレン事情には精通していないので、ソシャレンが現在どうなっているかは把握していません。少なくとも私は今後ソシャレンに投資をすることは無いと思いますが、もし、皆様がソシャレン投資を検討している場合は私の失敗も参考にして頂けますと幸いです。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?