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なぜ、レバナス投資はダメなのか?

 年末に大人気だったレバナス。しかし、その人気にも陰りが見えて来たように思います。なぜ、レバナス投資がダメなのでしょうか?考察してみました。

レバナスについて

 レバナスと言いますと、一般的に以下の2つの投資信託のことを指します。

 米国の NASDAQ100 という指数に対してレバレッジをかけた投資信託という位置付けです。NASDAQ 指数が大きく上昇する局面では、大きなリターンが得られる反面、NASDAQ 指数が大きく下落する局面では、大きく損が膨らみます。NASDAQ 自体がボラティリティの高い指数となりますので、更にレバレッジをかけているので、リスクは非常に高いです。

 なぜ、このレバナスが人気になるかというと、リスクが高い分、短時間で儲かる可能性があるからです。リスクとリターンは表裏一体で、ハイリスクハイリターンということになります。

なぜレバナス投資はいけないのか?

 「なぜ、レバナス投資がいけないか?」については、なぜか楽天証券が紹介してくれていますので、ファイナンス的な部分の解説は専門家に任せようと思います。

 私はどちらかというとメンタル的な部分について考察してみようと思います。レバナスをちゃんと分析すれば、長期投資には向かないし、リスクが高いことはすぐ分かります。それなのにレバナスに投資してしまう心理は一体どのようなものなのでしょうか?

みんながやっているから

 年末にレバナスが流行っているときに、ツイッター上ではたくさんのレバナスに関するツイートを見ました。ここでは敢えて載せませんが、レバナスホルダーの相関図まで作る方がいて、何かチームのような一体感が演出されていたのかもしれません。その当時、レバナス戦隊という謎の戦隊物が結成さたりもして、一種、異様な感じでした。
 このような状態だと「みんなやっているから大丈夫」という心理が働きます。レバナスに投資する方は、周りに流されやすいのではないかと思いました。

すぐに成果が欲しいから

 レバレッジをかけるということはリスクをとる代わりに、時間を短縮する効果があります。そもそも、レバレッジはどちらかというと短期の投機に向いている手法で、長期の投資には向いていません。レバナス積立などはレバレッジをかけて、長期投資をするという相矛盾した手法なのです。レバレッジをかけて早く金持ちになりたいという意図が見えます。しかしながら、レバレッジをかけると、市況が悪いときはすぐにお金が減ります。

思い込みが激しい

 損すると思って投資をする人はいないと思います。レバナスに投資することが儲かると思って投資をするわけです。しかし、投資をする前にきちんと他の選択肢は検討したのでしょうか?長期投資でしたら S&P500 に積み立てしても良かったでしょう。他の選択肢をきちんと勉強してから投資に臨んだのでしょうか?「レバナスは儲かる」という思い込みが強かったのではないでしょうか?

 レバナスは商品であり、投資は自己責任です。レバナスが悪というよりは、安易に「レバナスが儲かる」と思ってしまう心理こそが悪なのではないかと思っています。

手数料も考えよう

 今回、この記事を書くに当たり、少し手数料についても調べてみました。

iFreeレバレッジ NASDAQ100 の目論見書より
楽天レバレッジNASDAQ-100 の目論見書より

 大和は購入手数料が安いですが、信託報酬は高いです。一方、楽天は購入手数料が高く、信託報酬は安いという特徴があります。しかし、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の購入手数料は無料で、信託報酬は0.0968% という状態ですので、これらレバナスの手数料がいかに高いか分かります。
 そう考えると、レバナスは証券会社にとっては非常に美味しい商品であることが分かりますよね?投資初心者にレバナスを積み立てさせると、誰が儲かるのでしょうか?年末のブームについても色々と考えてしまいます。まぁ、証券会社はそれが仕事ですからね…。

(追記)楽天証券は楽天レバナスの購入手数料が無料とのことです。

まとめ

 今回はレバナスについて考察してみました。レバナスは商品なので、商品が悪だとは考えません。また投資は自己責任です。レバナスのボラティリティや手数料を考えると、レバナスを積み立てる「積みレバ」がかなり難しい投資法であることが分かります。しかし、そういった事実がありながら投資をする方は、周りに流されやすいか、思い込みの激しいタイプなのかもしれません。レバナスに投資をしている方は、今一度、自分の投資方法を見直した方が良いと思われます。

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