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もがみ型について

もがみ型は多くの点で話題性が高い護衛艦の一つです。
まず第一に、ステルス性を意識しレーダー反射面積を最小化するために船体・上部構造物につけられた傾斜が特に見た目の面で特異です。


もがみ型2番艦くまの。平面的な艦腹が特徴的。



もがみ型は25大綱・26中期防で構想がまとめられた多機能護衛艦(DEX)として検討。段階的に退役が進むDEやDDの役目を吸収しながら新編された2ケタ護衛隊群に配属される予定でした。

最終的に名称は3000トン型将来護衛艦、艦種記号はDXに決まります。
しかし何故か2018年4月3日に幕僚幹部が艦種記号をFFMに変更します。
DXやDDXの「X」には経験的に「実験的、試験中」の意味合いがあるので(例XF-32など)取りあえずの艦種記号であった可能性があります。

最終的に就役したもがみ型護衛艦は基準排水量3900tとなり、乗員90名とないました。これまで海上自衛隊が運用してきた汎用護衛艦を代替するのに足る性能、SeaRAMなど次世代型防空火器を装備し、個艦防空能力が向上しています。
遠隔操作に対応した機関銃架が設けられているのも新鮮です。

何より重要なのが、対機雷戦能力の獲得です。
従来の汎用護衛艦は掃海具を用いた掃海を主としていました。
対機雷戦ソナー・システム(OQQ-11)が搭載されているほか、無人機雷排除システム用水上無人機(USV)と機雷捜索用無人機(UUV)の運用能力が付与されています。

計画段階では掃海隊群が水陸両用作戦にも参加するようになったことが挙げられていますが、ロシアによるウクライナ侵攻を見れば明らかなとおり、機雷の敷設による海洋航路妨害は100年前とあまり変っていません。

掃海能力の向上は長期的なメリットとなるでしょう。

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