前WHOアジア事務局長、葛西先生を思う: ポストコロナの世界で
2024年4月13日から、医療安全学会総会が開かれました。理事長、会長の御尽力により素晴らしい方々が集まり、そしてご登壇されていたように思います。
ただ、この場所にぜひいて欲しかった人間がひとりおります。前WHOアジア事務局長葛西先生です。
ご存知のかたは多いと思いますが、葛西事務局長はWHO内での言動がパワハラとの告発を受け、任を解かれてしまいました。それは、まさしくコロナ禍の真っ只中で、コロナの拡大で世の中の全ての価値観が根本から覆されてもおかしくない状況でした。そんな状況での、多数の人命に関わるコマンドセンターのトップですから、厳しい態度で仕事をおこなわざるをえなくなるのは、本当によくわかります。
今の時代、そんな状況であっても、とか、そんな状況だからこそ、とか、いろいろとしたり顔でもっともな話をしてくる人たちがいることはよくわかっています。彼も現代の様々な事情に適応出来なかったうかつさもあるでしょう。そこに弁明する余地はないのかもしれません。
でもですね、葛西先生が必死になって人類を守ろうとした気持ちにはウソはなかったと思います。日本にとって本当に貴重な人材である彼には、機会があればぜひ表舞台に戻ってきて、貴重な経験を皆に伝えて欲しいと思っています。
そして、コロナ禍で仕事を辞めていった仲間たちが、平和な生活が送れているように心から祈っております。