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HMS Belfast

テムズ川に停泊する記念艦HMS Belfastを訪れました。HMS Belfastは、第二次世界大戦から朝鮮戦争にかけて活躍したイギリス海軍の軽巡洋艦であり、現在は歴史的な遺産として多くの人々に親しまれています。今回は、その見学の様子をご紹介いたします。


HMS Belfastは1939年に進水し、戦時中には数々の重要な任務を遂行しました。戦後は長らく現役を続けた後、1971年に退役。1978年からロンドンのテムズ川沿いに記念艦として保存されています。

HMS Belfastに近づくと、そのスケール艦に驚かされました。艦船の全長は約173メートルで、前回見学したUSS Cassin Youngと比べるとかなり大柄に感じられました。外観で目を引くのは、軽巡洋艦ながら迫力ある4基の三連装主砲。この時代の英国艦船らしい角張った環境も魅力的です。そして、なにより惹かれるのは、舷側に張り出して存在感を放つ装甲帯。これまで見学してきた艦船の中でも特に雄々しく感じました。艦内に入ると当時の海軍の生活や戦闘の様子が詳しく再現されています。

この艦の特筆すべき点は、世界各国の多くの記念艦と異なり、殆ど全ての区画を見学できることです。艦内の居住区や食堂、医務室などに限らず、弾薬庫、主機・主缶室(タービン・ボイラーのこと)などマニアならぜひ見てみたい箇所が盛りだくさんでした。これらのエリアでは、海軍兵士たちがどのような生活を送っていたのかが詳細に示されており、艦船生活の一端を体感することができます。特に、兵士たちの寝室や食堂は、戦時中の厳しい環境を垣間見ることができる貴重な部分でした。


弾薬庫、及び揚弾機構。徹甲弾と榴弾も並べてあり、当時の状態を忠実に保存している。

さらに、主砲室の見学も印象的でした。6インチの主砲砲塔内見学はもちろん、揚弾機構を保護するターレット装甲も実際に厚みを感じることができます。そして艦内を下へ下へと下りて行くと、6インチ砲弾がずらりと並べられた弾薬庫にたどり着きます。弾薬庫から見上げると砲塔まで続く機構が良く見えます。


とてもマニアックだが、これは主砲の旋回装置である。ここはわざわざ球状ののぞき窓があり、仕組みを見ることができるようになっている。

HMS Belfastの見学は、単なる歴史的な遺物を観るだけでなく、当時の海軍の生活や戦争の実態について深く学ぶ貴重な体験となりました。艦船の詳細な展示とリアルな再現により、歴史の中に生きた人々の努力や犠牲に思いを馳せることができました。

ロンドンを訪れた際には、この記念艦をぜひ見学されることをお勧めいたします。歴史と戦争の息吹を感じる素晴らしい機会となることでしょう。

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